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樺島 重憲 院長の独自取材記事

えがおの森こどもアレルギークリニック

(川崎市高津区/高津駅)

最終更新日:2023/06/23

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック main

医師になる前は人工衛星の開発を行っていたという経歴を持つ樺島重憲院長が、2023年5月に新規開院した「えがおの森こどもアレルギークリニック」。壁に描かれたかわいいキャラクターが迎えてくれる院内は、病院が苦手な子どもたちにも通いやすい雰囲気だ。困っている人をサポートできることがうれしいと、サラリーマンから医師へ転身した樺島院長は、多くの子どもたちが抱えるアレルギー疾患を専門にする医師でもある。国立成育医療研究センターでアレルギーの治療や研究、後進の育成に尽力、立川相互病院ではアレルギー専門の外来を立ち上げるなど、その経験を生かし同院でも食物経口負荷試験などを積極的に行っている。この10年の進歩がめざましいといわれるアレルギー治療や、サラリーマンから医師をめざした経緯などたっぷり話を聞いた。

(取材日2023年6月1日)

困っている人を助けたいという思いから医師へ転身

医師になろうと思われたのはどのようなきっかけからですか?

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック1

私は少し変わった経歴の持ち主で、医師になる前は企業で人工衛星の開発に携わっていて、皆さんもご存知の気象衛星の初期設計を行ったりしました。その当時の主な仕事は新しい人工衛星の構造体を作ることだったんですが、現場のトラブルを解決することにも奔走していたんです。その時、現場で困っている人をサポートし「助かったよ」と言ってもらえることがうれしかったんですね。それで、困っている人をサポートする仕事が自分には向いているのではないかと思い、以前から関心もあり、病気で困っている患者さんを助けることができる医師の道へ転身しました。

小児科を選ばれたのは、なぜですか?

医師になると初期研修といっていろいろな科を順に周るのですが、その中で小児科が1番楽しかったんです。病院の中で笑顔があふれている現場は少ないですが、小児科は笑い声が聞こえ明るいというのも良かったです。それに、成長していくお子さんたちの姿を見られるのも、うれしいことです。患者さんに説明をすることも得意だったので、最初はわかりやすい説明が求められる成人病を診る診療科と迷いましたし、「小児科は大変だよ」という声もあり悩みました。ですが、もともと「やりたいことを貫きたい」と考えて会社を辞めて医師になったのですから、自分が1番楽しくやりがいを感じられる小児科を選びました。

アレルギー疾患を専門にされているとお聞きしました。

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック2

小児科の中でも、小児内科、小児外科、小児整形外科などと細分化されていますが、そんな中でアレルギーを専門としている先生2人にお話を聞く機会がありました。1人の先生から「アトピー性皮膚炎はコントロールが望める時代になった」と聞き、アトピー性皮膚炎は治らないと思っていたので少し驚いたんですね。また別の先生には、積極的な食物アレルギーの治療法が開発されているという話を聞きました。アレルギー治療の進歩はすごく、治らないと考えられていた病気がコントロールすることも望めるようになっていることに感銘を受け、アレルギー疾患を持っている子どもは多いので、そういう子どもたちを助けることができることに魅力を感じ、アレルギーを専門とすることにしました。

かかりつけの小児科でアレルギー専門の医師による治療

開院されたばかりのとてもかわいらしい院内ですね。特徴を教えてください。

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック3

開院を決めたのは、患者さん一人ひとりに自分がベストと思う治療をしたいという思いと、アレルギー疾患で大きな病院へ来る患者さんはかなりひどい状態の場合が多いですが、赤ちゃんの時からしっかりサポートすることでそもそもアレルギーにならずに予防することができるのではないかと考えたからです。それができるのはクリニックだからこそかなと。院内は子どもたちが楽しく過ごせるような工夫をしました。例えば診察室のドアに描かれたウサギや猫のイラストは、お世話になったデザイナーさんの5歳のお子さんが描いた絵をモチーフにしています。病院は怖いと言うお子さんも多いので、かわいいキャラクターが迎えることで、子どもたちが安心して通えるといいなと思っています。

食物経口負荷試験室があるとお聞きしました。アレルギーを専門にされる看護師さんもいらっしゃるとか。

食物経口負荷試験室という、個室を2部屋つくっています。アレルギー検査というと血液検査を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、血液検査でわかるのはあくまでも食物アレルギーがあるかどうかの可能性なんです。最終的にアレルギーの有無の確認のためには食べてみることが必要で、まずはほんの少量を摂取し2時間くらい様子をみます。こうして食べられる範囲の中で、食事指導をしながら摂取可能な量を少しずつ増やしていくことをめざすのですが、時間のかかる検査なので、靴を脱いでソファーでゆったり過ごしてもらえるようにこの部屋をつくりました。また、当院にはアレルギーについて専門に学んだ看護師が在籍しています。薬の塗り方や日常生活でのアドバイスなど、一人ひとりのお子さんに合わせたきめ細かな対応ができるのも、当院の強みの一つです。

かかりつけの小児科でアレルギーを専門にする先生に診ていただけるのが、心強いです。

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック4

アレルギー治療の進歩はとても早いです。例えば10年前は、アレルギーが心配な赤ちゃんは卵や牛乳などの食品を食べるのを待ったほうが良いと言われていましたが、今は免疫をつけるために早く食べたほうが良いのではという考えもあります。そういう新しい情報は、アレルギー専門の医師のほうが取り入れやすいと思います。また、かかりつけの小児科は赤ちゃんの時からそのお子さんの状態を診てよく知っていることがメリットですね。アトピー性皮膚炎をきちんと治療することで食物アレルギーが減ることが期待できるという研究結果もあるように、赤ちゃんの頃から湿疹の治療をきちんと行い、極端な食物除去はせずにアレルギーの症状が出る前の段階でうまく対応していけるのは、日頃から患者さんと関わっているかかりつけ医だからこそだと思います。

みんながハッピーになれるクリニックをめざして

クリニック嫌いの子どものために、配慮されていることはありますか?

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック5

なるべく嫌なところ、怖いところと思われないような工夫をしています。壁にアニメーションを流して楽しい雰囲気をつくったり、採血するときは麻酔シールを貼ることで、痛みが少なくなるような配慮をしています。また通常の採血は注射器で行いますが、当院では指先から1、2滴の血液を採血することでアレルギー検査が行える機器を導入しています。この検査は痛みがほとんどなく、最短30分で結果が出るなどメリットが大きいですが、その検査結果の解釈が難しいため、それを見極める力も必要とされます。当院ではなるべく子どもたちの負担を減らす環境や検査をするように配慮しています。

保護者への対応で心がけていることがあれば教えてください。

医師になる前にサラリーマンをしていたことが役に立っていますね。医師の世界では、医師だけがわかっている独特の表現があり、一般社会では通じにくい場合があります。企業に勤めていた頃は、3年がかりで行った研究を学生さんにもわかるように3分で説明しなさいなんて言われることもあり、わかりにくい話をかみ砕いてわかりやすく説明する術をサラリーマン時代に身につけました。これは、医師になって保護者の方に説明する時に大いに役立っていると感じます。特にアレルギーの治療は長くかかることが多いので、治療に対し保護者の方がきちんと納得していないと途中で止めてしまうこともあります。そうならないようにわかりやすい説明を心がけています。

まだ開院されて間もないですが、今後の展望を教えてください。

樺島重憲院長 えがおの森こどもアレルギークリニック6

クリニック名に「えがおの」とあるように、みんながハッピーになれるクリニックをめざしています。指先の採血も、器具を見ただけで怖くなり泣いてしまう子もいるので、横でビデオ映像を流している間にさっと終わらせるような工夫をしています。このような工夫はまだまだできると思うので、これからも考えていきたいですね。それから保護者に対しては、わかりやすく丁寧な説明を行うこと。そして、スタッフや私も気持ち良く楽しく働けるような職場環境をつくっていくこと。子どもたちは病気が治ってハッピー、保護者は不安が取り除かれてハッピー、働く私たちも楽しく働けてハッピー。そんなクリニックをめざし、今後もスタッフみんなで努力していきたいと思っています。

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