横田 至誠 院長、横田 章子 副院長の独自取材記事
医療法人歯健誠会 よこた歯科
(大田区/平和島駅)
最終更新日:2021/10/12
平和島駅から徒歩約5分の場所にある「よこた歯科」。1992年の開業以来、地域住民の歯の健康を守り続けている。横田至誠院長と横田章子副院長を筆頭に歯科医師は6人在籍しており、審美歯科を専門とする歯科医師も常勤で診療にあたっている。めざすのは「いろんな提案のできるクリニック」で、常に新しい情報と設備を取り入れることにこだわっている。マイクロスコープの増設や先進の口腔内3Dスキャナーの導入もその一環だ。幅広い診療に対応するが、数年前から矯正を希望する患者が増え続け、今では全体の半分を占めるという。「患者さんの生活やお子さんの将来を担えるクリニックでありたい」と話す横田院長と章子副院長に、マウスピース型装置を用いた矯正について、また機器やスタッフについても話を聞いた。
(取材日2020年3月3日)
商店街のクチコミから広がっていった歯科診療の輪
歯科医師をめざした理由と、これまでのご経歴を教えてください。
【横田院長】歯科医師をめざしたのは、技術を身につけて専門職に就きたいと思ったからです。城西歯科大学(現・明海大学)卒業後は、同大学病院で3年間勤務したのち、出身地である高知県のクリニックに勤務しました。そちらの先生は、地域の皆さんに好かれる豪快な人柄の方です。インプラント・外科・補綴・矯正と幅広く知識を持つ勉強家で、私はその先生にとても刺激を受けました。
【章子副院長】子どもの頃から歯のトラブルで泣かされることが多く、歯科医院にはお世話になっていました。生物の勉強が好きだったので歯学部に進学し、院長と同じ大学を同じ年に卒業しました。その後は同大学病院の歯周病科で2年間ほど勤務してから、故郷近くの群馬大学医学部附属病院の口腔外科に移りました。院長は高知で私は群馬、それぞれ出身地に戻っていたんですよ。結婚を機に再び上京し、この地で開業しました。
お二人とも1回は故郷で働いたのち、平和島で開業されたんですね。
【横田院長】そうですね。結局は上京することになりましたが。2人で開業できる地域を探して行き当たったのが平和島でした。私の得意とするのは入れ歯・かぶせ物・インプラント・矯正、副院長は歯周病・口腔外科・小児矯正など。口腔内の総合的な治療が得意ですね。お互いの長所をそのまま役割分担にしました。でも開業した最初の1年ほどは知り合いもおらず、患者さんがなかなかいらっしゃらなくて大変だったんですよ。
【章子副院長】きっかけをくださったのは商店街の皆さんでした。近隣の八百屋さん、お総菜屋さん、お団子屋さんなどがいらして、それぞれのお店のお客さんにまで伝えてくださったご恩は今も忘れられません。商店街や地域の皆さんの歯の健康を、本当に家族のようにお守りしたいと思って診療を続け、現在に至っています。
診療経験の中で、印象に残るのはどんな出来事ですか?
【横田院長】子どもの頃に当院で矯正をされた患者さんが成長され、そのお子さんを連れて矯正相談にいらした時のことです。お子さんの歯を診たら親御さんの子どもの頃にそっくりだったんです。当時に戻った気がして、29年という時の流れを感じました。
【章子副院長】他の歯科医院では「抜くしかない」と言われて悩んでいた患者さんに、歯牙再植術という方法を提案して喜んでもらったこともありました。その患者さんの「本当にうれしい。セカンドオピニオンの大切さがよくわかりました」とおっしゃった言葉が忘れられません。
子どもも大人も。増え続ける歯列矯正ニーズ
矯正に力を入れていらっしゃるんですね。
【章子副院長】もとより診療の一つとして矯正は扱っていましたが、実は特に力を入れていたわけではないんです。患者さんのニーズが増えたのはここ数年のことです。最初は子どもの患者さんがとても増えました。ほとんどがクチコミや紹介で、学校の友達やきょうだいの例を見て始めるお子さんがとても多かったんです。今も増え続けていますね。そのうち付き添いの親御さんから、ご自身の矯正相談を受けることが多くなりました。こちらもあっという間に相談件数が増え、今では診療時間の半分は矯正に対応しています。矯正の患者さんは大田区全域からいらっしゃるようになりました。
マウスピース型装置を用いた矯正について教えてください。
【横田院長】これまで矯正というと、床矯正やブラケットを使った矯正が主流でした。大人の患者さんの中には「矯正をしていると知られるのが恥ずかしい」とおっしゃる方も少なくありません。マウスピース型装置を用いた矯正はそのような患者さんが矯正を始めるきっかけになっています。
【章子副院長】矯正は口腔内3Dスキャナーで撮影するところから始めます。型を採る必要はありません。この段階で矯正後のシミュレーションまで確認できるんですよ。そこからゴールまでに用いる、少しずつ異なる数十個のマウスピース型装置が最初にできあがります。めざすところが目に見えていると、患者さんのモチベーション向上にもつながります。1~2週間ごとに装置をご自宅で交換して、1~2ヵ月ごとの通院で状態をチェックします。
マウスピース型装置を用いた矯正のメリットはどのような点でしょうか?
【横田院長】最もわかりやすいのは「見た目」です。ワイヤーや金具が見えることがネックで、矯正に踏み切れない方もいらっしゃいますよね。マウスピース型装置は見た目も透明に近く、矯正していると気づかれないことがあるほどです。接客の多い職業の方にも選ばれることが多いですね。そして歯科医師の視点からはトラブルが少ないことも大きなメリットです。ワイヤーや金具に比べて、口の中を傷つけにくいのです。万が一装置を紛失しても、ゴールまでの装置が一通りできている状態です。すぐに来院できない時は、1つ前もしくは後のものをつけることで応急処置が可能です。矯正期間も比較的短くて済む傾向にありますし、今はクリニック全体でマウスピース型装置を用いた矯正に力を入れています。
患者に接する引き出しを増やすため、勉強を続ける
こちらでは、手話でもコミュニケーションを取れるそうですね。
【章子副院長】はい。受付スタッフが自発的に時間をかけて習得してくれたのです。「筆談では思ったことの半分も言えない」という皆さんから好評で、患者さんがお友達を紹介してくださることもあるんです。歯科衛生士たちも患者さんにしっかり心を傾けていますよ。メンテナンスで衛生士と話す時間を楽しみに定期的に来られている患者さんもおられます。笑い声が絶えず「いつクリーニングしたの?」というほど話に花が咲いたまま終わることもあるほどです。
【横田院長】当院のスタッフは勉強家が多いですね。スタッフ全員が月に一度レポートを提出し、知識を共有しながら研鑽し合っています。
新しい機器の導入にも積極的だと伺いました。
【横田院長】機器は毎年新しいものをチェックし、必要なものは取り入れるようにしています。昨年まで2台だったマイクロスコープを今年は1台増やし、合計で3台導入しています。診療用ユニットも3台ですので、同時にマイクロスコープでの精密治療を受けられるようになりました。2年前には先進の口腔内3Dスキャナーも導入し、マウスピース型装置を用いた矯正もよりスムーズになりました。
【章子副院長】滅菌も徹底しています。特に大事な歯の切削器具用の滅菌器はドイツ製を導入し、厳しい水準とされる欧州と同じ衛生環境の維持に努めているんですよ。
最後に読者へメッセージをお願いします。
【横田院長】当クリニックがめざすのは、患者さんの生活やお子さんの将来を担っていけるクリニックです。ご高齢者に愛される優しい歯科医師、子どもに人気の女性の歯科医師もおります。スタッフ個々の強みを生かして、地域の皆さんの歯をこれからも守り続けていきたいと思っています。
【章子副院長】そのために情報収集にも力を入れています。最近ではマウスピース型装置を用いた矯正の勉強会が多く、スタッフはそれぞれ違う勉強会に行くんですよ。そこで得た知識を各自持ち帰り、皆で共有します。スタディーグループによってテーマも異なりますから、知識の幅がとても広がります。多い時は月に4~5回も講習会に出ることもあるんです。新しい知識を得るのは楽しいですし、それを患者さんに還元できるのは歯科医師としてうれしいことです。知識の引き出しがたくさんある歯科医師は多くの可能性を考えられますからね。
自由診療費用の目安
自由診療とは・マウスピース型装置を用いた矯正/成人40万~65万円、小児45万
・歯列矯正/成人・両顎60万円、小児32万円~(床矯正代も含む)
・インプラント治療/25万円~
・CAD/CAMで作成したセラミック/1本4万7000円
・ジルコニアマルチレイヤード/1本7万円
※上記は一例になります。症例によって費用が異なる場合がございますので、詳細は必ずクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。