無症状で進む胃がん、大腸がん
手遅れになる前に内視鏡検査を
武蔵小杉胃と大腸の内視鏡・消化器内科クリニック川崎中原院
(川崎市中原区/武蔵小杉駅)
最終更新日:2025/02/19


- 保険診療
- 自由診療
日本人の2人に1人が罹患するといわれているがん。中でも、胃がんや大腸がんは、罹患数や死亡数が多く注意が必要だ。内視鏡検査によって胃がんや大腸がんの予防や早期発見に力を入れている「武蔵小杉胃と大腸の内視鏡・消化器内科クリニック川崎中原院」の平野直樹理事長は「消化器症状が出た時には、すでにがんが進行していることが考えられます。症状が出る前に内視鏡検査によってがんのリスクを下げるよう図ることが重要です」と話す。平野理事長は東邦大学医療センター大森病院や昭和大学江東豊洲病院消化器センターなどで内視鏡検査や内視鏡下治療を数多く手がけ、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を持つ、消化器内視鏡のエキスパートだ。そんな平野理事長に内視鏡検査の重要性や検査を先送りすることのリスクなどについて聞いた。
(取材日2025年1月22日)
目次
内視鏡検査で大腸ポリープや萎縮性胃炎などがんのもとになる病変を把握し、適切に処置することが重要
- Q内視鏡検査を受けていない人にはどんなリスクがありますか。
-
A
▲問診票をもとに丁寧な診察を始める
胃がんや大腸がんは大きなリスクとなり得ます。今、日本人の2人に1人はがんにかかるといわれています。部位別のがんでは、大腸がんは罹患数総数の1位、男性では2位、女性でも2位となっていて、死亡者数は男性2位、女性1位となっています。胃がんは減少傾向であるものの、罹患数男女ともに4位、死亡数男性3位、女性5位となっています。内視鏡検査を受けずにいると知らない間にがんが進行し、やがて大がかりな手術や治療が必要になるなど、心身に大きな負担がかかってきます。その一方で、胃がんや大腸がんは予防が見込めるがんです。内視鏡検査によってがんのリスクがわかりますので、そのリスクに応じて予防策を講じることができます。
- Q胃がんや大腸がんの治療は症状が出てからでは遅いのですか。
-
A
▲知らぬ間に進行するがんのリスクを減らしたいと語る
胃がんや大腸がんは、初期では自覚症状がほとんど出ないまま進行していくため、何か症状が出た時にはすでに進行していたり、中には症状が出にくいケースもあり気づいた時にはもう手遅れということも考えられます。その症状として胃がんでは、胃の不快感や膨満感、吐き気、みぞおちあたりの痛みなどです。大腸がんでは、血便や腹痛、下腹の張り、便が細くなる、下痢や便秘といった症状です。いずれも日常的に出やすい症状なので、軽く考えてしまいがちですが、実はがんと深く関わっていることを意識してほしいですね。もしこのような症状がある場合は、その原因を適切に診断するためにも内視鏡検査を受けてください。
- Qその内視鏡検査とはどういう検査なのですか。
-
A
▲40代からの内視鏡検査を推奨し、早期発見につなげる
胃と大腸の2つの内視鏡検査があり、いずれも先端に小型カメラのついた細いスコープを用いて消化管の中を観察します。口もしくは鼻からスコープを挿入する胃内視鏡検査では、食道から胃、十二指腸を観察し、食道炎や食道がん、胃がん、胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍などの発見につなげます。慢性胃炎や萎縮性胃炎は胃がんを引き起こすピロリ菌感染が原因であるため、ピロリ菌感染の有無も確認できます。肛門から検査を行う大腸内視鏡検査では、大腸ポリープ、大腸がん、クローン病、潰瘍性大腸炎などの発見が見込めます。腫瘍性の大腸ポリープはいずれがんに進行しますので、早期に発見し切除することが大腸がんのリスク軽減につながります。
- Qどんな年代の人が検査を受けるべきなのでしょうか。
-
A
▲若い患者でも便秘や下痢、血便の症状があれば受診を推奨している
胃と大腸の検査は、いずれも40歳以上の方は受けるようにしましょう。企業の健康診断や自治体の大腸がん検診などで便潜血が陽性と出た方は、年齢に関わらず必ず大腸内視鏡検査を受けてください。また若い方でも便秘や下痢を繰り返す、便に血が混ざっているなどの症状がある方も受けてください。川崎市の胃がん検診では胃の内視鏡検査は50歳以上とされていますが、より早期に発見するためにも40代くらいから積極的に受診することをお勧めします。内視鏡検査は、検査を行う医師の技術力や診断力が非常に重要です。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医のいるクリニックを選ぶとより良いでしょう。
- Q検査は1度受ければ安心なのでしょうか。
-
A
▲体質や生活習慣によって大腸ポリープができやすい人もいると語る
いいえ、内視鏡検査は定期的に受けることが大切です。大腸内視鏡検査でポリープを切除した場合は翌年もう一度検査が必要です。また、体質や生活習慣によって大腸ポリープのできやすい人もいますので、大腸の状態やポリープの性質などによって検査の必要頻度は異なり、その都度次回の検査についてお話ししています。また、萎縮性胃炎のある場合、胃がんのリスクが高いので、毎年検査を受けることが必要です。もし胃がんに進行した場合、早期であれば内視鏡下治療で済むケースも望めます。いずれにしても、胃や大腸の状態に応じて定期的に内視鏡検査を受けることでがんなどの疾患のリスクを軽減させていくことが大切です。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡検査/1万5000円~、大腸内視鏡検査/2万4000円~