技術や鎮静剤を駆使し苦痛を軽減
女性医師が行う大腸内視鏡検査
武蔵小杉胃と大腸の内視鏡・消化器内科クリニック川崎中原院
(川崎市中原区/武蔵小杉駅)
最終更新日:2023/07/10
- 保険診療
がんをはじめとする大腸のさまざまな病気の早期発見に有用な大腸内視鏡検査。そのメリットは大きい一方で、恥ずかしい、痛そうなどの理由から、実際に受診するのを躊躇してしまう人は少なくない。そのような中で、「患者さんが安心して受けられるように、当院では苦痛が少ない大腸内視鏡検査に努めています」と話すのが、「武蔵小杉胃と大腸の内視鏡・消化器内科クリニック川崎中原院」の平野直樹理事長。同院では、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医が検査を担当。豊富な経験から身につけたテクニックを駆使すると同時に鎮静剤も使用。患者が苦痛を感じずに大腸内視鏡検査を受けられるよう努めているという。そんな同院の大腸内視鏡検査について、基本的なことやその流れを平野理事長に教えてもらった。
(取材日2023年6月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査は、どのような目的で行われるのでしょうか?
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A
大腸の内視鏡検査の大きな目的は、大腸がんや大腸ポリープを早期に発見することにあります。加えて、便に血が混ざっている場合には、痔や大腸憩室など出血している場所がどこか、下痢や痛みが続くなどの症状があれば、潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性の病気がないかを確認します。特に、大腸ポリープはそのまま放っておくとがん化する可能性が高いことから、そうなる前にポリープの段階で切除をします。さらに、大腸がんも早期で見つけることができれば、内視鏡で切除することが可能です。当院では、検査中にポリープを発見したら、できるものはその場で切除するほか、大きさや数などによっては連携の医療機関に紹介して対応します。
- Qこちらの大腸内鏡検査の特徴を教えてください。
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A
当院では、苦痛の少ない大腸内視鏡検査に努めています。大腸内視鏡検査は、医師の技量が検査中の患者さんに与える苦痛に大きく影響します。当院では、経験豊富な日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医が検査を担当しており、無送気軸保持短縮法と呼ばれる方法で内視鏡を挿入しています。この方法を行うことで、大腸を強く押したりしなくても、内視鏡を進める角度を調整したり、患者さんの体位を変えてもらったりしながら検査を行えるため、患者さんの苦痛の軽減につながります。さらには鎮静剤を使用しており、患者さんは眠ったような状態で検査を受けることが可能です。また、当院では胃と大腸の内視鏡検査を同日に受けることも可能です。
- Qどのようなときに大腸の内視鏡検査を受けたほうが良いのですか?
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A
便潜血検査で陽性だった場合や黒っぽい便や赤い便が出る、排便時に出血する、便が細い、下痢と便秘を繰り返す、1日に何度も排便がある場合は検査をお勧めします。また、大腸がんは遺伝がある程度関係しているといわれていますので、大腸がんや大腸ポリープになった親族がいる人や、大腸がんのリスクが上がる50歳以上の人も受けたほうが良いでしょう。便潜血検査を毎年受けているから安心だという人もいますが、便に血が混ざらない大腸がんもありますし、ポリープは大きさや形によっても血が混ざらないことがあります。また、ポリープができやすい人は年に1回、なかった場合は数年に1回など、次に受ける検査の期間も変わってきます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前診察を受ける
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まずは事前診察を受ける。医師は、主訴やおなかの状態、排便回数や便秘、下痢の有無、基礎疾患などを確認して、大腸内視鏡検査の必要性を判断。検査を受けることになったら検査日を予約する。続いて、看護師より検査前日の食事や、就寝前と当日の朝に服用する下剤の説明がある。検査当日の下剤を自宅で服用する場合には、下剤をもらって帰宅。わからないことや不安があったら、この時にしっかり聞いておくことが大切だ。
- 2検査前日と当日の準備
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検査前日の夕食は、消化の悪い繊維質のものなどは避け、21時までに済ませるほか、就寝前には下剤を服用。その後は、水と茶以外は飲むことはできない。当日の朝は、食事は取らずに大腸を空にするための下剤を服用。約2リットルの下剤を複数回に分けて飲み、トイレに8〜10回行き、便が透明になっているか確認する。同院では、当日の下剤を来院してから服用することも可能で、半個室の専用スペースを用意している。
- 3大腸内視鏡検査を受ける
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来院したら検査着に着替えて検査ベッドに横になり、鎮静剤を投与するための点滴を行う。その後、患者が眠ったような状態になったら検査開始。肛門より挿入した内視鏡で大腸を観察していく。同院では日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医が検査を担当。先進の設備で詳細な観察をしていることに加え、内視鏡の挿入を無送気軸保持短縮法で行うことで、極力、検査時の痛みや不快感を減らせるよう努めている。
- 4検査後、リカバリールームで休憩
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検査は、観察だけの場合は15分前後。ポリープを切除しても20分程度で終了。その後は鎮静剤を覚ますための薬が投与され、患者はストレッチャー上で横になったままリカバリースペースへ。10〜60分程度休憩し、鎮静が覚めたら私服に着替えて待合室に移動。医師からの検査結果の説明を待つ。「鎮静剤を使用すると、気がついたら検査が終わっていたというように眠ったような状態で検査を受けることが望めます」と平野理事長。
- 5検査結果の説明を受ける
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医師より検査結果の説明がある。実際の検査画像も用いながら、詳しく説明してくれる。ポリープ切除を行い病理検査がある場合は、その結果が出る2週間後以降に再度受診し、説明を受ける。来院してから帰宅の途につくまでは1時間半前後。当日は、鎮静剤の影響が残ることがあるため、自動車や自転車の運転は厳禁。また、検査だけで終わったときは特に制限はないが、ポリープ切除をした場合は1週間、飲酒や激しい運動を避けること。