柴田 あずさ 院長の独自取材記事
Mieruレディースクリニック
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2025/03/11

「Mieruレディースクリニック」は、渋谷駅から徒歩約8分、公園通り沿いのビルの一角にある。院長の柴田あずさ先生がめざすのは、幅広い年代の患者をサポートする地域に根差したクリニックだ。若年層によく見られる月経困難症から、40代以降の女性に起こりやすい更年期障害まで、女性のライフステージに合わせた適切な治療を行っている。同院は「通いやすさ」にもこだわっており、予約の取りやすさや診療のスムーズさも特徴だ。思春期から老齢期まで、女性の一生における健康の実現に注力する柴田院長に、力を入れている治療や同クリニックへの想いを聞いた。
(取材日2025年2月14日)
リラックスできる空間で幅広い症状に対応する
クリニック開業の経緯や特徴について教えてください。

もともと父が産婦人科の開業医だったのですが、病気で倒れ、病院が存続できなくなってしまいました。閉院も考えたのですが、医療に一生を捧げてきた父の病院がなくなるのは寂しく思いまして。そこで私が法人を継ぎ、当クリニックを始めたのです。開業に際して、渋谷の幅広い世代の女性が気軽に立ち寄ることができるよう、個人サロンのような空間をめざしました。実は院内の設計は私が手がけたんですよ。清潔感がありながらも落ち着ける雰囲気にしたくて、白を基調に、間接照明を取り入れた点もポイントです。また、「Mieru」というクリニック名は、印象に残っていた医学書のタイトルがもとになっています。患者さんのお悩みを「見える化」して、解決してあげたいという想いを込めました。
患者層の年齢層や主訴はどういったものでしょうか。
渋谷という土地柄、20代の若年層の方が月経困難症などの症状で来院される方が多いですが、松濤エリアにお住まいの方をはじめ、地元の方も多く、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。当クリニックは2024年4月に渋谷区の検診実施指定医療機関に登録されました。ですので、区民の方はクーポン券を使って、子宮頸がん検診やワクチン接種を受けていただけます。子宮頸がん検診の日本の受診率は低く、その中でも渋谷区は2割を下回っています。若いうちは健康な状態を当たり前に感じるかもしれませんが、子宮頸がんは若くても発症リスクのある病気です。検診が恥ずかしいという方には、自己採取検査キットもご用意していますので、ぜひ積極的に受診していただきたいですね。
完全予約制を採用されているそうですね。

当クリニックでは、予約から決済まで一括してオンラインで行えるようにしています。受診の際は、まず指定のオンライン診療アプリに保険証やクレジットカードなどの情報を登録していただき、ウェブ問診にご回答いただきます。当日は待合室で問診票を記入する必要がなく、受付や決済もアプリ内で行えるため、診療のフローがとてもスムーズなんですよ。完全キャッシュレスですので、スマホ一つで身軽に受診していただけます。すべてオンラインと聞くと慣れていない方は身構えてしまうかもしれませんが、簡単に操作できるアプリをこだわって選びましたので、幅広い世代の方にご利用いただけると思います。
多角的なアプローチで加齢によるさまざまな症状を治療
現在注力している治療についてお聞かせください。

最近は特に、更年期障害や尿漏れ、骨盤臓器脱、GSM(閉経関連尿路性器症候群)など、40代以降の女性が悩むことが多い症状の治療に注力しています。更年期障害や尿漏れは聞いたことがある方も多いかもしれませんが、骨盤臓器脱やGSMといった疾患も、加齢や出産といったライフステージの変化で起こるといわれています。骨盤臓器脱とは、骨盤底の筋肉の衰えや靱帯の緩みによって膀胱や子宮、直腸が膣から出てしまう症状です。GSMは閉経で女性ホルモンのエストロゲンが減少することによって起こる症状で、膣の乾燥や尿漏れ、性交時の違和感が生じます。当院では、年齢とともに現れる症状に焦点を当てた医療機器も導入していきたいと考えています。
年齢とともに現れる症状には、どういった治療を行っていくのでしょうか。
当クリニックでは漢方薬の処方やプラセンタ治療、ホルモン補充療法を中心に、症状に合わせてさまざまなアプローチを行っています。例えば骨盤臓器脱の場合、初期であれば運動療法をお勧めし、中度であれば臓器が落ちてこないよう、ペッサリーなどのリングを膣内に挿入する治療法が選択可能です。完全な臓器脱ですと保存的治療では難しい部分が多く、根治のために手術を検討する場合もあります。患者さんの症状やライフスタイル、要望に合わせて治療方針を組み立てていきますが、医師の考える最善の治療方法が患者さんにとっても最善とは限りません。医師としての判断を伝えつつも、患者さんの話によく耳を傾け、多種多様な思いに寄り添った治療をできるよう心がけています。また、長く大学病院で勤めていましたので、合併症がある方の治療経験も豊富です。どんな方でも、まずはクリニックにいらしていただきたいですね。
こちらのクリニックの診療方針を教えてください。

継続して治療を受け、健康な状態を維持するには、待ち時間の少なさや予約の取りやすさといった病院の「通いやすさ」が鍵となります。そのため当クリニックでは、患者さんが行きたい時に予約を取れるよう、現在は祝日以外は毎日診療していますし、待つ時間が少なくなるよう完全予約制を取り入れています。また、重複した質問は避けるなど、二度手間を減らしたスムーズな診療を意識しています。1回の通院に1~2時間かかってしまうと、なかなか通い続ける気が起きにくいものです。1回1回の通院にかかる患者さんの時間的な負担を減らして、気軽にちょっと寄って、短時間で適した治療を受けて帰るという「ちょこちょこ通い」がしやすいクリニックが理想ですね。
気軽に足を運べる「身近なクリニック」をめざして
ご家族に医師の方が多いと伺いました。

実は父だけでなく姉も、さらに祖父母も医師なんです。生まれ育った家は父の産婦人科医院とつながっていたので、家=病院といった環境でした。ですので病院は私にとって特別な場所ではなく、医療も常に身近にあるものでしたね。この感覚は一般的ではないのかもしれませんが、私はできれば多くの人にこういった感覚を持ってほしいと思っています。病院はカフェや美容院と一緒で、身近な存在であり通いやすい場所なのだと認知してもらいたいです。そうした認識を当クリニックからも広げていきたいですし、何か困ったときに気軽に寄れる存在でありたいと考えています。
先生は、プレコンセプションケアの周知にも取り組まれているそうですね。
プレコンセプションケアとは、妊娠を考えているカップルが、受胎の前段階から自分の体や生活と向き合い、整えていこうというものです。こう聞くと、妊娠を考えていない方には必要ないと受け取られるかもしれません。しかし、プレコンセプションケアは妊娠だけに焦点をあてているのではなく、もっと広い視野で、人生100年時代をより良く生きるというところにポイントが置かれています。ですので、ほぼすべての女性に必要な考えといえます。妊娠前後の体の変化を知ることで、妊娠前に準備すべきことがわかります。そして、妊娠前に正しく準備し体を整えることが、更年期や老齢期の健やかな状態へとつながるのです。多くの女性がプレコンセプションケアの考えを受けて、あらためて自分の体を見つめ直せるよう、当クリニックもできる限りのサポートを行いたいですね。
今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

先ほどふれたプレコンセプションケアもそうですし、女性特有の健康問題をテクノロジーで解決する「フェムテック」など、新しいカタカナ用語がどんどん出ています。渋谷エリアは、特にそういった新しい情報に敏感で興味を抱くアクティブな女性が少なくありません。正しい情報を提供するとともに、こういった部分の需要と供給がマッチするクリニックでありたいですね。また、美容に関心がある女性は多く、婦人科と美容領域は切っても切れない関係といえます。当クリニックでは現在も、ボツリヌストキシン製剤によるしわのケアなど、お肌のお悩みに対応していますが、今後はさらに力を入れていきたいと考えています。通いやすいクリニックだと思いますので、ぜひお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは血液検査 1000円~
子宮頸がん検診 5000円~
自己採取検査キットを用いた子宮頸がん検査 8000円(郵送料込み)
超音波検査 5000円~
ボツリヌストキシン製剤によるしわのケア/8000円~