歩行時の痛みは「足の外科」に相談を
適正な靴を選ぶことも大事
さくら通り整形外科クリニック
(福井市/福井駅)
最終更新日:2023/08/10
- 保険診療
整形外科の中でも、足首から指先までのけがや病気を対象に診療を行う「足の外科」。足は常に何十キロとある体重を文字どおり支えており、歩いたり走ったりする中で加齢とともに何かしらの変性が生じることが考えられる。特定のスポーツを続けていれば負担がかかることもあるだろう。「違和感や痛みがあれば早めの受診をお勧めしたい」と話すのは「さくら通り整形外科クリニック」の宇賀治修平院長だ。症状が進むと治療に時間がかかってしまうリスクもある。同院で多いのは外反母趾や捻挫の患者とのことで、捻挫は繰り返すことがあるため再発予防も重要だという。靴専門店と提携し適正な靴のアドバイスも行っている宇賀治院長に、同院の特徴や治療について話を聞いた。
(取材日2023年7月27日)
目次
歩行時の足の痛みは我慢せず 「足の外科」に相談を。早期発見と専門的な治療で回復をめざす
- Q「足の外科」とはどのような科ですか?
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A
整形外科の対象は、首の頸椎から脊椎、脊髄、腰椎、手の先、足の先まで広範囲にわたります。その中で、足首から先のけがや病気を診療するのが足の外科です。足は人が歩くときに体重をかける部位で、痛みなどの問題が起きるとすぐに日常生活やスポーツに影響が及ぶため早期の治療が大切です。治療は装具の装着やリハビリテーションなど多角的に行いますが、重症化すると手術となる場合もあります。足のトラブルの原因は加齢やスポーツ、過度な負担がかかることなどのほか、普段履いている靴が原因であることもあるため、当院では靴の専門店と提携して定期的に外来を設けています。適正な靴の提案をすることも足の外科の大事な役割だと考えます。
- Q足が痛む場合、どのような病気が考えられるのでしょうか?
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A
当院で多いのは外反母趾、捻挫、次に、小指が内側に変形する内反小趾(ないはんしょうし)という病気です。他にも、踵骨(しょうこつ)骨折、アキレス腱付着部症、成人期偏平足、親指に痛みや腫れが生じる強剛母趾、スポーツや長時間の歩行などによる足底腱膜炎、足の神経に障害が起こるモートン神経腫、足首の内側に痛みが起こる後脛骨筋腱炎などが挙げられます。足の変形を伴うリウマチ足や、糖尿病による神経・血管の障害で起こる糖尿病足といった病気もあります。
- Q受診するタイミングについて教えてください。
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A
座った姿勢から立ち上がったときや、歩く、走るために足を踏み出したときに痛みを感じたら足に何か問題が起きているのかもしれません。足底腱膜炎の場合は、かかとが痛く感じるようです。陸上競技をやっている学生さんでは足の指の付け根が痛くて検査をしたら、疲労骨折していたということもあります。痛みや腫れなどは放っておくと、症状が進行し治療できたとしても治療に時間がかかる心配がありますので、何かおかしい、痛いと思ったときは早めの受診をお勧めします。
- Q貴院の治療の強みについて教えてください。
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A
まずは足専門の医師がいること、リハビリテーションの経験が豊富なスタッフがそろっていることが強みです。特徴的なのは、地域の靴専門店と提携しており奇数週に靴専門の外来を行っていること。本来、靴は足の長さのサイズだけでなく厚み、幅も測定した上で選ぶもので、適正な靴を提案しています。職場や学校で指定された靴が合わずに困っている方に対しては、診断の上、問題が起きていたら診断書を書くことも可能です。インソールや義肢、装具も専門店と協力して作っています。また、設備の面では超音波検査機器やエックス線撮影機器のほかにMRIがあり、即日の撮影が可能。疲労骨折なども早期に発見することをめざします。
- Q足の病気を防ぐために日常で気をつけることとは?
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A
靴は、できればシューフィッターさんのいる靴店で選ぶと良いですね。子どもの場合は「どうせ大きくなるから」と大きめサイズを選びがちですが、足のためにはその時期の足に合った靴が望ましいです。スポーツをする時も足首をしっかり支えてくれるサポート力のある靴を選びましょう。靴下は、滑り止めのついているものを選ぶと靴の中で足が前に滑りにくくなりますよ。日常的なケアとしては、爪切りは足専用の道具を使い、「丸く」ではなく「スクエア状」にカットするように気をつけてください。長めにカットしておくと巻き爪の予防につながります。また糖尿病の方は、足に傷やうおのめなどがないかどうか日々確認することが大切です。