長谷 啓 理事長の独自取材記事
クリニックプラス高円寺
(杉並区/高円寺駅)
最終更新日:2025/07/15

理事長の長谷啓(はせ・ひろむ)先生が東京に7院、千葉に1院を展開するクリニックプラス。その一つである「クリニックプラス高円寺」も、忙しい毎日を過ごす人々の健康を守っている。高円寺駅北口からすぐのところにあるビルの4階という通いやすい場所で、平日夜や土日祝日も診療し、急な体調不良に不安を抱えた患者のニーズに応えている。クリニックは夕方には閉まるものという習慣を守る必要はないと、長谷理事長は考える。これまでの「当たり前」の壁をためらいなく壊し、患者ファーストを貫きたいとの思いは熱い。そのためにテクノロジーをフル活用しながらも、人としての温かさも忘れない。長谷理事長が追求する「新しい医療体験」とはどのようなものなのか詳しく聞いた。
(取材日2025年6月30日)
人と医療の距離を近づけプライマリケアをもっと身近に
まず、先生がめざす医療を教えていただけますか。

私たちのミッションは「人と医療の距離を近づける」こと。プライマリケアに携わる者として、「もっと早くに医療機関を受診してもらえていたら」といった残念な状況をなくしたいという思いは切実です。しかし、現状では「待たされるのが苦痛」「行くのが面倒」「行きたいときには閉まってる」などの理由でなかなか足を運べず、症状が悪化してから受診する方も少なくありません。そのような状況に陥らないよう、これまで一つ一つ問題を解決してきました。特に多くの方々をクリニックから遠ざけてきた、長すぎる院内滞在時間の解消にはこだわっています。これまで何らかのマイナスの医療体験がある方にこそ、プラスの価値観を提供したいと思っています。
具体的にはどのような取り組みをしていますか。
例えば、家族全員分の診察券を管理するのは大変ですよね。当院では一つのスマートフォンで家族全員分の予約ができるようにしています。当院はもちろん、系列院も予約可能です。予約が確定したらシームレスに問診に進みます。感染症対策の観点からも、「問診票は待合室で書くもの」というこれまでの習慣を見直しました。問診票は、質問に答えていけば1分30秒ほどで終了するように設計しています。特徴的なのは「医師と話したい」「薬が欲しい」「検査をしてほしい」など、受診の目的を選ぶことができます。また、「要点を押さえたスピーディーな診療」や、「対話を重視した丁寧な診療」など、その時の体調や相談内容によって、医師の診療スタイルを選べるのもユニークなのではないでしょうか。
DXを推進する次世代型クリニックでありながら、温かみにもあふれていますね。

当院では事務員、看護師、医師、みんなで患者さんへの温かな声かけを大切にしています。DX化により円滑な診療を届けることができても、肝心の診療内容が粗末なものであっては患者さんは満足できません。私たちは、初めての受診でも、何回目かの受診であっても、いつも安心して受診いただけるような診察や看護・接遇を、何より重要視しています。当院で勤務するスタッフ全員を対象に、定期的に接遇研修を行い、患者ファーストの声かけや対応を全員が意識できるような組織づくりを行っています。患者さんから実際にスタッフの対応について感謝の言葉をいただくこともありますが、そういったうれしいお言葉はスタッフにもフィードバックさせていただき、スタッフ間でお互いに褒め合うことで、接遇面でのモチベーションアップも図っています。
これまでの「当たり前」を手放し新しい医療体験を創造
さまざまな専門性を持つ医師が集っているのも心強いです。

当院が新しい医療体験を提供できているのは、たくさんの先生方が支えてくれているからです。それぞれが小児科、循環器内科、呼吸器内科、漢方内科、アレルギー科などの専門性を持ち、医師の仕事に誇りを持って真摯に取り組んでいる方ばかりです。意思疎通のために、常勤医師で定期的にオンラインミーティングを行い、グループ全体で事例を共有してより良い医療が提供できるよう努めています。方針のずれが生じたときには、さらなる成長のためにグループ全体で変えるべきかどうかも含めて、よく話し合います。グループの理念をベースにしながら、医師一人ひとりの独自のカラーも打ち出していってほしいなと考え、取り組んでいます。
「クリニックプラス高円寺」ならではの特色はどんなところですか。
グループ全体として内科をメインにしつつ皮膚科やアレルギー科にも注力する診療を基本としていますが、中でも高円寺院は皮膚科のニーズが高いのが特徴です。湿疹、ニキビなどの相談も少なくありません。また、咳や鼻水などの風邪症状で困ったら「まずは、ここ」とかかりつけクリニックとしてもご利用いただけたらと思います。インフルエンザが流行すれば「もしかしたら?」と心配していらっしゃる方が増えますので、感染症対策にも十分配慮しています。駅からすぐの場所で平日20時まで、土日祝日17時30分まで診療していることもあり、会社や学校帰りの若い世代が多いですね。
注力していきたい診療についてはいかがでしょうか。

生活習慣病の治療です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病で定期受診しているのは高齢者というのがこれまでのイメージだったかもしれません。しかし、その「当たり前」を変えて行くのが当院です。生活習慣病に関して、若い頃からできるケアはたくさんあります。健康診断で指摘されても「医療機関に行くのは面像」「そもそも行く時間がない」と二の足を踏んでいた方々にも、通いやすい環境を整えることで、自分の体を大切にする習慣づくりをサポートしていきたいと考えています。生活習慣病の危険信号が点灯し出す30代、40代のうちから食生活や運動習慣の改善などに取り組めば、将来的に服薬を回避することも十分見込めますからね。
患者の声をフィードバックし進化を続けるクリニック
今後、実現したいことは何ですか。

ますます人と医療の距離を近づけていきたいと思っています。これまでも心理的な受診のハードルを下げる取り組みを続けてきました。しかし、「良さそうなクリニックがあるな。でも電車で30分かかるのは嫌だな」と距離的な問題から医療機関への障壁を感じたことがある方もいらっしゃると思うんです。だからこそ、多くの患者さんのすぐそばにある医療機関でありたいです。患者さんに苦労して足を運ばせるのではなく、こちらから近づきます。8院だけではとても足りないので、さらに分院を増やしていきたいですね。将来的には全国展開も視野に入れています。ただ、もちろん分院を増やすだけではなく、一つ一つの院が提供する医療に改善の余地はないか常に振り返り、より快適な医療体験を追求し続けることも、並行して続けていきたいと考えています。
革新的なチャレンジを続ける原動力は何ですか。
患者さんから直接いただく言葉が何よりも大きな原動力になっています。当院では診療後に患者さんからフィードバックをいただくシステムを取り入れています。今までに経験したことのない医療体験に感謝のお言葉をいただいた時には、これまで取り組んできたことは間違いではなかったんだなと強く実感できますし、一方で「もっとこうしたほうが良い」「こういうところは不便だった」というようなお言葉をいただいた時には、まだまだ改善する余地がある、さらに患者さんに満足してもらえるようなクリニックを作っていこうという気持ちになります。私達が患者さんの満足度を追求し、クリニックとしてアップデートし続けることが、日本全体の医療体験の在り方をアップデートしていくことにつながると考えているので、これからもチャレンジと努力を続けていきたいと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

もし当院での医療体験が期待外れだったなら、ぜひありのままの思いをお寄せください。次に起こしいただくまでには改善をめざしたいと思います。事務員、看護師、医師、全員が知恵を出し合いながら「進化し続けるクリニック」でもあります。私たちは変化を恐れません。新型コロナウイルス感染症の流行時には、検査を希望する患者さんであふれかえっていました。そういった、その時代その時代に求められていることに対して、常に敏感でありたいと思っています。体調が悪いのになかなか受診できるクリニックが見つからないという患者さんもいらっしゃると思いますが、困った時は当院を思い出してください。小さなお悩みでもお待ちしています。まずは一度受診してみて、もし気に入っていただけたなら、かかりつけ医として末永くお役に立てれば幸いです。