繰り返し受けることで、病気の早期発見に役立つ
大腸内視鏡検査
名古屋むらもと内視鏡クリニック 栄院
(名古屋市中区/新栄町駅)
最終更新日:2024/08/09
- 保険診療
男女ともに罹患者の多い大腸がん。早期発見のためには大腸内視鏡検査が有用とされるが、「つらそう」「痛そうで怖い」といった検査に対するネガティブなイメージを持つ人も少なくない。しかし、最近はできる限り患者が負担を感じずに検査を受けられるよう、創意工夫を凝らすクリニックが増えているという。「名古屋むらもと内視鏡クリニック 栄院」もその一つで、同院ではプライバシーへの配慮や快適性を追求した院内環境を整えるとともに、先進の機器を導入してより安全性と精度の高い検査の提供をめざしている。「検査は定期的に受けることが非常に大切ですから、また受けようと思っていただけるような体制づくりに努めています」と語る村元喬院長に、検査の流れや同院で工夫していることについて話を聞いた。
(取材日2024年7月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸の内視鏡検査はなぜ受ける必要があるのでしょうか?
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A
大腸がんの患者さんは男女とも50歳以降が多いのですが、40歳過ぎぐらいからできたポリープが徐々に大きくなり、がんになるとされています。そのため内視鏡検査をして、がんの有無を確認すること、ポリープを切除してがんの芽を摘んでおくことがとても大切になるのです。内視鏡検査は、がんのほかにも腸の炎症や、イボ痔(痔核)の状態、若い世代に多い潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の発見にもつながります。
- Q検査は「痛い」「つらい」というイメージがあります。
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A
最近では内視鏡の径が細くなっており、さらに鎮静剤の使用やおなかの張りを抑えるため炭酸ガスを用いる医療機関が増えているなど、患者さんの負担軽減のための工夫が取り入れられています。しかしながら、検査には医師の技量も大切です。当院では「軸保持短縮法」といって、じゃばら状になった大腸を無理に引き伸ばさず痛みが出にくい挿入法を行っています。また下剤は飲む量が少なくて済むものを中心に、味の好みに合わせて数種類を用意しています。
- Q検査は繰り返し受けることが大事だそうですね。
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A
はい。2人に1人ががんになる時代ですので1回の検査でがんがなくても、数年後に発症することもあり得ます。ですから40歳を過ぎたら、何もなくてもできれば3年に1度程度検査を。ポリープを切除したら1~2年ごとの検査が望ましいです。繰り返し受けていただくためには、苦痛のない検査であることが大事。当院では「また受けたい」と思われる検査をめざしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診で排便状況や既往歴などを確認
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診察で現在の状態や既往歴、また家族に大腸がんを患った人がいないかどうかなどを確認される。下痢や便秘がないかどうかも重要項目だ。健診の検便で陽性が出た場合も伝えよう。検査の必要性を医師が診断、検査予約に進む。
- 2前日の夜から下剤を服用し検査に備える
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前日の20時までにかゆなど消化の良い食事を終える。就寝前に錠剤の下剤を、当日朝は液状の下剤を服用。同院では、患者の希望により当日の下剤服用は院内でも自宅でも可能だ。トイレは院内に複数あるという。
- 3検査着で検査を受ける
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検査着に着替えて横になり鎮静剤の注射を受ける。検査自体は20分前後で、ポリープ切除を行っても30分程度。同院では、検査中に病変を拡大して詳細に観察する機能やAI診断補助機能を搭載した内視鏡を用いて、微細な病変も見逃さないよう努める。
- 4リカバリールームへ移動し休憩する
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鎮静剤を使用しているのでストレッチャーのままリカバリールームへ移動、薬の効果が完全に切れるまで30分程度休憩する。カーテンに囲まれたスペースでゆっくり過ごそう。スタッフからの声かけ後、大丈夫なら起きて着替え、診察室へ。
- 5結果説明を受け今後についての話も聞く
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画像を見ながら説明を受ける。ポリープ切除や組織採取をした人でもほとんどの場合、運動、飲酒の制限は当日のみ。悪性か良性かの結果が出るのは約10日後となる。同院では来院のほか、オンライン診療でも対応している。