年齢や症状に合わせ治療法を検討
経験を生かした逆さまつげの手術
べる皮ふ科形成外科
(吹田市/北千里駅)
最終更新日:2025/01/16


- 保険診療
内向きのまつげが目に当たり、不快感のある「逆さまつげ」。目やにや結膜炎などの症状を引き起こし、日常生活にも支障が出るため、眼科で指摘された10代からの相談も増えているという「べる皮ふ科形成外科」。谷川知子院長自身も、幼少期から逆さまつげに悩まされ、目に当たる煩わしさや手術・ダウンタイムへの不安感を知っているからこそ、逆さまつげの診療に尽力している。2種類の手術方法があり、年齢や症状に合わせて選択できる逆さまつげの治療について、それぞれのメリットや経過、どのような患者に勧めるかなど、谷川院長に聞いた。
(取材日2024年12月20日)
目次
不快感や怖さを理解できるからこそ、寄り添った治療を実現。逆さまつげ手術の埋没法・切開法とは
- Q逆さまつげとは、どのような状態のことを指しますか?
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A
▲角膜の炎症や、視力低下の原因にもなるため早めに相談すると良い
逆さまつげとは、本来は外を向いて生えるはずのまつげが内向きに生え、目にまつげが当たってしまう状態です。上まぶたのまつげが目に入るほどの方はほとんどいらっしゃらないのですが、まつげが下向きに生えているために視界を邪魔している場合には手術をお勧めしています。メインになるのは、下まぶたの逆さまつげです。まつげが目の中に入って当たっているので、涙目になったり朝起きると目やにが大量に出ていたりといった症状が見られます。眼球が傷ついたり結膜炎を引き起こしたりすることもあるので、眼科で指摘されたとご相談に来られる方も多いですね。
- Q手術の方法は主に2種類あると聞きました。
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A
▲傷痕が残りにくいよう配慮しながら手術を行う
逆さまつげの手術には、「埋没法」と「切開法」があります。埋没法は、まぶたを切らずに糸で引っぱってまつげを外向きにすることをめざす方法です。上まぶたを二重にするようなイメージで糸をかけるので、下まぶたの手術では涙袋のような線が入りやすいです。切開法は、皮膚を切ってまぶたの縁にある「瞼板」とその下の筋肉「下眼瞼牽引筋腱膜」を縫合します。まつげが外側を向くと皮膚が余りやすいので、一部切除するケースもあります。
- Q埋没法はどのような場合に選択されますか?
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A
▲まぶたの状態や患者の希望で切開法か埋没法を検討すると話す院長
逆さまつげが軽度の場合や、切開をするのが怖いという方には、まず埋没法をお勧めしています。皮膚を傷つけることがなく抜糸も必要ないので、いわゆるダウンタイムといわれる手術後の腫れが少ないことがメリットですね。ただ、まつげを外向きにするための糸が4~5年ほどで緩んだり外れたりしてしまうことがあり、特にまばたきのたびに動く上まぶたでは顕著です。下まぶたであれば比較的緩みは少ないものの、再発することもあります。そういった場合は同じく埋没法で再手術をするか、切開法を検討することもあります。
- Q切開法のメリットや経過について教えてください。
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A
▲手術の説明は丁寧に、不明点を残さないよう行われる
切開法も永久とは言えませんが、定着率が高いことが望めます。逆さまつげの程度がひどい方に加え、一度は埋没法で対応したものの、糸の緩みや再発を理由に切開法を選択される方も多いです。上まぶたの手術では筋肉に触れるので痛みを感じることがありますが、麻酔を使用し、負担が少ないよう配慮しています。また、麻酔の痛みを気にされる方には、テープタイプの麻酔を貼ってから注射します。手術後は内出血による青あざのような見た目が一時的に残ることがありますが、ほとんど痛みはなく1~2週間ほどで内出血も消えていきます。
- Q手術の相談の流れを教えてください。
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A
▲術後数週間で傷痕はほぼ目立たない状態になることが多いという
初診の方はウェブ予約で対応しています。問診票もウェブ上で記入できるので、逆さまつげに悩んでいると書いていただくとスムーズです。初回の診察ではまつげの向きを確認し、手術日が決まれば同日中に血液検査まで受けていただきます。当院は完全予約制で丁寧にカウンセリングする時間を設けていますので、ここでお困り事や手術法の希望などをしっかりとお伝えいただければと思います。手術当日は洗顔、麻酔をしてから手術を行い、30分ほど患部を冷やして出血が見られなければ帰宅可能。1週間後に抜糸し、状態に合わせて1ヵ月後、3ヵ月後に経過観察で来ていただくという流れです。