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筋肉が壊死する心筋梗塞
自覚症状やサインを見逃さないことが大切

KENカルディオクリニック柏

(柏市/南柏駅)

最終更新日:2023/07/14

KENカルディオクリニック柏 筋肉が壊死する心筋梗塞 自覚症状やサインを見逃さないことが大切 KENカルディオクリニック柏 筋肉が壊死する心筋梗塞 自覚症状やサインを見逃さないことが大切
  • 保険診療

約30年前は、死に直結する病気だと考えられていた心筋梗塞。心臓を動かす心筋と呼ばれる筋肉に血液が届かず、壊死した状態になってしまう病気だ。壊死した心筋は再び元に戻ることはできないため、その前兆を見逃さずに予防や治療をしていくことが大切なのだとか。「心臓への血の巡りが悪くなる狭心症やACS(急性冠症候群)など、近年は心筋梗塞になる前の段階で治療を行うことができるようになりました。そのためには、胸痛などの自覚症状やサインを見逃さないことが重要です」と話すのは、2023年5月に開業した「KENカルディオクリニック柏」の中村賢院長。心臓外科を専門に、長年大学病院などで研鑽を積んできた経験豊富な医師だ。今回、心筋梗塞の予防や治療方法などについて詳しく語ってもらった。

(取材日2023年6月28日)

心筋梗塞は起こる前に予防することが何よりも重要に

Q心筋梗塞とは、どのような病気ですか?
A
KENカルディオクリニック柏 診察では模型や例も活用し病気についてわかりやすく説明

▲診察では模型や例も活用し病気についてわかりやすく説明

心臓には主要な血管がいくつかありますが、それぞれが役割を持ち対応する心筋に血液を運んでいます。その血管のどこかが詰まってしまい、届けるはずの心筋に血液が行き届かず壊死してしまう状態が心筋梗塞です。どの血管に詰まりが生じてもおかしくはなく、進行度に応じて服薬治療やカテーテル治療、バイパス手術などを行うことになります。一度壊死してしまった筋肉は再生できませんので、心筋が壊死する前に、また、大がかりな手術やそもそも血管が詰まることのないように、予防することが非常に重要です。

Q心筋梗塞に自覚症状はありますか?
A
KENカルディオクリニック柏 自覚症状がある場合はためらわず受診してほしいと話す中村院長

▲自覚症状がある場合はためらわず受診してほしいと話す中村院長

代表的な自覚症状は、狭心痛です。痛みの長さによって、症状の進行度なども特定しやすいのが特徴ですね。狭心症の場合は5分程度で治まりますが、心筋梗塞の場合は15分~20分程度続きます。逆にそれ以上痛みが続く場合は別の疾患も否定できません。少しの間でも、病気のサインである可能性もあるので、見過ごさないようにしましょう。そのほか、顎や左肩などの関連痛や、糖尿病の方は痛みを感じづらかったりする無痛性狭心症、また、不整脈や失神なども、心筋梗塞の自覚症状の一つです。なお、心筋梗塞は動脈硬化などが原因で起こるため、悪玉コレステロールの数値や高血圧の方なども注意しなければいけません。

Q診断や治療の進め方について教えてください。
A
KENカルディオクリニック柏 検査機器も充実している。心疾患の早期発見に努める

▲検査機器も充実している。心疾患の早期発見に努める

まずは血液検査と心電図検査を行いますが、この段階で心筋梗塞かどうかはある程度わかります。心筋梗塞を疑う場合、続けてエコー検査も実施し、心臓の動きを確認。そこで緊急性が高いと判断した場合は、カテーテル検査を進めていく流れです。当院ではカテーテル検査が必要な場合は、迅速に連携先の医療機関へお送りします。また、治療は薬物療法のほか、カテーテル治療で血管を広げることを図ったり、それでも改善が見込めない場合はバイパス手術を検討したりしますが、やはり心筋梗塞が起こる前に予防することが重要。狭心症の段階で服薬治療を行い、狭窄所見が強い部分にはカテーテル治療やバイパス手術を検討していくのが一般的な流れです。

Q心筋梗塞の予後についてもお聞かせください。
A
KENカルディオクリニック柏 予防や治療だけでなく術後管理も対応

▲予防や治療だけでなく術後管理も対応

カテーテル治療は万能ではなく、その後の服薬治療は欠かせません。服薬を怠ったり、定期的なカテーテル検査を受けなかったりすると、再発してしまう可能性があるので注意が必要です。なお、心筋梗塞の後遺症は、心臓の機能が落ちること。全身の臓器に送られる血液量が落ち、息切れや立ちくらみ、虚血症状などが起こります。当院ではクリ二ックでは珍しい心臓リハビリテーションも行っています。患者さんそれぞれの心臓機能に合った負荷をかけて、機能の改善や体力回復をめざすオーダーメイドのリハビリです。術後管理をしっかりと行うことで再発防止や健康な生活を過ごすことも望めます。

Q日常生活で気をつけるべきことは何でしょう?
A
KENカルディオクリニック柏 院長だけでなく、保健師や看護師などチームで患者の健康を守る

▲院長だけでなく、保健師や看護師などチームで患者の健康を守る

動脈硬化を防ぎ、血圧を下げるために、生活習慣病の予防に努めることに尽きます。例えば、20代や30代の方は多少自由な食生活でも問題なかったかもしれませんが、40代以降の食生活は50代以降の健康寿命に大きく関わります。当院でも40代以降の患者さんには健康指導専門の保健師が指導をしています。また、60代の方には厳重な薬の管理など、緊急性のある疾患にならないようにバランスを取りながら指導を行いますし、70代以降の方にはライフスタイルも重視するようにしています。このように年代により気をつける点は変わりますので、今一度、ご自身やご家族の生活習慣を見直していただき、無理なく予防に努めていただきたいです。

ドクターからのメッセージ

中村 賢院長

循環器疾患は、高齢者だけの病気ではありません。食生活の欧米化などを背景に、心筋梗塞も若年化してきました。当院では、心臓疾患が増えてくる30代後半から心臓検査を受けることをお勧めしています。日本で危険な疾患1位はがん、2位は循環器疾患といわれていますし、ぜひ積極的に心臓検査を検討していただきたいです。胸の痛みは狭心症や心筋梗塞だけでなく、メンタルなどさまざまな原因が考えられますが、少しでも痛みを感じたら医療機関を受診するようにしましょう。心筋梗塞は“結果論”であり、その前段階で予防や治療をしていくことが重要です。ぜひクリニックや医師を活用してください。

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