心筋梗塞や心臓弁膜症など
心疾患の予防には血圧管理が重要
KENカルディオクリニック柏
(柏市/南柏駅)
最終更新日:2023/11/24


- 保険診療
心筋梗塞や大動脈解離といった疾患は命に関わる重大なものだ。いつどんな時に発症するかわからず不安に思う人も多いだろう。胸が少しドキドキしただけでも不整脈なのだろうかと心配になってしまうこともある。長年、心臓外科の医師として数多くの命を救ってきた「KENカルディオクリニック柏」の中村賢院長は「手術が必要にならないよう前段階での管理や、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病の予防・改善がとても重要です」と話す。心疾患を引き起こす原因や予防の方法、さらに循環器内科や心臓外科の専門性を生かした診療の特徴などについて中村院長に詳しく聞いた。
(取材日2023年5月10日/更新日2023年11月20日)
目次
心疾患の予防に力を注ぐとともにペースメーカー管理や心臓リハビリテーションも提供
- Q突然起きる心疾患は防ぎようがないように思うのですが。
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A
▲高血圧症が心疾患の発症の引き金となることも
代表的な心疾患として心臓弁膜症、不整脈、虚血性心疾患、大動脈解離・解離性大動脈瘤や大動脈瘤をはじめとする大血管疾患、先天性心疾患などがあります。これらは日常生活の中で心臓や心血管が少しずつダメージを受けると発症します。ボクシングで例えればボディブローのようにじわじわと効いていき、9~10ラウンドでノックダウンというイメージです。中には大動脈解離のように血圧が急激に上がり突然発症する場合もありますが、だいたいの疾患はじわじわ進行していきます。そのボディブローとなるのが高血圧症です。高血圧症の原因は喫煙や肥満、脂質や塩分の多い食事などで、それらを改善すると、結果として心疾患の予防につながります。
- Q具体的にどんな予防をすれば良いのでしょうか。
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A
▲気になる症状があれば、受診の検討を
まずストレスをためないことが大切です。ストレスがあると交感神経が優位になり血圧が上がりますので、できるだけストレスを解消するようにしましょう。また、禁煙、適度な運動、肥満の人は減量、脂質や塩分を控えるなどごく当たり前のことを心がけること。40~50代は生活習慣病が進行する時期ですので、この時に生活習慣の改善を行って血圧や血糖の管理を行うことが重要です。当院には保健師が在籍しており、生活習慣、運動量、睡眠時間、ストレス管理などアドバイスを行っています。また70~80代の方はすでに疾患にかかっている場合が多いですので、投薬治療を行いながらその人らしく生きられるように管理・指導しています。
- Q予防指導も含めて受診のタイミングを教えてください。
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A
▲心臓外科の医師として研鑽を積み続けた中村院長
患者さんにはいつも、不安を感じたらすぐに受診してくださいとお話ししています。不安や疑問がある時にインターネットなどで調べるよりも、直接医師に聞いたほうが良いと思います。小さな不安から大きな不安までどんなことでもお話を伺い適切な医療につなげるのが地域のクリニックの役目だと考えています。実は心臓機能には何も異常がないのに胸の痛みを訴えるという若い方がとても多いです。原因はストレスや過度の緊張などで心の不調が症状として表れています。このような症状も器質的な原因以外の循環器疾患と考えています。また漠然とした胸痛だけでなく不定愁訴を訴える方も多く、その場合には東洋医学が有用と考え、漢方を処方しています。
- Qこちらでは心臓の術前術後の管理も行っていると聞きました。
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A
▲患者一人ひとりに合った適切な治療法を提案する
心疾患の症状が出てきた際、精密検査や合併症の確認などによって手術まで至らないよう進行を抑えるための管理を行っています。また心臓の手術をしたから治療は終わりではなく、その後の管理を行わないと再手術になる恐れもあります。そのため、当院では疾患や手術方法に合わせて術後の管理をしています。また、当院はペースメーカーの管理も行っています。ぺースメーカーの管理を行っているクリニックは非常に少なく、これまでは大きな病院に行く必要がありましたが近くのクリニックならば通いやすいと思います。一般的には6~9ヵ月ごとにチェックが必要と言われていますが、3ヵ月ごとにチェックを受けたほうがより安心できるでしょう。
- Q心臓リハビリテーションについても教えてください。
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A
▲心疾患の予防に注力していきたいという
心臓リハビリテーションは、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんの体力回復や社会復帰、再発防止などを目的としたリハビリテーションです。一人ひとりの心臓機能や負荷能力を適切に評価し、それに即してエアロバイクや筋肉トレーニングなどを行います。心臓リハビリテーションは投薬治療と同じくらい重要と考えています。ただ、クリニックで行っている所は少ないため、これまではリハビリテーション専門の病院などに通院しなくてはならず実際に受けている人が少ないのが現状です。