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中村 賢 院長の独自取材記事

KENカルディオクリニック柏

(柏市/南柏駅)

最終更新日:2024/09/02

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏 main

柏市新富町、日光東往還沿いにある「KENカルディオクリニック柏」。ここは東京慈恵会医科大学附属柏病院をはじめとした総合病院などで難しい心臓外科手術に携わってきた中村賢院長が、地域の中で人々に寄り添いながら心疾患の予防や健康維持に寄与していきたいとの思いで2023年4月に開業した。中村院長は、心疾患の引き金となる高血圧症や糖尿病の予防・管理に力を入れるとともに、その専門性を生かして心臓手術の術前・術後の管理やペースメーカーの管理も行っている。2024年5月からは本格的な心臓リハビリテーションを始め、心臓病の患者の心機能回復や再発防止に努めている。また地域のニーズの高い小児科の診療体制も拡充させた。クリニックの特徴や予防医療への思いなどについて話を聞いた。

(取材日2024年7月5日)

循環器疾病の予防や健康維持に寄与したいと開業

まずクリニックの特徴について教えてください。

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏1

当院は循環器内科と心臓外科という私の専門性を生かした診療を中心に、クリニックでありながら精密な医療の提供と、予防医療や健康管理に関する情報発信をめざしています。特徴の一つは専門的な検査ができることです。心臓超音波検査をはじめホルター心電図検査、抗血栓療法でワルファリンカリウムを服用している人の血液凝固レベルを調べる検査、心臓に負荷をかけて診断するトレッドミル負荷試験や、動脈硬化の程度を調べるABI検査などさまざまです。もう一つ、当院ではおもてなしの精神を大切にしています。待ち時間を少しでも快適に過ごしていただけるようコンシェルジュを配し、患者さんのお出迎えから、待合室での目配り心配りに努めつつフォローにあたっています。

南柏を開業の場所に選んだのはどんな理由があったのですか?

南柏周辺から埼玉県南東部には循環器内科の専門クリニックがあまり多くはなく、また小児科も少ないということで地域のニーズが高いのではないかと考えました。もともと柏市に住んでいて、良く知る先輩医師も多いという理由もありました。ここを選んだのは2022年の夏、たまたま車を走らせていた時に、この建物が目に入ったことがきっかけです。駐車場も広く2階のテナントが空いていたので、すぐ1Fの薬局に尋ねたら内科クリニックを募集していると。そのまま担当の方につないでいただきとんとん拍子に決まりました。偶然的な出会いで何か深い縁を感じました。

ご専門の循環器内科、心臓外科の特徴について教えてください。

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏2

当院では手術に至らないよう疾患の進行を抑えるための管理をしっかり行っています。また心臓手術を受けたら治療が終わりということではなく、術後の管理が重要です。さらにペースメーカーの管理も実施しています。クリニックでペースメーカー管理に対応しているのは珍しいともいわれます。これまで大規模病院に通院する必要があった患者さんが、ご自宅の近くのクリニックでペースメーカーのチェックを受けられれば、より安心していただけるのではないでしょうか。さらに2024年5月からは、心臓リハビリテーションも始めました。

心臓リハビリテーションによって生活の質の向上を

なぜ心臓リハビリテーションを始められたのですか。

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏3

心臓リハビリテーションは投薬と同じくらい有用とされています。しかし心臓リハビリテーションを提供している医療機関はとても少ないのです。心臓病の治療や手術で入院している方は、院内でリハビリテーションを受けられますが、その後、退院してしまうと、通院リハビリテーションに行かずに途中でやめてしまうケースがとても多いのです。心臓病を患った方は、どこまで心臓に負担をかけていいのかわからないので、体をあまり動かさず普段の活動量が減ってしまう傾向にあります。ご家族も、心臓が心配だから家でおとなしくしていてほしいと考えるでしょう。ですが、そのままでいると心機能や体力の回復ができず、再発のリスクも高くなってしまいます。

心臓リハビリテーションは心機能回復のために大切なのですね。

心機能や体力の回復、再発防止の目的だけでなく、ご自身の体をどの程度まで動かせるか、心臓にどのくらい負担をかけられるかを客観的に知ることができる、ご自身の体に自信を取り戻すという点でも心臓リハビリテーションは重要と考えています。当院ではリハビリテーション室を設置し、理学療法士や管理栄養士などとともに患者さんを包括的にサポ―トしています。一人ひとりの身体活動能力レベルに合わせたメニュー、ストレッチや有酸素運動、筋力トレーニングなどを理学療法士の指導のもとに行います。心臓リハビリテーションはまだあまり知られていませんが、当院のように地域のクリニックで受けられるのはとても便利だと思います。ぜひ活用してほしいですね。

診療の際はどんなことを大切になさっていますか?

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏4

重要視しているのは患者さんの生活背景を読み取り、そこに寄り添うことです。一人暮らしの方や忙しく自分に手間をかけられない方など、十人十色の生活がありますし、同じことをお伝えしても感じ方や響き方も変わります。特に心疾患の中には大動脈解離のように予後が安定しない重篤な疾患があるので、発症しないことに越したことはありません。そのため発症の引き金となる高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の予防・管理にも力を入れています。予防医療の啓発や心疾患に関する情報発信も行いつつ、今年度からは定期的に講演会も始めました。地域に根差した医療の場としてできることを常に模索しつつ試行錯誤を重ねています。

小児科の診療体制を拡充して子育て世代を支える

小児科の診療体制の充実にもこだわったと聞きました。

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏5

子育て世代が増えている地域でもあり、小児の患者さんが増えています。そこで小児科専用の診療室を増設しました。新しい待合スペースもかわいく楽しい雰囲気です。東京慈恵会医科大学附属病院の小児科と深く連携を取って、感染症や消化器疾患、アレルギー疾患など幅広く診ています。スギ・ダニアレルギーには舌下免疫療法も行っています。私自身、小児の心疾患も専門なので、先天性心疾患の術後の経過観察や小児の循環器疾患、さらに成人先天性心疾患の診療も行っています。小児科の医師たちは、現役で子育て中のパパやママです。診察の際は不安なこと、心配なこと、なんでも相談していただけます。もちろん保健師や看護師、多くのスタッフも子育てを経験してきた、いわば同志です。子育ては孤育てといわれる時代ですが、孤独を感じることなく子育てに向き合える場を提供できたらと考えています。

先生のご経歴について改めて教えてください。

もともと「カッコつけたがり」で(笑)、外科を選択し、その中でも花形といわれる心臓外科を選びました。心臓外科は命に直結する領域であり、少しでも多くの方を救いたいという思いも強かったです。5年目の頃から、運良く執刀する機会を得ましたが、圧倒的な鍛錬が必要であると実感し、当時高額だった冠動脈バイパス手術のトレーニング装置を自ら購入して練習を重ねました。その後、民間病院や大学病院などで24時間365日体制で緊急手術や心臓外科診療に身も心もささげてきました。こうして約20年、常にオンコール状態で走り続けてきたのですが、ある時期、実の父や友人、恩師、さらに義父の命を失うという悲しい出来事が続きました。それが一つのきっかけとなり自身の生き方を考えるようになったのです。

医療に対する意識の変化もあったのでしょうか。

中村賢院長 KENカルディオクリニック柏6

そもそも医師になったのは大切にする多くの人たちの役に少しでも立てればと思ったからではないかと、このまま一直線に外科医師の道で進んでいくことに戸惑いも感じ始めました。医師人生が40年ほどだと仮定すると、20年間は一途に外科の道を進んできたので今度は違った形の医療も行ってみたくなりました。これまで自分が手がけてきた重篤な循環器急性疾患は適切に予防すれば発症を回避することが望めます。そのための一次予防や健康指導をすることが、細分化する今の医療の中で本当は重要なのではないかと思うようになったのです。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

おもてなしの精神を大切に、専門的な医療の提供と信頼されるクリニックをめざしています。どのようなことでも不安に思うことがあれば相談に来ていただきたいと思います。たとえ専門外のことでもお話を伺って、より適切な医療につなげることもクリニックの大切な役目と考えています。これからも地域の方々がより元気で充実した人生を送れるようお一人お一人に寄り添いながら伴走していきたいと思っています。

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