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杉 佳紀 院長の独自取材記事

杉ハートクリニック

(飯能市/東飯能駅)

最終更新日:2025/11/14

杉佳紀院長 杉ハートクリニック main

2023年、医療過疎が進む飯能エリアに開業した「杉ハートクリニック」。杉佳紀院長は大学病院でカテーテル治療に携わり、アメリカでの研究経験も持つ循環器内科のエキスパート。地域のニーズに応えるため一般内科も幅広く診療している。開業当初から送迎車を導入し、訪問診療にも力を入れるなど、通院困難な患者にもきめ細かく対応。話し好きで穏やかな人柄の杉院長に、地域医療への思いや包括的な診療体制について語ってもらった。

(取材日2025年10月20日)

循環器内科の専門家として地域の期待に応える

飯能という地域で開業された経緯を教えてください。

杉佳紀院長 杉ハートクリニック1

大学病院で循環器内科の医師として勤務していた頃、飯能エリアには常勤の循環器を専門とする医師がいるクリニックがなく、患者さんをご紹介する際にいつも悩んでいたんです。「自分の患者さんをどこに紹介すればいいのだろう」と。非常勤の先生が診ている施設はありましたが、常勤で専門的な診療を行っているクリニックはありませんでした。そんな地域の医療体制に対する課題感に加えて、父が難病を患ったことも大きな転機となりました。一時期はアメリカで研究に従事していましたが、父を自宅で看取りたいという思いもあって、帰国し飯能に戻ってきました。これを機に、地域に貢献できればと思い開業を決意しました。開業前には、小室クリニックで1年間訪問診療を学び、地域医療に必要な知識と経験をしっかりと身につけて準備を整えました。

循環器を専門に選ばれた理由をお聞かせください。

研修医時代、当直中に心停止で搬送されてきた患者さんに出会ったことが、循環器内科に興味を持つきっかけになりました。非常に危険な状態だったのですが、循環器の先生方がすぐに駆けつけて、迅速かつ的確に処置をされている姿に深く感銘を受けました。内科でありながら、カテーテルやペースメーカーなどを用いて自分の手で直接治療ができる点にも魅力を感じました。自ら救命に関わっているという実感を得る、非常にやりがいのある分野だと。また心臓疾患の場合は心電図検査やエコー検査などきちんとすれば、問題があるかどうかが比較的明確に判断できるので、そういった明確さにも惹かれて循環器内科を志すようになりました。

実際に開業されて、地域の反応はいかがですか?

杉佳紀院長 杉ハートクリニック2

想像以上に幅広い患者さんが来院されています。症状の安定した方だけでなく、急性心不全や心筋梗塞の方が歩いて来られることもあって驚いています。年齢層も幅広く、10歳未満の小児から高齢者まで来院されます。「ここだったら何とかしてくれるかもしれない」という期待を持って来られる方も多いですね。最近は近隣のクリニックから紹介されることも増えました。クチコミで評判が広がり、飯能市内だけでなく入間市や日高市など遠方からも相談に来られる方がいます。地域に循環器の専門家が必要とされていたことを日々実感しています。

外来診療から在宅での看取りまで、人生に寄り添う

診療方針で大切にされていることは何ですか?

杉佳紀院長 杉ハートクリニック3

患者さん一人ひとり背景が違いますし、金銭的な問題や家族関係などさまざまな側面があります。例えば、ガイドラインに沿った治療を行っても、必ずしも改善につながらない方もいます。また血圧が少し高めでも、体調が良ければ、その人にとってはその状態が最も安定している可能性もあります。だからこそ、僕は「納得し、満足できる診療」を大切にしています。患者さんから「こんなに話を聞いてくれる先生は初めて」と言っていただいたり、ご家族が「先生だったら話しやすいから」と相談に来てくださることもあります。電子カルテの情報だけでなく、患者さんご本人としっかり向き合うことを心がけており、改めて傾聴の大切さを実感しています。患者さんの話を聞くことは当たり前だと思っていましたが、それが当院の強みの一つなのかもしれません。

訪問診療に力を入れている理由について教えてください。

外来診療では、患者さんが入院されるとその後の経過に関わる機会が少なくなることが多いです。ですが、退院後に日常生活動作が低下して、家から出られなくなる方もいらっしゃいます。そうした方々の人生の最後まで支えられるような仕組みをつくりたいという思いがありました。そのため、開業時から送迎車を導入し、車の利用が難しい方には訪問診療を提供しています。ご本人やご家族から感謝の言葉をいただけることもあり、そうした瞬間には「本当にやってよかった」と心から感じます。

高齢化が進む中、心不全などの心疾患についてどのように取り組んでいますか?

杉佳紀院長 杉ハートクリニック4

高齢化に伴い、心不全の患者さんが非常に増えています。大学病院だけではすべての患者さんを診るのは難しくなってきており、自宅で診療できる体制の整備がますます重要になっています。ただ、多くの方が誤解しているのは、心不全で入院・加療を受けて退院したら「治った」と思ってしまうことです。たとえ状態が安定していても、心不全という病態は継続しており、今後また悪化する可能性があることを理解していただく必要があります。心不全の原因となる高血圧や糖尿病など、身近な生活習慣病の管理も非常に重要です。当院では、食事指導のパンフレットをお渡しするなど、生活習慣の改善に向けたアドバイスもしています。循環器疾患は生活習慣病から始まることが多いので、予防的な視点も大切にしています。

チーム医療で地域の健康を支え続ける

スタッフさんとの連携で工夫されていることはありますか?

杉佳紀院長 杉ハートクリニック5

診察の時間だけでは十分話しきれない患者さんもいらっしゃると思うので、診察前に看護師が悩みや気になることを聞くようにしています。待ち時間の間に看護師が患者さんと話した内容をカルテに記録しておくことで、診察が混み合っていて時間が限られている場合でも、事前情報をもとにスムーズに診察を始めることができます。患者さんが「ただ待っているだけの時間」をつくらないよう、スタッフには常に意識するよう指導しています。初診の方でも再診の方でも、必ず「どうですか?」と声をかけるようにしています。僕には話しづらいことは看護師に、看護師には話しづらいことは僕にと、患者さんがいろいろな角度から安心して話せる体制を整えています。

今後の展望についてお聞かせください。

心不全の患者さんに対して適切な療養指導を行うことのできるスタッフを迎え入れ、より専門性の高い外来診療や在宅医療を提供したいと考えています。現在は、僕が内科・循環器内科の診療を担当していますが、金曜日には総合診療に精通した先生にも来ていただいています。今後は非常勤の先生をさらに増やし、より総合的に診ることができるクリニックへと発展させていきたいと思っています。また、近隣の大学病院や基幹病院など、医療機関との連携も強化しながら、地域医療に長期的に貢献していける体制づくりをめざしていきます。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

杉佳紀院長 杉ハートクリニック6

動悸や息切れ、胸の違和感など、ちょっとした症状でも大病につながる可能性があります。小さいことだからと片づけずに、違和感や不安を感じたら一度お話だけでも聞かせてください。結果的に異常がなければそれで良いんです。循環器疾患は身近な生活習慣病から始まることも多く、専門の医師だからといって高いハードルを感じる必要はありません。何ともなかったらそれが一番という気持ちで、早めに受診していただければ安心できると思います。休診日は木曜日だけで、月曜日・火曜日・水曜日・金曜日は18時まで診療しています。送迎にも対応していますので、どうぞ気軽にご相談ください。

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