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小嶌 洋史 院長の独自取材記事

こじま眼科

(大東市/住道駅)

最終更新日:2024/10/24

小嶌洋史院長 こじま眼科 main

学研都市線住道駅より徒歩3分。たくさんのショップやレストランが軒を連ねる商業施設に併設された、メディカルモール内にある「こじま眼科」は、この場所で30年以上にわたって診療を続けてきた「矢野眼科」を継承し、2020年に名称を変更して開院した。同院は小嶌洋史院長を中心に、眼科の医師と視能訓練士がタッグを組み、専門性の高い検査や治療、訓練を行っているのが特徴だ。眼科全般の疾患はもちろん、設備を整え、日帰りの白内障手術にも対応するほか、「大東市から弱視の人をなくしたい」と小児弱視や小児斜視などの小児眼科にも注力している。「優しいクリニック」をめざし、丁寧な説明と治療で地域に根差した眼科診療に努める小嶌院長に、クリニックの特徴や診療にかける思いを聞かせてもらった。

(取材日2024年9月6日)

すべての人に優しいクリニックをめざす

まずは、開院までの経緯を聞かせてください。

小嶌洋史院長 こじま眼科1

当院は、古くからこの地域で親しまれてきた「矢野眼科」を継承したクリニックです。私が岡山大学を卒業後、京都大学医学部附属病院や北野病院などで仕事をする中でいただいたご縁で、最初はお手伝いと勉強を兼ねてここで診療するチャンスをいただきました。診療を重ね、地域の皆さんとのやりとりを重ねるうちに、大きな病院とは違うやりがいを感じるようになりました。手術や研究もやりがいがあったのですが、自分は患者さんと接する時間がとても好きだなと改めて実感しました。その後、副院長を任せていただけるようになり、2020年には前院長である矢野先生の思いを引き継ぐかたちで、開院させていただいた次第です。

クリニックとして、大切にしていることはありますか?

「優しいクリニック」であるということです。これは開院当初から強く思っていることで、スタッフにいつもお願いしていることでもあります。クリニックに来るのは健康な方ではなく、何らかの悩みや不安を抱えていらっしゃる方です。誰だって本当は受診なんかしたくないでしょう。それでも勇気を出して足を運んでくださっているのだから、帰る時に「来て良かった」「安心した」と思ってもらえるような対応を大切にしています。働いている私たちも人間ですから、忙しい時や疲れている時などもありますが、それは患者さんには関係のないこと。言葉遣いやちょっとした対応を含めて、常に「優しく」を心がけ、小さなお子さんからご高齢の方まで気軽に足を運んでいただけるクリニックでありたいと思っています。

注力している分野はありますか?

小嶌洋史院長 こじま眼科2

一つは小児眼科です。小児科や小児歯科という言葉はよく聞くけれど、小児眼科という言葉はあまりなじみがないかもしれませんね。当院では特に小児弱視・小児斜視の発見、治療に注力しており、「大東市から弱視をなくす」を目標に掲げています。子どもの弱視治療は成長と密接な関係がありますので、一日でも早く発見し治療をスタートさせることが大切です。しかし、小児弱視についてあまり広まっておらず、また子どもが自分で弱視に気づくことはほとんどないため、見逃されていることも多くあります。3歳児健診で発見されることが多いので、もしもお子さんが弱視の可能性を指摘されたら一日でも早く眼科を受診していただきたいと思います。

小児弱視の早期発見・早期治療に尽力

小児弱視の治療が遅れると、どのような危険性があるのですか?

小嶌洋史院長 こじま眼科3

脳の視覚領域の正常な発達が妨げられるため、視力の発達が望めなくなる恐れがあります。人間の視力が完成するのはだいたい8歳頃といわれていますので、3歳頃までに異常を発見し、早期に治療することが大切です。適切な治療を継続していれば、小学校に入学する頃には日常生活に問題がない程度に発達することが期待できます。その後、高学年あたりまで治療を継続し、中学生まで経過観察をしていきます。しかし、小児弱視を自覚することは非常に難しいこと。子ども自身は最初から見えにくいわけですから不自由を感じていない場合も多く、もちろん親から見ても問題ないように見えます。そのため「要精密検査」と言われても受診せず、手遅れになってしまうケースが非常に多いのです。

子どもの将来にも関わることなので注意したいですね。

珍しい病気のように思っている人が多いのですが、実は約50人に1人の子どもが弱視だといわれています。そう考えると、弱視がいかに身近な病気かわかってもらえるのではないかと思います。まだ小さな子どもの視力を測るのは難しく、眠かったり、おなかが空いていたりしてうまくできないこともあると思います。私も子育て経験者なので、結果が悪くても「機嫌が悪かったからかな?」と思ってしまう気持ちはよくわかります。また、「もし治療が遅れて視力が良くならなかったら、眼鏡やコンタクトレンズを使用すればいい」と考える人もいるかもしれません。しかし、弱視とは「眼鏡やコンタクトレンズを使用しても視力が出ない状態」のことを指しています。近視や遠視とはそこが決定的に違います。それをまずは知っていただきたいです。

こちらには視能訓練士も在籍されていますね。

小嶌洋史院長 こじま眼科4

視能訓練士は、目の検査・訓練のスペシャリストです。当院には4人の視能訓練士が在籍しており、検査や訓練を担当しています。小さなお子さんの検査や訓練にも慣れていますから、泣いたりぐずったりしても大丈夫ですよ。最初は嫌がったり、うまくできなかったりしても当たり前。クリニック全体でその子にとって良い方法を考えながら、保護者の皆さんと一緒にお子さんの成長を見守っていきたいと思っています。ご自宅での訓練も、当院オリジナルのアイノートを通して少しでも楽しんでいただけるよう工夫しています。通院は大変かと思いますが、再診からは予約制ですので待ち時間も短くなるようにしていますし、子どもから見て、怖くない先生だと思ってもらえるよう心がけていますので、お気軽に受診してください。

充実の設備と連携で患者の不安に最善の結果で応えたい

治療機器や検査機器も充実していますね。

小嶌洋史院長 こじま眼科5

良い治療を行うために必要な機器はできるだけそろえるようにしています。当院には0歳の赤ちゃんでも視力検査が可能な機器もありますので、気になることがあればすぐに検査ができます。さらに、白内障手術の際、眼内レンズを適切な場所に適切な角度で挿入するための機器も導入しました。この機器を使用し、より短時間でより精密な手術ができるよう努めています。白内障の手術はそれほどリスクが高いものではありませんが、初めての目の手術は誰もが怖いし不安なもの。勇気を出して手術を受ける患者さんに、最善の結果で応えたいと思っています。また、翌日から通常の生活に戻れるよう小切開での手術をしていますので、ご高齢の方でも日帰り手術が可能です。

白内障手術は、どのようなタイミングで検討すれば良いのでしょうか?

「もう年だから」とおっしゃる方もいますが、人生100年といわれる時代です。仮に今70歳だとしたら、まだ30年はあるんです。人間はかなり視覚に頼って生きていますので、目が見えないだけで想像以上の不都合が生じます。「見えにくいけれどなんとかまだ見えているから」と、手術のタイミングを先延ばしにする方も多いですが、少しでも元気なうちに、少しでも不自由が少ないうちに手術するほうが良いと私は考えています。目がしっかりと見えていれば事故やケガの危険性も少なくなりますし、読書や映画だって楽しめます。脳に視覚からのたくさんの刺激があれば、認知症の予防にもつながるでしょう。何歳になっても人生には楽しみが必要なはず。「見える」ことを大切に、たくさんの楽しみを受け取ってもらいたいと思います。

それでは最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

小嶌洋史院長 こじま眼科6

私は地域の皆さんにとって、眼科がより身近なものになってほしいと思っています。今はパソコンやスマートフォン、タブレットが日常生活に欠かせない時代。常に目を酷使しているわけですから、目のことを少しでも大事にしてほしい。そのために眼科を上手に使ってほしいと思っています。眼鏡やコンタクトレンズを作るきっかけはもちろん、違和感を感じた時は眼科を受診してほしいです。目の病気は命に関わらないと思うかもしれませんが、早期の治療を逃すと視力を失う恐れのある病気はたくさんあります。特に、お子さんの場合は、将来の夢の幅を狭めてしまうかもしれません。一人でも多くの方の目の健康を守るために、これからも皆さんとともに歩んでいきたいと思います。

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