西川 貴大 院長の独自取材記事
あおぞらクリニック整形外科
(板橋区/板橋区役所前駅)
最終更新日:2024/12/13

板橋区役所前駅近くの「あおぞらクリニック整形外科」。地域医療に貢献したいと開業したのは、基幹病院などで数多くの手術を手がけてきた西川貴大(にしかわ・たかひろ)院長だ。膝のつらい痛みへの先進的な治療を専門とするクリニックでも研鑽を重ね、治療の選択肢を幅広く提示できるのが強みである。広いリハビリテーションルームを備え、実力派の理学療法士たちと緊密に連携してのリハビリにも注力する。気取らない笑顔で一つ一つの質問に丁寧に答えてくれた西川院長。温かみがありながらも未来を感じさせるクリニック内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年11月27日)
先進的な医療で痛みを治療し、充実したリハビリを行う
まず、医師を志したきっかけなどから教えてください。

父が開業医で僕が生まれる前から小さな町のクリニックを営んでいました。道を歩いているだけで「先生、先生」と呼び止められ、気さくに会話をしていた姿を今でもよく覚えています。父のように地域の方々に頼りにされるホームドクターになりたいとこの道を選びました。やがて手術ができる診療科に進みたいと考えるようになり、選んだのが整形外科です。外科用ハンマーで打撃を与えたり、顕微鏡下で血管吻合や神経縫合をしたり、整形外科の術式はバラエティーに富み大胆かつ繊細な点が面白いと思いました。他の診療科と比較して若い頃から手術経験を数多く積めるのも魅力的でした。術後の様子が目に見えてわかるのでやりがいがありましたし、患者さんからしばしばお礼の言葉を頂けるのもうれしかったです。
開業まではどのような道のりを歩まれましたか。
埼玉医科大学卒業後は慶應義塾大学病院で研修を受け、そのまま整形外科に入局し関連病院で手術と診察の研鑽を積みました。稲城市、和光市、平塚市などの大規模病院に勤務しましたが、いずれも高齢化が進む地域で骨折の患者さんが多かったですね。骨粗しょう症を患っていると転んだだけで大腿骨や腰椎を骨折することもあり、寝たきりになってしまう方もいます。患者さんがリハビリに取り組み一刻も早く骨折前の日常に戻れるよう、迅速な手術が必要とされていました。その他、慢性疾患に関する手術なども多数手がけましたが、経験を重ねるほど「そもそも手術に至らないようにしたい」と考えるようになったんです。同じ思いで先進的な治療に取り組んでいた膝専門のクリニックで修行し、2023年に開業しました。
こちらの強みは何でしょうか。

広々としたリハビリルームを持ち、スキルを持った理学療法士たちが常駐して充実したリハビリを行えるのが強みです。リハビリの目的は機能回復です。けがをする前・痛みが出る前の生活に戻すため、曲げ伸ばししにくなっている関節をほぐすようアプローチし、筋力を保つためのトレーニングなどを実施します。手術を中心に担当していた頃から、開業したらリハビリにも注力しようと心に決めていました。どんなに手術がうまくいったとしても、リハビリが滞ったゆえに十分に機能回復せず悔しい思いもしたからです。逆にリハビリによって手術回避が望めるケースも多々あります。整形外科領域でリハビリは非常に重要だからこそ、僕自身はできるだけ早く痛みを取り除くよう図り、訓練しやすい体をつくることに注力していきたいです。
患者のライフスタイルにも配慮した、きめ細かな診療
変形性膝関節症の治療にも注力されていると伺いました。

膝の変形は加齢に伴い誰でもいずれは起こるものです。ただ、早い段階で対策を取れば手術の回避も望めますし、日常生活を送ることも期待できます。たとえ膝の痛みは小さくても、しゃがみにくい、正座ができない、若い頃よりも体重が増えた、立ち仕事をしている、運動不足であるといった項目が一つでもあてはまるなら、念のために整形外科を受診してみてはいかがでしょうか。女性は50代、男性は60代から変形性膝関節症の増加傾向がありますが、40代でも予備軍は少なくありません。なかなか変形性膝関節症の痛みが解消されない方には、エコー下でピンポイントに鎮痛剤を注射することもできますし、ハイドロリリースなどの先進的な治療も可能です。併せて変形性膝関節症に特化したリハビリも行い、注意深く見守っていきます。また、軟骨など関節の痛んだ組織の再生を図る研究も進んでおり、当院でもそのような再生医療に注視しているのでぜひご相談ください。
骨粗しょう症の検査と治療も積極的に行われているとか。
基本的に閉経前後の女性には、骨粗しょう症の検査を勧めています。骨粗しょう症は女性ホルモンの減少によって起きる女性に多い病気ですが、一般的な健康診断の項目には含まれていません。当院では腰椎と大腿骨の骨密度をDEXA法で測定する装置を導入しているので、気軽に利用していただきたいです。大学病院と同レベルの検査装置で、予約なしでいつでも検査できるようにしました。骨密度は定期的に経過観察する必要があるので、少しでも受診ハードルを下げたかったんです。より精密な測定の結果、骨粗しょう症と診断されたとしても、DEXA法で治療の経過を調べながら薬を選ぶ治療を行うのでご安心ください。
診療にあたって大切にしていることをお聞かせください。

整形外科の患者さんの多くは「痛み」にお困りですが、どんなに頑張っても僕が正しくわかってあげることはできません。「痛み」は数値化もできませんし、エックス線やエコーに映るものでもありませんからね。関節の変形は大したことがなくてもとても痛がっている方もいれば、その逆もあります。だからこそ、患者さんのライフスタイルもよく聞き取り、生活の中でどれだけお困りなのかを慎重に判断するよう努めています。特にストレスがないようならば、無理に鎮痛剤を勧めるといったことはしません。逆に仕事や家事などに支障が出ているなら、早急に解決できるよう幅広い選択肢を提示するようにしています。ご高齢の方などは「整形外科は湿布しか出してくれない」というイメージをお持ちの方も多いのですが、今はさまざまな治療法が確立されているので、ぜひご相談ください。
プライマリケアの最前線でゲートキーパーを務めたい
今後の展望についてお聞かせください。

現在、当院にはセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さんも少なくありません。他の医療機関で手術しかないと言われたとしても、他の治療法を提案できる可能性もあります。そのように「ここで駄目なら大規模病院」と頼っていただけるような、ゲートキーパー的なクリニックが目標です。もちろん、一刻も早く専門の外来を訪ねるべき症例もありますし、高度医療が必要なのかどうかの判断も含めて、当院に任せていただければと思っています。また、予防医療にも力を入れていきたいです。将来的なロコモティブシンドロームは40代から始まっているといっても過言ではありませんし、骨粗しょう症検査もますます推進していければと思います。
お忙しい毎日でしょうが、休日はどうお過ごしですか。
K-POPが好きでよく聴いています。短い旅行ですがソウルに行ってコンサートやグルメを楽しむこともありますね。最近、ハマっている韓国料理はナッコプセです。料理名はナクチ(タコ)、コプチャン(ホルモン)、セウ(エビ)を組み合わせた略語なのですが、テナガダコと牛ホルモンとエビの甘辛炒めといった一品です。カロリーも控えめなのではないでしょうか。私自身、食べることも好きなので、変形性膝関節症で体重コントロールをしなくてはいけない患者さんにも、親身になって寄り添いたいと思っています。ダイエットも治療もリハビリも、患者さんが無理なく続けられるよう、コミュニケーション上手なスタッフたちと、力を合わせていきたいです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

腰、膝、肩などが痛くても「年齢だから仕方ない」と諦めてしまい、いよいよ我慢できないほど悪化してから整形外科の門をたたく患者さんも少なくありません。整体に通いながら様子を見る人も多いのですが、そもそも整体に行っても問題のない症状なのか、まずは医師が見極める必要があると思っています。もし、体のどこかに少しでも異変を感じたら「こんなことで受診するのは悪い」などと遠慮せずに、ぜひ足を運んでください。当院は駅から徒歩0分ですし、土曜も含め18時30分まで診療と、学校や会社帰りにも立ち寄りやすいクリニックです。先進的な医療に関する相談も受けつけており、ホームページにも情報をまとめています。