親知らずを抜くべきか抜かなくてもいいか
判断基準となるのは?
和光市駅TaCファミリー歯科
(和光市/和光市駅)
最終更新日:2024/02/15


- 保険診療
親知らずは抜くべきか、そのままにするべきか。近年はインターネット等でさまざまな情報を目にするが、親知らずの存在により悪影響が出ているか否かを基準に、正しく判断することが大切だ。大学病院の口腔外科に勤務し難易度の高い親知らずの抜歯も多数経験してきた「和光市駅TaCファミリー歯科」の大槻里実院長は、「親知らずの生え方や抜歯リスク、口腔内の環境や顎の形態、歯列への影響などを考慮して判断すべき」と話す。大学病院の受診が必要と言われたケースにも対応する同院は、親知らずを口腔内の別の場所に移植する「自家歯牙移植」等の高度な治療も提供。精度の高い治療と同時に、身近なクリニックならではの安心感も大切にする大槻院長に、親知らずの抜歯の判断基準などを聞いた。
(取材日2024年1月30日)
目次
技術とコミュニケーションで、親知らずを抜歯する患者の不安を軽減。身近なクリニックならではの安心感も
- Q抜くべき親知らずは、どんな親知らずですか?
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A
▲さまざまな症例を治療してきた大槻院長
一般的に親知らずを抜くべきかどうかは、その親知らずがあることによって悪影響が出ているかどうかが判断基準となります。親知らずは完全に歯が埋まっているタイプと少し歯の頭が出ているタイプ、完全に歯の頭が出ているタイプ等があります。歯が埋まっていて生えてくる見込みがない場合や、抜歯のリスクが非常に大きい場合は無理に抜かないと判断することもありますし、歯の頭が出ているタイプなら抜いたほうが良いことが多いです。横向き・斜め向きに生えている親知らずが手前の歯を押して歯列の乱れの原因になっているような場合も、抜歯を検討すべきです。口腔内の環境や顎の形態なども診た上で、歯科医師と相談して決めれば良いと思います。
- Q抜かなくてもいい親知らずもあるのでしょうか。
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A
▲不安があれば些細なことでも相談してほしいと話す院長
完全に埋まっていて抜歯リスクが高い場合や、歯の頭が出ていても上の歯としっかり噛めていて、かつ親知らずがあっても口腔内を清潔な状態に保てているのであれば残しておいても問題ないでしょう。しかし日本人は顎が小さいこともあり、奥の歯がしっかり磨けていない人が多い印象です。親知らずが原因でさらに磨き残しが増え、それによって虫歯(う蝕)や歯周病リスクが高くなってしまう可能性があります。親知らずを放置したために手前の歯が虫歯や歯周病になり、親知らずだけでなく、手前の歯まで抜歯しなければならないケースもあります。抜くべきかどうかをご自身で判断するのは難しいと思いますので、まずは歯科医師にご相談ください。
- Q横向き・斜め向きの親知らずは抜歯が難しいのですか?
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A
▲静脈内鎮静法を用いて半分眠りながら治療を受けることもできる
横向き・斜め向きの親知らずは歯茎の一部を切開し、歯を砕いて分割したり骨を削ったりして抜歯することもあります。抜歯の難易度は高い傾向にありますが、当院は口腔外科に精通した歯科医師が在籍していますし、抜きにくい親知らずは歯科用CTやエックス線で事前に歯や神経の走行状態等を確認した上で処理いたします。必要に応じて大学病院の口腔外科とも連携を取ることができます。酸素飽和度や血圧・脈拍を測る機器で全身を管理しながらの抜歯、私の麻酔科勤務の経験を生かした静脈内鎮静法の実施も可能ですのでご安心ください。骨を削る場合も、できるだけ術後の腫れを少なくできるよう、削る量を最小限にするよう心がけています。
- Q身近なクリニックで親知らずを抜歯するメリットはありますか?
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A
▲患者に寄り添った身近なかかりつけ医をめざしている
大きい病院は、予約が数ヵ月先になってしまうこともあるかと思います。当院は地域の皆さんをサポートできる身近なクリニックとして、できるだけ患者さんの希望するタイミングで抜歯できるように努めています。急患の方も断らないように心がけていますので、抜歯後に急に痛みや腫れが心配になったときもご相談ください。大事な試験を控えているから試験前に抜歯したいという学生さんや、どうしても来院当日に抜きたいという忙しい会社員の方などのご要望にも対応可能です。私は東京医科大学病院口腔外科に勤務して数多くの抜歯を経験してきましたので、大きな病院と同じように安心していただける治療の提供をめざしています。
- Q親知らずを移植する「自家歯牙移植」を行っているそうですね。
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A
▲大学病院で研鑽を積んできた経験を生かしたいと話す院長
自家歯牙移植とは抜歯した自分の歯を口腔内の別の場所に移植するという技術で、口腔内が清潔で、親知らずが虫歯や歯周病にならずきれいな状態を保てていれば実施が可能です。例えばひどい虫歯で抜歯することになってしまった場合、そこに抜歯した親知らずを移植することができます。人工の歯ではなく自分の天然歯を入れることができるので、インプラント治療に抵抗を感じる方は選択肢の一つとして検討していただいても良いかもしれません。条件が合えば、当院でも自家歯牙移植に対応可能です。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。