大槻里実院長の独自取材記事

和光市駅TaCファミリー歯科

(和光市／和光市駅)

最終更新日：2023/06/02

糖尿病や高血圧といった年齢とともに増加する疾患の中には、傷が治りにくい、治療薬の影響で血が止まりにくいなど、歯科治療に大きな影響を及ぼすものがある。故郷の福島で父が営む歯科医院の患者が高齢化し、治療の難易度が上がっていく様子を目の当たりにしていた「和光市駅Tacファミリー歯科」の大槻里実院長は、「日本の未来を考えると、ただ歯を診るだけの歯科医師では意味がない」と、医科の知識を身につけるために、口腔外科を専門としながら、麻酔科、救急科でも研鑽を積んだ。子どもから高齢者まで広く診てきた経験を生かし、「家族や恋人を診るように、地域の人を診たい」と目を輝かせる。同院の強みや診療方針を詳しく聞いた。

（取材日2023年3月22日／情報更新日2023年5月1日）

全世代のさまざまな悩みに対応できる歯科医院に
有病者や歯科治療にトラウマがある患者の治療も得意
家族や恋人に接するように、温かく優しい治療の実践を

全世代のさまざまな悩みに対応できる歯科医院に

スーパーの3階に開院されたんですね。

和光市駅から徒歩1分のイトーヨーカドー3階に開院しました。近隣地域の方に親しまれているスーパーの中なので、幅広い年代の方に気軽に立ち寄ってもらえる歯科医院にしたいと思って「和光市駅Tacファミリー歯科」という名称にしました。平日の月曜から金曜は夜21時まで、土日も18時まで、祝日以外はすべて診療します。働き世代の方は平日のお仕事帰りや週末に、小さなお子さんや高齢の方は他のスケジュールの合間を縫って通いやすい時間帯に、無理なく通ってほしいです。お口の健康管理は継続が大切ですから、買い物ついでに立ち寄ってもらえる気軽な存在になれたらうれしいですね。

幅広い世代に向けて、具体的にはどんな診療内容を想定されていますか。

八幡にある本院と同様、さまざまな世代に対応できる総合歯科医院として、すべての歯科治療に対応します。虫歯や歯周病はもちろん、親知らずの抜歯、インプラント治療、入れ歯、小児歯科、矯正歯科、予防歯科まで、何でも気軽にご相談ください。近年、矯正や審美歯科など、専門分野に特化した歯科医院が多く見られるようになりました。そうした歯科医院の場合、特定の治療に関しては高い専門性を持って対応できる反面、虫歯や歯周病といった一般診療には対応できないこともあり、1つの歯科医院で治療を完結することができません。口腔内の症状は密接に関わり合っていますから、本来は一貫して診るのが理想です。当院では、私が広くさまざまな領域を経験してきているほか、各分野を専門とする歯科医師をそろえて専門性と総合力の両立をめざします。

先生はこれまで、どのような領域を診てこられたのでしょう。

新潟大学歯学部を卒業後、疾患のある患者さんに安心して受診してもらえるだけの医科の知識を身につけたいと思って東京医科大学歯科口腔外科に入局しました。その後、同大学の八王子医療センター、茨城医療センターに勤務し、麻酔科や救急科でも研鑽を積んでいます。麻酔科では、病気をお持ちの方の治療における全身管理、口腔外科手術の全身麻酔、歯科恐怖症など通常の診療が難しい方の全身管理、インプラント治療時の麻酔などを広く経験しました。救急科では、一刻を争う状態で運ばれてくる患者さんを数多く診させていただき、迅速で適切な対応ができるようになったと自負しています。月に7日の当直もあってなかなか大変でしたが、ちょっとしたことでは動じない気力、胆力も身につきました。有病の患者さんを自院で診るべきか、より専門性の高い医療機関に紹介すべきかの判断力も磨くことができたと思います。

有病者や歯科治療にトラウマがある患者の治療も得意

なぜ、有病者の治療を重視するようになったのですか。

私は福島県の生まれで、地元では父が歯科医院を営んでいます。長く父の診療を見てきましたが、地域の高齢化が進むにつれて父の歯科医院を受診する患者さんも高齢の方が中心になりました。高齢の患者さんは、虫歯や歯周病といった目に見える問題に加えて、噛む力、飲み込む力といったお口の機能低下も生じていることが多く、お口の状態を広く診療する必要があります。また、何かしらの基礎疾患を持っている方がほとんどなので、疾患の特徴や服用している薬の特徴をよく理解して対応するための医科の知識が欠かせません。そうした難しさを目の当たりにする中で、これからは歯科だけでなく医科の知識を持って、疾患がある人にも自信を持って診療できる力が必要だと感じるようになりました。東京医科大学に入局したのもそのためなんですよ。

お子さんの治療経験も豊富だそうですね。

そうですね。口腔外科では、交通事故やスポーツによる外傷、親知らずの抜歯など、お子さんを含めて幅広い症状を診てきました。どんなときも、お子さんに接するときは「私はあなたの敵じゃないよ」ということをわかってもらうことが重要。大人でも歯科治療が苦手な方は多くいますから、初めて歯科医院を受診するお子さんならなおさらでしょう。優しく話しかけながら、決して無理強いをせず治療を進めることを心がけていますね。また、お子さんの治療の場合、付き添いの保護者の方に治療方針や治療内容を理解してもらうことも重要です。小学生くらいになると一人で受診する子も増えてきますが、必要に応じて診療後に保護者の方に連絡を取り、今日の治療についてご説明します。

治療が怖いときなどは、麻酔科の経験を生かした静脈内鎮静法のご相談もできると聞きました。

過去の歯科治療によるトラウマを抱えている、漠然と歯科医院が怖くて積極的に治療ができない、という方は少なくありません。当院では、電動麻酔器や、針のない麻酔器といった先進機器も積極的に導入して、患者さんの不安や恐怖の軽減を図ります。加えて、歯科治療に極度の恐怖を感じている方には、積極的に静脈内鎮静法を活用していきたいと思っています。インプラントの手術や親知らずの抜歯にも静脈内鎮静法は有用なんですよ。手術や抜歯で長時間大きく口を開けたままでいるのは、患者さんにとってかなりの負担です。その点、静脈内鎮静法を使えば患者さんは半分寝たような状態でいられますから、口を開けることのストレスも少ないと思います。

家族や恋人に接するように、温かく優しい治療の実践を

診療のモットーをお聞かせください。

口腔内を健康に保ち、見た目をきれいにすることで、患者さんに幸せになってほしい。その一心で診療をしています。きれいな笑顔は、患者さんの自信になり、人生を豊かにすることができるでしょう。家族や恋人に接するように、一人ひとりの悩みと事情に寄り添って患者さんを大切にしていきたいですね。これまで蓄積してきた技術のすべてを注ぎ込むつもりで、信頼関係に基づいた治療を実践し、情熱を持って歯科医療に取り組んでまいります。

今後取り組みたいことがあれば教えていただけますか。

大学病院を経て、開院前には一般の歯科医院で審美面に配慮した治療、マウスピース型装置を用いた矯正なども広く手がけました。特に、立地もあって意識の高い患者さんが多かった恵比寿の歯科医院では、ガミースマイルやホワイトニングのご相談、セラミック治療など、審美面に関するご相談がとても多かったんですよ。当院でも、虫歯や歯周病のない健康な口腔環境と併せて、見た目の美しさを求める方のサポートもしていけたらうれしいですね。矯正に関しては、私のほかに矯正専門の歯科医師が在籍していますので、連携しながら対応していきたいと考えています。

ありがとうございました。最後に、読者にメッセージをお願いします。

高い専門性を持って、すべての患者さんの要望に高いレベルで応えられる歯科医院でありたいと思っています。虫歯や歯周病から審美面に配慮した治療まで、何でもご相談ください。歯茎の中に埋もれている親知らずなど、他院で「抜くのが難しい」と言われた親知らずの抜歯も得意分野です。CTやデジタルエックス線を使って歯の根や神経の位置関係を把握した上で、なるべく痛みや腫れを抑えながら慎重に抜歯しますので、気軽に受診なさってください。開院に向けて、スタッフ一丸となって明るく居心地の良い歯科医院づくりを進めてまいります。