野田 拓也 院長の独自取材記事
あおぞらクリニック眼科形成外科
(板橋区/板橋区役所前駅)
最終更新日:2024/10/09

板橋区役所前駅から歩いてすぐの「あおぞらクリニック眼科形成外科」。院長の野田拓也先生は、東京都健康長寿医療センターなどで数多くの白内障手術、網膜硝子体手術、緑内障手術などを手がけてきたスペシャリストだ。これまでのキャリアの中で磨き抜いてきたスキルを先進機器を駆使して発揮、難しい症例にも日帰り手術で対応する。オペ室ではともにクリニックを営む妻が形成外科領域の手術も行っているのも同院ならではの特徴だ。院内は受付の壁一面に緑を配置するなどシンプルなアートギャラリーのよう。野田院長が「同僚というより友人です」と信頼を置く長年ともに診療にあたってきた看護師や視能訓練士たちが醸し出す温かな雰囲気に心落ち着く患者も多いだろう。曇りのない笑顔で迎えてくれた野田院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年9月10日)
眼科と形成外科を標榜し幅広い手術に対応
まず、医師を志したきっかけを教えてください。

子どもの頃に経験した家族の死に大きな影響を受けていると思います。大動脈の緊急手術をして、その直後に脳幹の傷害で亡くなったんです。「心臓の病気だったのに脳が死因?」と納得できなくて。「あの先生が失敗したんだ」と今から思えば子どもじみた誤解のもと、「だったら僕が医師になってやる……!」と決意したのは12歳の頃でした。
初志貫徹しての医師としての歩みもお聞かせいただけますか?
埼玉医科大学を卒業して、東京大学医学部附属病院で初期研修を受けた後、眼科に入局しました。眼科を選んだのは、執刀医の技量が結果に大きく反映される領域だと考えたからです。また、医師になった当初から開業を視野に入れていたので、眼科ならばクリニックでも手術が続けられる点も魅力的でした。板橋区の東京都健康長寿医療センターに8年間勤務して、白内障手術、緑内障手術、網膜硝子体手術、眼瞼下垂手術などを数多く経験。十分なスキルを身につけた後に、これまで診てきた患者さんも通いやすいこの場所に、2023年3月に開業しました。結婚を機に、形成外科医の妻と2人でやっていこうという思いもありましたね。
眼科と形成外科という組み合わせは珍しいですよね。

眼科と形成外科には共通項がないように思われがちですが、実は目元の施術については重なる部分もあるんですよ。とはいえ、眼科医と形成外科医が協力して手術を行うクリニックはあまり聞いたことがなく、確かに珍しいかもしれませんね。お互いの知識や経験を共有できるのは強みですし、まぶたの手術では一緒にオペ室に入ることも多いです。
まぶたの手術について教えてください。
代表的なものは眼瞼下垂症の手術ですね。当院では、大手美容外科で勤務していた妻と僕の眼科での経験を重ね合わせ、挙筋短縮術(挙筋前転術)、眉下切開術、ミュラー筋タッキング法などさまざまな方法での手術が可能です。患者さん一人ひとりにとって最適と思われる術式で対応したいと思っています。そのほか、逆さまつげの手術なども行っているので、お困りの方はご相談ください。
難症例の白内障手術も得意。網膜剥離の即日手術も
難しい白内障の手術も行っているそうですね。

水晶体を固定する繊維が弱い、前立腺の薬を服用しているといったハイリスクの方、乱視矯正、多焦点レンズにも対応しています。クリニックでの手術は難しいといわれた方もご相談ください。乱視、近視、遠視すべてに対して、術後は完全に裸眼で生活できるようにすることを目標とし、先進の機器も惜しみなく整備しました。例えば、白内障手術ガイドシステムは、精密検査の結果を眼球にデジタルマーカーで投影することができるため、目測以上に正確な手術が見込めます。また、光干渉眼軸長測定装置により、人工レンズの度数のずれを従来の機器以上に軽減。そのほか、白内障手術は水晶体の一部や人工レンズが硝子体内に落下してしまうケースに要注意ですが、当院ならばただちに網膜硝子体手術でリカバーいたします。
網膜硝子体手術、緑内障の手術など、日帰り手術の適応範囲が広いです。
網膜剥離を見逃さず、手術をすることにも力を入れています。通常の眼底カメラよりも高精度な共焦点走査型ダイオードレーザー検眼鏡を使用しているのは、そのためです。瞳孔を開くことなく眼底の隅々までチェックでき、網膜剥離が見つかった場合には当日すぐに手術をしています。また、緑内障治療では眼圧を下げることが欠かせませんが、点眼薬で改善が見込めない場合、手術を検討することもあります。当院ではレーザー治療のほか、複数の術式が可能です。白内障と緑内障を併発している方も多く、白内障の手術を行うことで眼圧の低下が期待できる場合もあるので、同時に手術することもありますね。
すべての手術で注意している点を教えてください。

どの手術においても、患者さんの目への負担を最大限に配慮しています。目の疾患は緊急性を要し、翌日の手術では手遅れになってしまう例も少なくありません。大学病院を紹介していては間に合わない、といったことのないよう、入院の必要ないすべてのケースに対応したいと考えています。網膜剥離、網膜下血腫、外傷、眼内炎などの緊急手術はすべて即日対応で、土曜はもちろん一部の日曜も可能な体制を整えました。
手術以外の日々の診療の含め、何を大切にしていますか?
患者さんとしっかりと向き合うことを大切にしています。「この前、孫が生まれて」などとお話するのを楽しみにしている方もいるのですが、診療時間を短縮するためにはさえぎるべきなのかもしれません。でも、僕はきちんと耳を傾けたい。そうすることが、「よく聞き、よく説明する」診療につながるからです。家族が亡くなった時、担当医師も説明してくれましたが子どもだった僕は理解できず、不信感だけが残ったのは今でも忘れられません。そのようなことのないよう、「患者さんに理解していただけるまで語りかける医師」でありたいと一番に願いながらやってきましたし、これからも目標としていきたいです。
目のホームドクターとして子どもの目も守っていきたい
今後の展望についてお聞かせください。

検査や手術に関する機器は、常にアップデートしていきたいと考えています。数年後、網膜硝子体手術に関する新しい機器が出るという情報をキャッチしているので導入予定です。また、このエリアはファミリー層も多いので、お子さんの目の悩みにも対応していきたいと思っています。そのために、帝京大学医学部附属病院の眼科医師による斜視弱視に特化した外来も設けました。同病院には全国から斜視・弱視の患者さんが来るため、予約しても半年待ちという状態ですが、当院ならばすぐに診察も受けられます。手術が必要になった場合も、同病院を迅速に紹介しているのでご安心ください。そのほか、近視の予防や治療などにも力を入れていきたいところです。夜間装着タイプの視力矯正用コンタクトレンズ「オルソケラトロジー」も取り扱っているので、参考にしていただければと思います。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
犬の散歩や熱帯魚のお世話でリフレッシュしています。アロワナという2メートルになる古代魚を飼っているんですよ。古代魚というとシーラカンスが有名ですが、アロワナも1億年前から姿形も生態もほぼ変わらないまま生息しています。今は大きい子が2匹、小さい子が数十匹いて、3つの大きな水槽で飼っています。一時期は何十個と水槽が並んでいましたが、さすがにやめました(笑)。これから、新しく育てなければいけない命も授かりましたしね。実は先日、子どもが生まれたなかりなんですよ。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

患者さん一人ひとりを丁寧に診る「目のかかりつけ医」でありたいと思っています。どんなに小さなお悩みでも、気兼ねなく足をお運びください。形成外科も標榜しているので、さまざまなご希望にも対応しています。眼科で得意としているのは、やはり白内障手術です。日本では70代の80%近くが罹患しているというでデータもあり、誰もがなり得る病気といっても過言ではありません。白内障を放置していると、視力が低下するばかりか認知症リスクも約3倍高くなるともいわれています。最近は30代、40代で発症する方も増えているので、年齢問わず注意が必要です。初期症状はほとんどありませんが、自然光がまぶしく感じる、物がかすんで見えるなど、少しでも気になることがあれば、いつでもいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズ/29万円~、オルソケラトロジー/14万9800円~