有路珠幸院長の独自取材記事

青葉台ありじ歯科クリニック

(横浜市青葉区／青葉台駅)

最終更新日：2024/01/18

「青葉台ありじ歯科クリニック」は、青葉台駅から徒歩3分。物心ついた時から現在も青葉台で過ごしている有路珠幸（ありじみゆき）院長が、思い入れのある大好きな街に貢献したいと2023年に開業。同院では、虫歯治療や小児歯科、スポーツ歯科など幅広く対応。また、歯周病をメインに学んできたという有路院長は、自宅でのケアや歯科医院での定期的なケアが大切だとして予防にも力を注ぐ。個室のカウンセリングルームも備え、患者の話を丁寧に聞き、それぞれの事情に寄り添って治療方針を決めることを大切にしている有路院長に、同院の診療方針、治療に対する思いを聞いた。

（取材日2023年3月15日／更新日2024年1月16日）

長年住み慣れた街に貢献したいと、開業を決意
すべての年代に知ってほしい、予防ケアの重要性
患者と一緒に方針を決め、同じゴールに向けた治療を

長年住み慣れた街に貢献したいと、開業を決意

まずはこちらの歯科医院のコンセプトを教えてください。

当院は、まだ歯の生えていない小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い年齢の患者さんの治療に対応している地域密着型の歯科医院で特に予防歯科には力を入れています。虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、未然に防ぐため、地域の皆さんが安心して気軽に治療や予防ケアが受けられる場所をつくろうと開業しました。年齢や生活スタイルが違うように、お口に関するお悩みや疑問点、求める治療も一人ひとり異なるため、皆さんのお話をしっかり聞くことを大切にしています。そして、安心・納得して治療を受けていただけるよう、事前の説明を丁寧に行うことも心がけています。診療では、一般歯科や小児歯科、矯正などを扱っていますが、歯周病については専門に学んできたので、進行した歯周病に対する治療も可能です。

開業する場所として、青葉台を選んだ理由について教えてください。

私は物心ついた時から現在も青葉台で過ごしているため、住み慣れたこの街に貢献がしたいという気持ちがありました。勤務医時代は都心の歯科医院に勤めていたのですが、やはり青葉台に思い入れがあり、ここで開業することを選びました。「地域にお住まいの皆さんに歯科医療を通じて恩返ししたい」それをどうすれば実現できるかと考えた結果、事務局を設け、経営面を一任してもらうことにしました。経営面を気にして患者さんに最適な医療を提供できないのはもどかしさを感じますし、何より事務局も私も患者さんに安心して通院してもらうことが一番です。そのために私自身が診療とスタッフの教育に集中できるように完全に切り離し分業化することにしました。各自が得意とすることに力を注げる環境は、全体のパフォーマンスを向上させ、結果、患者さんに満足いただける診療の提供につながると考えています。

院内環境でこだわった点などはありますか？

気軽に来院いただき、親しみやすさを感じてもらえるようにと、待合室などの家具や診療室の内装も落ち着いた色合いにしました。また、患者さんにゆったりと過ごしていただけるよう、スペースにゆとりを持たせています。小さいお子さん連れの方はベビーカーのまま出入りできますし、ご高齢の方も車いすや手押し車のまま来院できるようになっています。個室のカウンセリングルームも設置しているので、あまり人に聞かれたくないことでも安心してお話しいただくことができると思います。歯医者さんに苦手意識のある方も多いと思うので、リラックスできるように配慮しました。また、待ち時間やお会計までの時間などの院内にいる時間はとにかく短くできるように工夫をしていますね。

すべての年代に知ってほしい、予防ケアの重要性

どのような患者さんが来られていますか？

小さなお子さんから90歳近い方まで、幅広い年代の方に来ていただいています。今は歯科医師が私一人なので対応できていないのですが、体制が整ったら、訪問歯科にも取り組みたいと思っています。通院が難しくなってから治療に介入するより、早い段階から来院していただき、ご自宅でもできる正しい歯磨き方法などのケアを覚えていただいたほうが、より良い歯の状態を保てるはずです。ご高齢の方も予防の段階でぜひ来ていただけるとうれしいですね。

予防歯科の取り組みを教えてください。

予防で大切なのは、虫歯や歯周病にならないよう、自分のお口の中の現状を理解することだと考えています。私は歯周病を専門に学んできましたが、重症化してしまうと抜歯に至るケースもあるため、生涯自分の歯で噛める口腔環境を維持してもらえるよう、予防に力を注いでいます。具体的には、定期的なケアやスケーリング、PMTC、お子さんにはフッ素塗布やシーラントなどを行います。また、歯並びというものは一人ひとり異なり、歯磨きの仕方も変わりますから、その人に合わせたブラッシング方法や、歯ブラシ、デンタルフロスの選び方などをお伝えして、セルフケアを効果的に行うためのサポートにも取り組んでいます。予防はすべての世代で必要ですが、中でも大事なのがお子さんの予防ですね。というのも、健全な乳歯はその後の長い人生を支える永久歯にも良い影響を与えるからです。

子育てをするママさんとして、子どもの歯を守るアドバイスはありますか？

虫歯菌に感染しやすいといわれる1歳半から3歳までに歯磨き習慣を身につけておきましょう。習慣づけには「歯磨きは楽しい」と思ってもらうことが近道。小さいうちは親御さんの仕上げ磨きが必要ですが、その時無理に押さえつけたりせず、歌を歌ったりしてお子さんが楽しめる工夫をしてみてください。あと、「歯科医院は怖い場所じゃないよ」と認識してもらうことも大事です。処置を嫌がる場合は、ミラーを口に入れる練習から始めてもいいですし、一度に終わらせるのが難しい場合は、何回かに分けて行うことで、慣れてもらうことから始めましょう。親御さんは何も不安に思う必要はありません。最初はできなくて当たり前。私にも子どもがいますから、うまくいかない大変さは十分理解しているつもりです。自分の経験からアドバイスできることもあると思うので、お子さんの歯のことで心配なことがあればなんでもお話しください。

患者と一緒に方針を決め、同じゴールに向けた治療を

スポーツ歯科にも取り組んでいらっしゃいますね。

スポーツをしていると、どんなに注意をしていても、外傷は避けることが難しく、歯の破折、唇や口腔内のけがが起きてしまいます。時には、激しい接触で相手にけがをさせてしまうことも。事前に、マウスガードを着用することで、けがの予防やけがの程度の軽減を図ることができると考えております。子どもたちの成長はあっという間で、ついこの間作ったマウスガードが、気づけばお口の大きさに合っていないということも少なくありません。そういった時に少しでも親御さんにも負担を少なく、頑張る子どもたちを応援したいという想いから極力価格に配慮して提供できればと思っています。習い事で運動をしているお子さんや部活動をしている学生さんなど、年齢や競技によって種類を変えて使うことができるので、興味がある方はぜひご相談ください。

歯科医師を志したきっかけについても伺いたいです。

大きな影響を受けたのは、外科医だった父親の存在です。父は患者さんのことを常に考えている人で、手術をした患者さんから頂いた手紙を読ませてもらうこともありました。人の役に立つことができる、感謝される仕事なんだと感じて、医療の道に興味を持つようになっていました。父は夜中でもよく呼び出されていてとても忙しそうでしたが、私にはその姿がすごくかっこ良く映りました。その後、医療でも歯科という選択肢があることを知り、お口の中だったら全体的にさまざまな領域に携われると思い、歯科の道に進み今に至ります。

最後に読者へメッセージをお願いします。

私が「これがいい」と思っていても、患者さんが求めている治療と同じかどうかはわかりません。治療は歯科医師と患者さんが同じゴールをめざすことでうまくいくものだと思うので、当院では患者さんとよく話し合い、一緒に治療方針を決めていくよう心がけています。やはり話さないとわからないこともたくさんありますから、気兼ねなく考えていることをお伝えください。お互いが納得して治療を進めていきましょう。歯科医院という場所は、何かきっかけがないと行きづらい場所かもしれませんが、お口の中の健康は全身にも大きな関わりがありますし、悪くなる前に定期的にケアをしておくと、負担も少なく良い状態を保つことができると思います。手を加えていない天然の歯を守ることが一番なので、悪いところがなくても気軽に来ていただき、相談事や疑問点があったらなんでも質問していただければと思います。