武内崇博院長の独自取材記事

みなきたデンタルクリニック

(横浜市都筑区／センター北駅)

最終更新日：2024/10/08

センター北駅近くの「みなきたデンタルクリニック」は、北欧モダンを意識した院内デザインが特徴的なクリニックだ。近隣住民や女性を中心に、多くの患者が訪れているという。同院は日本歯周病学会歯周病専門医である武内崇博院長をはじめとする高い専門性を持つ歯科医師や、歯周病について専門的に学んだ歯科衛生士が多く在籍。そして歯周病治療を土台としつつ、一般歯科診療やインプラント治療、審美歯科など幅広く対応し、高水準で総合的な診療につなげている。「口の中の健康から全身の健康をサポートして、地域に貢献したい」と話す武内院長に同院の特徴を聞いた。

（取材日2024年6月13日）

高水準で総合的な診療を提供する「小さな大学病院」
患者の意識向上のために「見える化」を徹底
丁寧な診療で、末永く自分の歯で生活できる手助けを

高水準で総合的な診療を提供する「小さな大学病院」

こちらのクリニックの特徴をご紹介ください。

虫歯・歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療、セラミック治療、予防歯科、審美歯科など幅広く対応しています。当院には日本歯周病学会歯周病専門医である私の他に、各分野の専門的な経験を積んだ歯科医師や歯科衛生士がそろっています。それぞれが専門性を生かしながら連携して、総合的な診療を行う「小さな大学病院」のような存在になることが理想です。開業にあたっては出身地である横浜市内で、人が集いやすい場所を選んだので、現在地元の患者さんを中心に多くの方に来ていただけているのはありがたいですね。中でも多いのは歯周病の相談で、遠方の方やセカンドオピニオンでいらっしゃる患者さんもいます。こうした期待に応えられるよう、今後は歯周病について専門的に学んだ歯科衛生士とともにチーム連携を図りながら、口腔ケアのプログラムを提供する地域の予防拠点をめざせたらと思っています。

力を入れている歯周病治療において、重視している点を教えてください。

質の高い歯周病治療は、すべての治療の基礎になると考えています。だからこそ、その質を高めて口腔内の土台づくりをしっかりと行うことができれば、その後に行う治療の質はより高くなるはずです。この考えから歯周ポケット検査やエックス線撮影、口腔内写真撮影などの検査を、順を追って丁寧に実施。そして適切な診査・診断につなげています。私は開業前の勤務医時代に、歯周病に関する論文を数多く読み、自身でも歯周組織再生療法に関する学位論文を執筆するなど、歯周病の臨床と研究に取り組んできました。現在も知識・技術の更新を続けており、適切な診査・診断に基づいた、一人ひとりに合った治療のご提案に努めています。

歯周病の予防や処置において歯科衛生士はどんな役割を担っているのでしょう？

歯周病治療の場合、歯科医師が対応するのは診断と経過観察、症状が進行して歯茎の切開や歯周組織再生療法が必要なときです。歯磨き指導や、歯の表面、歯周ポケット内に付着したプラークや歯石の除去は、歯科衛生士がメインで対応します。歯周病を専門的に学んだ当院の歯科衛生士なら、歯周ポケットの奥の見えないプラークや歯石もイメージしやすく、除去をスムーズに行えるのが強みでしょう。また、全員が高い意識を持って歯周病の予防・処置に対応し、新しい知識・技術の習得に向けて、積極的に勉強会にも参加しています。そこで得た知識・技術は院内で発表してもらい、院内全体のレベルアップを図っています。こうした取り組みを通じて、当院では質の高い歯周病治療を提供できているのではないかと自負しています。

患者の意識向上のために「見える化」を徹底

具体的に、どのような歯周病治療を提供しているのか教えてください。

定期メンテナンスによる予防の他に、歯周病の進行度に沿った科学的根拠に基づいた治療計画を提案しています。見えている範囲のみに歯石やプラークが付着している軽度の場合は、歯科衛生士によるケアで改善を図ります。歯周ポケットが深くなり奥に歯石が付着している中等度であれば、まずは歯周ポケットを浅くすることを目標に歯石の除去を実施。歯周ポケットが非常に深く、かつ骨が溶けている重度の場合は、歯茎を切開した上での歯石除去や歯周組織再生療法によって、重度になる前の状態へ戻すことをめざします。歯茎の切開が必要な歯石除去や歯周組織再生療法は高い専門性が求められる治療ですが、私の得意分野ですので頼りにしていただけたら幸いです。また各ステージの治療が一段落するたびに検査を行い、状態に応じて治療計画を変更しています。このように丁寧かつ慎重に進めていきますので、安心して治療を受けていただけるのではないでしょうか。

他に力を入れている分野はありますか？

審美的なことでお悩みの方もおられます。例えば歯茎が下がる歯肉退縮や、歯茎が見えすぎるガミースマイルは、原因が複合的なことが多く、矯正が必要になることがありますが、そうしたケースにもご相談に応じています。また私はインプラント治療も得意としており、一般的なインプラント治療はもちろん、歯茎の移植や骨造成を行う必要がある難症例にも院内で対応できるように体制を整えました。埋入したインプラントや装着した人工歯が長持ちするよう、周囲の歯も考慮した定期メンテナンスにも尽力しています。

口腔内に対する患者さんの意識は、どのように感じていますか？

意識の高い方とそうでない方で二極化していると感じますね。当院では患者さんの意識向上につなげるため、口腔内の「見える化」に注力しています。具体的には、口腔内カメラや顕微鏡の画像・映像をタブレットやモニターに転送し、それをお見せしながらお口の状態をわかりやすく説明します。さらに、「状態を良くするためにこうしよう」と患者さん自らに思っていただけるよう、「なぜこうなっているのか」もお伝えしています。また、1日3回歯を磨いているのに、クリニックで汚れを指摘されたことのある方がいると思いますが、実は「磨いている」と「磨けている」は違うのです。そこで、当院では実際の写真をお見せして磨きづらい点に気づいてもらい、磨き方を工夫していただけるようサポートしています。「歯医者は歯が痛くなったら来る所」と思っている方はまだ少なくありませんが、痛くなる前の定期検診が非常に大切なことを知っていただきたいですね。

丁寧な診療で、末永く自分の歯で生活できる手助けを

歯科医師をめざしたきっかけは何ですか？

私の家族は代々歯科医師で、私は4代目なんです。自宅が歯科クリニックを兼ねていたので、小さな頃はスタッフに遊んでもらったり、白衣姿の祖父や父を見たりしていました。そんな環境でしたから、自然と歯科医師を志していましたね。歯周病を専門にしようと思ったのは、大学で歯周病を治すために最初に行う歯周基本治療は、歯科のほぼすべての治療に含まれていると学んだからです。つまり歯周病治療ができれば、さまざまな治療の基礎も身につくと考えました。また海外では歯周病を専門とする歯科医師がインプラント治療も行うのが一般的と聞き、日本でもそうなれば自分がカバーできる範囲が広がると思ったのも歯周病を専門にした理由の一つです。

診療の際に心がけていることは何ですか？

治療の工程を省略せず丁寧に行うことです。決められた手順には必ず意味があり、手順どおりに行わないと再治療のリスクが高まりますからね。加えて治療の多くは脳外科手術のような精密さを求められ、適切に行うには十分な時間が必要になります。このことから1日に診られる患者さんが限られてしまい、予約が取りにくくなっているのは心苦しいですが、ご理解いただけるとありがたいです。また先ほど話した「見える化」の取り組みを通じて、ケアや治療がなぜ必要なのかというメカニズムの理解にもつなげています。それが歯を長持ちさせ、歯科への信頼の向上にもなると考えているからです。初診時は私からお伝えすることが多くて講義のようになりがちですが、経験や思いつきではなく、科学的根拠に基づいたわかりやすい説明を心がけています。

最後に、今後の展望や地域の方へのメッセージをお願いします。

当院は高水準で総合的な診療を提供できる「小さな大学病院」をめざしています。現在、歯周病を専門とする歯科医師や意欲的なスタッフがそろっていますが、今後は当院の診療方針に共感してくれる、小児歯科や歯科口腔外科など他の分野を専門とする歯科医師も増やせたらと考えています。そして理想の診療体制につなげていきたいです。診療を通じて地域の皆さんが末永く自分の歯で生活できるような手助けをしていきたいと考えていますので、当院のポリシーやスタンスに共感していただける方はぜひお気軽にお越しください。心からお待ちしています。