朝岡 龍博 理事長の独自取材記事
横浜内科・在宅クリニック
(横浜市都筑区/北山田駅)
最終更新日:2026/01/07
東急田園都市線たまプラーザ駅・鷺沼駅からバスで約10分、グリーンライン北山田駅から徒歩12分の場所にある「横浜内科・在宅クリニック」。理事長の朝岡龍博(たつひろ)先生は、在宅診療では、緊急時に24時間365日対応することを掲げ、フットワーク軽くあらゆる分野に真摯に向き合う。「当院では可能な限りあらゆる医療を提供します」と語るとおり、外来診療にも力を入れ、小児のオンライン診療も提供。「困っている人がいれば時間や場所に関係なく助けに行く。それが私のやりたいことです」と、熱く語る。地域に寄り添いながら“対応できないことはない医療”を追求する同院。朝岡理事長に、在宅診療への思いや今後の展望を聞いた。
(取材日2025年12月3日)
「対応できないことはない医療」を追求する
内科・在宅クリニックとのことですが、どのような医療を提供されているのですか?

当院は外来診療も行っていますが、主軸はご自宅に伺う在宅訪問です。がんの終末期や神経難病、在宅酸素や人工呼吸器、中心静脈栄養など、医療依存度の高い方にも幅広く対応しています。訪問診療では「これは在宅ではできません」と言わず、可能な限り対応することを大切にしています。外来では小さなお子さんの受診も多いため、待ち時間を最小限にする運用を徹底しています。また、小児の診療ではオンライン診療も提供し、気軽にご相談いただけます。訪問・外来・オンラインを組み合わせ、必要な医療が患者さんに適切に届くよう取り組んでいます。
クリニックで提供している訪問診療について教えてください。
当院の訪問診療は、時間帯を問わず対応する体制を取っています。ご高齢の方や終末期の患者さんは、夜間や早朝に急変することも少なくありません。そのような時に「救急車を呼ぶしかない」という状況を減らし、普段診ている医師が駆けつけることで、患者さんとご家族の安心につなげたいと考えています。実際、夜間の呼び出しに私自身が出動し、必要な処置を行うことも日常的です。また、地域の支援センターやケアマネジャーさん、訪問看護師さんなど、患者さんを支える医療・介護職の方々と密に連携し、何かあれば直接相談を受けられるよう、連絡先を共有しています。時間や制度の都合に縛られず、困っている状況に真っ先に応えられること。それが当院の大きな強みです。
そうした診療体制はどのように実現されているのですか?

当院では「困っているときにすぐに動く」ことを第一に考え、私自身が夜間でも直接対応する体制を取っています。ただ、医師が1人で無理をするのではなく、同じ志を持つ複数の医師がチームとして稼働できるようにしています。日中は他の医師にも在宅診療に出てもらい、夜間は私が率先して動くなど、状況に応じて柔軟に役割を分担します。患者さんが安心できる選択肢を常に残しておきたいと考えており、地域全体のネットワークを持つフットワークの軽い医師が、緊急時に24時間365日対応できる体制を支えています。
患者が「ここなら頼れる」と思える場所に
朝岡理事長はなぜ在宅診療に力を入れるようになったのですか?

私はもともと耳鼻科で手術や集中治療にも携わっていましたが、「自分の医療がもっと必要としている人に届いてほしい」という思いが強くなりました。病院の中だけでは出会えない患者さんがたくさんいるなと。32歳の頃、その思いが決定的になり、在宅医療の道に飛び込みました。「どうせやるなら誰もやっていないことを」と、夜間往診を中心としたサービスを立ち上げたほどです。訪問診療は、患者さんの生活や生き方に直接ふれながら、医療がその人の人生に寄り添えている実感があります。「困っている人がいれば時間も場所も関係なく駆けつける」、そんな姿勢こそ、今私が行っていることの原点だと思っています。
横浜市のこのエリアに開業されたのはなぜですか?
訪問診療を本気で行う上で、まず大切なのは“動きやすさ”です。ここなら高速道路の出入り口が近く、右にも左にも広く往診に出られる立地だと考えて選びました。実際、16km圏内まで訪問可能で、急な呼び出しにも素早く対応できます。また、たまプラーザや鷺沼、北山田など周辺からのアクセスも良く、外来に通院される方にとっても便利な場所です。地域にしっかり根差しながら必要な時にすぐ駆けつけられる、そんな在宅医療の拠点として、この場所が適していると判断し、開業しました。
クリニックをつくる際にこだわった点があれば教えてください。

在宅診療を主軸にしつつも、外来に来てくださる方が気持ち良く過ごせる環境づくりを重視しました。まず内装は、美容クリニックのようにきれいに整え、医療機関特有の暗さや緊張感を避けています。また、患者さんを極力待たせないよう、予約管理や診察の流れを徹底的に見直しています。私自身が待つのが嫌いなので、30分以上お待たせしない仕組みを整え、枠が埋まれば時間外でも柔軟に対応します。設備面は必要最小限ですが、その分機動力と実行力を高め、在宅・外来・オンライン診療をシームレスに行える体制を追求しました。患者さんが「ここなら頼れる」と思える場所でありたい。それがクリニックづくりの根底にあります。
さまざまなスタッフとの連携で成り立つ在宅医療
地域のケアマネジャーさんなどに向けた教室も開かれているそうですね。

在宅診療では、患者さんの生活を支えるケアマネジャーさんや訪問看護師さんとの連携が欠かせません。そのため当院では、地域の医療・介護職の方々を対象に、毎月勉強会を開催しています。疾患や在宅医療の対応について私から直接共有することで、現場の不安を軽減し、患者さんにより良い支援ができるようにしたいと考えています。参加者の多くは、ご自身が担当する患者さんのために学びたいという前向きな方ばかりです。そうした意欲あるパートナーと一緒に地域医療をつくっていくのは、とても楽しいことです。結果として、「何かあればまず相談してみよう」と思っていただける関係性が生まれ、それが患者さんの安心にもつながっていると感じています。
患者さんに向き合う際に心がけていることは何ですか?
在宅診療では、患者さんの人生そのものにふれながら医療を提供します。だからこそ、患者さんの生き方や価値観を徹底的に尊重することを最も大切にしています。「こうすべき」「こうあるべき」と押しつけるのではなく、その方が大切にしてきたものをまず理解し、共感するところから始めます。たった数回の診療で、その人が積み重ねてきた人生観を変えることはできませんし、すべきでもありません。ただ、もし誤解や不安が原因で不利益を被っている場合には、少しずつ一緒に改善の方向を探っていきたいです。医療者のペースではなく、患者さん自身の歩みに寄り添う姿勢を忘れずに、最後まで安心していただけるような医療を届けたいと思っています。
今後の展望を教えてください。

これまで、訪問診療や小児のオンライン診療など、必要だと思った医療を形にしてきました。今後は、私と同じように地域のために本気になれる医師やスタッフが、それぞれの得意分野で挑戦できる環境をつくりたいと考えています。その一つが、複数の診療所が連携し、患者さんにとっての利便性と医療者の働きがいが両立できる「医療モール」の構想です。どこへ行っても顔の見える関係があり、地域に住むこと自体が大きな安心につながるような仕組みを実現し、より多くの方に医療を届けられる拠点を広げていきたいと思います。困っている人がいれば、迷わず動ける医療をこれからも追求していきます。
最後に、メッセージをお願いします。
在宅医療は、医師だけでは成立しません。日常の変化を最も近くで感じ、支えてくださっているのは、ケアマネジャーさんや訪問看護師さんをはじめとした医療・介護職の皆さんです。当院は、その現場の判断と努力を最大限に尊重し、必要な医療を迅速に届ける「後方支援」として機能したいと考えています。情報がそろうまで待つのではなく、まず現場に飛び込み、一緒に解決策を探る姿勢を大切にしています。「困っている利用者がいる」「判断に迷う状況がある」と感じたら、どうか遠慮なくご一報ください。

