自分の歯のリスクを知り
日々の歯磨きや通院に生かす「唾液検査」
Go Dental Clinic
(横須賀市/横須賀中央駅)
最終更新日:2023/05/29
- 自由診療
歯科の定期検診を受ける意識は近年向上してきているが、一方で「なぜ定期検診が必要なのか」「定期的な検診によって何がわかるのか」までを理解している人はまだ少ない。横須賀中央駅近くの「Go Dental Clinic」では5分ほどで結果が出る唾液検査を導入。唾液を調べることで虫歯や歯周病のリスクについて調べられるというものだ。「口腔環境がきれいな方でも、虫歯や歯周病になりやすかったりもします。患者さんによって異なるリスクを自覚していただき、日々の歯磨きや通院に役立てられるのがこの唾液検査なんですよ」と明るく、非常にわかりやすい言葉で話すのは院長の鈴木豪先生だ。定期検診の大切さ、その根拠をしっかりと伝えたいという院長に、唾液検査を受けるメリット、実生活への生かし方などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年3月29日)
目次
人によって異なる虫歯菌の種類や唾液の性質がわかる唾液検査。リスクを知り、歯を長く残して豊かな人生へ
- Q唾液検査とはどんなことをするのでしょうか?
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A
希望される方の多くは定期検診と併せて行います。ユニットに座って専用の薬液で口をすすぎ、それを機械にかけると5分ほどで検査結果が出ます。検査で調べられる項目は虫歯菌の有無、口腔内の酸性度、酸性に傾くのを中性に戻す機能である緩衝能、白血球の量、タンパク質の量、アンモニアの濃度です。口腔内が酸性になるほど虫歯や歯周病になりやすく、緩衝能は遺伝的要素もあります。また白血球が多いと炎症が起きている証拠なので歯肉炎や歯周病の状態や程度ががわかりやすいですし、汚れの指標であるアンモニアが多いと口臭につながるので、舌用のブラシを使用するかどうかの目安にもなります。
- Q唾液検査の結果は、どんなことに生かせるのでしょうか?
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A
まず患者さんが虫歯や歯周病など、どの疾患にかかりやすいかの傾向がわかります。タンパク質が多ければ磨き残しが多いと考えられるので染め出しを併用し、歯石取りではなく膜になった菌を除去するためのエアフローを行うなど、患者さんのお口に合わせたメンテナンスが行えます。また現在お口の状態は良いとしても緩衝能が低ければメンテナンスの頻度を増やすなどの提案もできますし、磨き残しや検査結果を参考に患者さんに合った歯ブラシ、歯間ブラシの大きさの選び方、歯磨き粉の種類などもアドバイスします。つまり、定期検診の頻度やご自身で行うホームケアの注意点などの具体性を上げ、歯を守ることにつなげるのが唾液検査なのです。
- Q口腔内の写真や動画と唾液検査とでは、何が違うのでしょうか?
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A
写真や映像もわかりやすいですが、実際に歯茎の炎症や虫歯などの「起きてしまった疾患」でないと写りませんよね。一方、唾液検査は、歯周病や虫歯になる前に「疾患にかかるリスク」を数値として知ることができます。この「事前に傾向がわかるから対策ができる」点が唾液検査の大きなメリットの一つ。またバイオフィルムを除去するためのエアフローとスケーリング(歯石取り)では用いる機材が違います。歯石が少ない方にスケーリングをしても、歯が削れて虫歯のリスクが上がる可能性が考えられるなど、患者さんの口腔内の状況に応じて適切な器具・治療を選べる点も唾液検査の大きなメリット。いずれも先んじた対策が打てるのがポイントです。
- Q唾液検査は子どもでも受けられますか?
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A
もちろん可能です。虫歯、歯肉炎などのリスクが数値でわかるので「なぜ歯科での定期検診が必要なのか」ということがお子さんにも十分伝わると思います。特にお子さんであれば歯並びが虫歯やいずれ歯周病につながる恐れも。そのためフッ素の塗布だけではなく、矯正をお勧めする場合もあります。矯正は歯をただきれいに並べるためではなく、それによって口腔環境を整え、疾患の予防も図れます。また舌を出す、頬杖をつくといった悪い癖を早くから直せれば、きれいな歯を長く守っていくことにつながります。お子さんの矯正ではマウスピース型のものを使いますから、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。
- Q唾液検査を受ける際の注意点や、費用について教えてください。
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A
「歯医者に行くから」といつもより念入りに歯磨きをする方もおられますが、検査で知りたいのはあくまでも「いつもの状態」なので、いつもどおりの歯磨きで来てほしいと思います。ただ唾液検査はにおいが強いと反応が出にくくなるので、検査の2時間ほど前からは、においの強い食べ物、例えばキムチやコーヒー、そして喫煙などは避けたほうが良いですね。唾液検査は自由診療になるのですが、患者さんの日々の生活に役立てていただきたいため、当院ではできるだけ費用を抑えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは唾液検査/3000円~、小児矯正/2万2000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。