吉田 啓之 院長の独自取材記事
デンタルタイム大森駅前歯科
(品川区/大森駅)
最終更新日:2023/10/13
JR京浜東北線大森駅・駅前バスロータリーの目の前にあるビル2階の「デンタルタイム大森駅前歯科」。エレベーターから出るとすぐ、ブラウンを基調にした落ち着いた印象の空間が広がる。同じビルの1階にはアイコネクト大森矯正歯科があり、同院と連携しているという。院長の吉田啓之先生は、明るくきびきびとした口調が印象的で、クリニックの診療について歯切れ良く話す。同院のコンセプトや、各領域の専門歯科医師などと取り組むチーム医療、先進機器、そして今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2023年3月27日)
患者の「時」を大切に。ライフステージに寄り添う治療
まず、クリニック名の「デンタルタイム」に込められた想いを教えてください。
当院は「ライフステージに寄り添う治療」を掲げ、2023年に開院しました。人がどんな時間を大事にするかは、ライフステージによってさまざまです。例えば今、一生懸命仕事に打ち込まれている方にとって、歯科治療にかける時間はどうしても限られてしまうでしょう。だからこそ、その方の限りある時間を大切にして治療をプランしたいと考えたんです。そう考えるようになったのは、勤務医時代にお世話になった先生の口癖がきっかけでした。それは、「人生一度きりだよ」という言葉。もしそうなのだとしたら、患者さんに健康な口と体で少しでも長い「時(タイム)」を過ごしていただきたい。そんな想いでここを開院しました。ちなみに「デンタルタイム」という院名から、ロゴはデジタル時計をモチーフにしています。この場所は駅やバスロータリーが近く、皆さん時計をご覧になることが多いかなと思い、ビル壁面のロゴには本物のデジタル時計を設置しました。
そうした想いを実現されるために、どのような工夫をされているのですか?
当院には、根管治療や小児歯科などを専門とする歯科医師が勤務しており、それぞれの専門家と連携しながらトータルプランニングを行うことで、患者さんに適切な治療を提供できるよう心がけています。また、一つのビルで一般歯科から矯正まで完結することができるよう、同じビル内にあるアイコネクト大森矯正歯科と連携する体制を整えました。かく言う私は、インプラントや歯周病を多く診ている、いわゆる一般歯科の歯科医師です。近年、一般歯科で矯正を行うケースも増えてきましたが、「専門の歯科医師でない自分が、矯正のフォローアップまで行うことが果たして患者さんのためになるのだろうか」と考え、矯正を専門とする先生と連携する、という形に行き着きました。
たくさんの専門家が連携してくださるのは、患者さんにとって心強いですね。
ええ。ただ、当院の強みはそれだけではありません。当院では担当医制を敷いているのですが、専門的な治療が必要になった場合であっても、専門の先生に丸ごと診療を任せることはなく、最後まで担当医が診療の核となり治療に関わります。例えば、矯正の検討が必要になれば、担当医も患者さんと一緒になって、連携歯科クリニックでの治療プランに携わります。つまり従来の「患者さんと担当医」または「患者さんと専門の先生」という関係ではなく、「患者さんと担当医と専門の先生」で三者面談を行いながら診療方針を決めていけるのが当院の大きな特徴なんです。ですので、もし面談の末、矯正とは別の治療法のほうが患者さんのためになると担当医が判断すれば、たとえ専門の先生の前であっても、患者さんにその旨はっきりとお伝えします。一方で、抜歯が必要になれば、患者さんの負担がより少ない方法を担当医と矯正専門の先生との間で相談することもできるんです。
洗浄・滅菌の院内動線を、専門の技師がマネジメント
チーム医療を非常に重視されているのですね。
そうですね。在籍している担当医たちには、専門の先生と連携することの重要性を常日頃から伝えるようにしています。また、人には得意なことがあれば、苦手なこともありますよね。それは、医療者においても同じこと。だからこそ、歯科医師や技師、他のスタッフ含め、互いに「助け合う」ことが大切なのではないかと考えています。助け合うことができれば、互いを補い合えるのはもちろん、知識や技術、専門性を高め合うこともできるはずです。もっと言えば、それが患者さんの安心にもつながってくるのでは、と思います。
患者さんは、どのような方がいらっしゃいますか。
住宅地が近いということもあり、やはりご家族連れが多いですね。特に30~40代の主婦の方々が目立つでしょうか。そういった方々は、お子さんがまだ小さく普段なかなか歯科を受診できませんよね。そうしたことを踏まえ、当院ではベビーカーも入りやすい動線にしており、診察室にも一緒に入れるようにしています。トイレも空間を広めに取っていて、おむつ交換ができるベビーベッドも設備しましたので、きっとご利用いただきやすいのではないでしょうか。今後の展望ではありますが、さらに幅広い年齢層の患者さんに利用してもらいたいという思いがあります。私の妻も歯科医師で、摂食嚥下を専門としていますので、ご高齢の方などの在宅診療についても検討しているところです。
医療機器についても、こだわっていらっしゃるとか。
はい。当院では、「口腔内がどのような状態か」「どんなダメージを受けているか」を把握するため、歯の状態を拡大動画として撮影することのできるマイクロスコープを導入しています。従来の写真ではなく動画であれば、治療のビフォー・アフターとその中間のタイミングまで、患者さんに経時的に見ていただきながら説明することができるんです。マイクロスコープの技術については私自身セミナーに通うなどして、さらに力をつけていけたら。また、器具の洗浄・滅菌にも力を入れています。当院ではクラスBオートクレーブというヨーロッパ基準の高蒸気圧滅菌器を使用し、さらに滅菌を専門とする技師をチームに入れて滅菌器を運用する体制を整えました。良い機器を持っていても、うまく使いこなせなければ意味がありませんからね。洗浄から滅菌までの院内動線も、滅菌専門の技師にマネジメントしてもらっています。
清潔感を重視した院内デザイン。院長自ら建築家と相談
院内のインテリアですが、たいへん落ち着いたデザインですね。
実はデザイナーを入れず、私が建築家と話し合って決めていきました。白が基調の歯科クリニックは多いかと思いますが、クリニックっぽくなってしまうことは懸念していたのであえて壁をブラウンにしたり、床をグレーにしたりしています。清潔感を保ちつつも、主婦の方がベビーカーと一緒に入ってもらえるようにして、カフェのようにゆったりと過ごしていただけるような周りに勧めたくなるクリニックになればと考えましたね。私の趣味が反映されているのは、照明を暖色系で統一しているところくらいでしょうか。また、受付については、クレジットカードや交通系マネーが使えるキャッシュレス決済に対応していることもあり、すっきりとした印象があるかもしれません。
患者さんのことで、何か特に印象に残っていることはありますか?
友人などからの紹介で来られている患者さんが非常に多いことですね。やはり歯科医師として信頼していただいているのかなと思い、たいへんうれしかったです。とはいうものの、新しく開業したこの大森地域での新規の患者さんにも、もちろん来院していただきたいと思います。大森駅前で立地が良く、足を運びやすい場所ではありますが、それだけでなく地域の皆さんが当院に何を求めて来院されるのか。そういったことを患者さんからヒアリングして常に分析していきながら、何か新しく取り組めることはないかを考えていきたいと思っています。
最後に、今後の展望を教えてください。
まずは、専門の先生との連携をさらに強化し、これまで以上に複雑な治療にも対応できるような体制を整えたいですね。また、マウスピース型装置の設計に3Dプリンターを導入するなど、治療のデジタル化も進めています。これまでアナログで対応していた部分をデジタルに置き換えることで、より患者さんにとってメリットのある治療プランをご提供できたら。これからも患者さんのニーズを見極めながら、診療を続けていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/77万円〜、インプラント治療(全体)/33万円〜