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一木 美英 院長の独自取材記事

春待坂ハートクリニック

(川崎市宮前区/鷺沼駅)

最終更新日:2023/03/06

一木美英院長 春待坂ハートクリニック main

東急田園都市線の鷺沼駅から歩いて5分ほどの場所に位置し、内科と循環器内科を扱う「春待坂ハートクリニック」は、2023年1月に開業。院長の一木美英(いちぎ・よしひで)先生は、大学病院や基幹病院にて長年診療に従事し、日本内科学会認定総合内科専門医と日本循環器学会認定循環器専門医の資格を持つベテラン医師。豊富な経験を生かし、一般内科疾患から、心不全などの専門性的な治療を必要とする疾患までカバー。ほかにも生活習慣病の治療や禁煙治療、睡眠時無呼吸症候群や発熱症状に特化した外来、オンライン診療、各種予防接種、健診に対応している。予防や軽症の段階での医療介入に努め、一人ひとりに合わせたきめ細かい診療を行っている。「患者さんと一緒に病気に向き合います」と話す一木院長に、クリニックの診療について話を聞いた。

(取材日2023年2月10日)

高い専門性を必要とする循環器疾患にも対応

どんなクリニックをめざして開業されましたか?

一木美英院長 春待坂ハートクリニック1

生活習慣病を含めた循環器疾患に対して、適切な診療を行って病気の重症化を防げるクリニックであると同時に、発熱を含めて何かあったときに診てくれる、頼れる町のクリニックをめざして開業しました。私は循環器専門医ですので、心不全や不整脈といった専門的な治療を必要とする疾患の方が来られても対応できるよう、検査設備はじめ診療体制を整えています。また、循環器疾患は急を要する病態になることが少なくないので、大規模病院へ紹介すべきか否かといった判断を迅速にかつ適切に行うことができるのも循環器専門医の強みだと思っています。大規模病院へ紹介する際も、紹介先に必要な情報や検査値を適切に提供し、スムーズな診療につなげられるよう心がけています。

どのような診療が受けられますか?

標榜科目は内科と循環器内科です。そのほかにも、生活習慣病の治療や禁煙治療、睡眠時無呼吸症候群や発熱症状に特化した外来、オンライン診療、各種予防接種や健診にも対応しています。具体的には、一般内科では風邪や発熱、腹痛、下痢、花粉症などのアレルギー疾患、循環器内科では狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、心房細動などの不整脈、心臓弁膜症、心不全、静脈血栓症にも対応可能です。胸の痛みや動悸、息切れ、むくみなどありましたらご相談いただきたいと思います。また、生活習慣病は動脈硬化と密接に関係していますので、動脈硬化性疾患に詳しい循環器専門医の立場から、薬物療法と生活習慣の見直し・食事指導を組み合わせた診療を提供します。

診療で心がけていることはありますか?

一木美英院長 春待坂ハートクリニック2

何のために治療しているのかといった治療目的をきちんと患者さんに理解していただいて、納得していただいてから治療することが大切だと思っています。そのため、特に最初は時間をかけて説明します。そのように患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、きめ細かく診療できるのは、クリニックならではの診療スタイルだと思っています。また、診療所やクリニックは、大規模病院を含めた医療機関の中で、診療の入り口になるところです。その時点で適切な介入をして、病気の進行を防ぐことをめざしています。

予防や重症化を防ぐことの重要性を感じて開業

この地に開業された理由を教えてください。

一木美英院長 春待坂ハートクリニック3

私はこれまで循環器を専門として病院に勤務していました。病院には、病気を発症する前というよりは病気を発症した後、あるいは、ある程度進行した方が来られます。例えば、心筋梗塞、狭心症、高齢の方であれば心不全などを多く診ていました。ですので、できれば病気になる前の段階で診療し、予防できるようなコンセプトのクリニックを開きたいと考えて開業に踏みきりました。この場所は、働き世代や子育て世代が多い地域です。そういった年代はクリニックのコンセプトに合致しますし、縁やタイミングも合ってこの地に開業することを決めました。

予防の重要性を感じられて開業されたんですね。

そうですね。私はこれまで25年以上にわたり市中病院などの一般内科・循環器内科に勤め、2014年からは横浜市内の病院で高齢の方に対する医療に従事してきました。そういった経験を通して、循環器疾患が命はもとより、生活の質を落とす原因にもなることを目の当たりにしてきました。介護関連施設に入られた方にも接してきましたが、やはり皆さんが共通して望まれることは、元気に笑顔で家で過ごしたいということなんですね。そのためには、病気が重くなる前に策を講じることが重要になってくるのです。また、近年、私たち医療者の間で注目されている言葉に、“心不全パンデミック”があります。これは、2035年まで続くとされている高齢の心不全患者の激増を意味しています。実際に高齢化に伴って循環器疾患を持つ方が増えていますので、そういった観点からも予防の重要性を感じています。

患者さんに治療を継続してもらうために工夫していることはありますか?

一木美英院長 春待坂ハートクリニック4

私はよく患者さんに「何のために治療していると思いますか?」と質問するんです。例えば、血圧が高いからといって日常生活でとても困っているかといえば、そうではない方が多い。コレステロールもそうです。でも治療しているのはなぜでしょうか。それは、将来的な脳卒中や心臓病を予防するためなんです。何を治療のゴールとするのかはとても大事で、患者さんがそこを理解していないと、数値を下げることをゴールだと思ってしまい、血圧が下がったから薬をやめてしまうということになりかねません。そういった事態を回避するため、患者さんが納得して治療を続けられるように根気強く説明します。病気を理解していただいてきっちりとコントロールできるようになれば、オンライン診療を活用するという選択肢も増えてきますよ。

発熱患者と一般患者で空間を分け、院内感染を防ぐ

院内の造りで工夫したところはありますか?

一木美英院長 春待坂ハートクリニック5

入り口を2つ設置したことはこだわりの一つです。入り口が1つで空間が1つだと、診療時間で分類するしか方法がありませんので、急に発熱してもその日に発熱患者さんのための診療時間が終わっていれば診ることができなくなります。そこで当院では入り口と空間を2つ用意し、飛び込みの患者さんにもある程度対応できるようにしています。ただ、待合室に入れる人数は制限しているので、予約をいただいて人数を調整しています。また、発熱以外の症状で来られている患者さんでも、熱を測ってみて初めて発熱がわかることもあります。そういった場合でも、発熱者用の待合室に移動してもらえるのは強みだと思います。新型コロナウイルス感染症も、2類相当から5類に移行することが決定しましたが、5類になったからといってウイルスが弱毒化したわけではありません。まだまだ発熱の患者さんも多く来られていますので、当院では引き続き適切な警戒をしていく考えです。

内装の工夫はどうですか?

内装に関しては、患者さんが落ち着いていられるように、木目調など優しい色合いを選びました。また、今の時代では当然のことと思いますが、バリアフリーはクリニックに必須と考えて完備しました。今はご自分で来られている方でも、将来的に足腰が弱って段差がネックになることもあると思いますので、そういった場合でも安心して来ていただきたいと思っています。少し狭いかもしれませんが、トイレも含めて車いすでも入れるよう設計されています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

一木美英院長 春待坂ハートクリニック6

当院では、患者さんと一緒に病気に向き合い、共通のゴールに向かって進んでいくことを心がけています。また、患者さんに治療を継続することの重要性や、治療目的をしっかりと理解していただけるよう丁寧な説明に努めます。困ったときに何とかしてくれるクリニック、適切に紹介してくれるクリニックをめざしていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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