専門性の高い医師や看護師が診療する
アレルギー疾患の標準的治療
青山アレルギークリニック
(港区/外苑前駅)
最終更新日:2023/04/27
- 保険診療
花粉症、アレルギー性鼻炎、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など、さまざまなアレルギー症状で悩んでいる人はとても多い。特に花粉症は、今や花粉症でない人のほうが少ないとも言われている。あまりにも身近な疾患だけに、自己判断して市販薬でやり過ごすという人も多いのではないだろうか。しかし今は、適切な診断や治療を受けることで症状の緩和がめざせたり、治療も薬も格段に進歩し、患者の選択肢も大幅に増えている。「青山アレルギークリニック」の飯野晃理事長は、日本におけるアレルギー治療のガイドライン作成に携わり、基幹病院でアレルギーを専門としてきたベテランドクター。そんな飯野理事長をはじめ各曜日の診療を担当するドクターに詳しい話を聞いた。
(取材日2023年3月9日)
目次
一人ひとりの患者に適した治療法で、より適切に行うアレルギー治療
- Qアレルギーとはそもそもどのようなものなのですか?
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A
【飯野理事長】アレルギーとは、通常私たちが生活している中で接するものに対して、過敏な症状を示してしまうことです。しかし何でも症状が出ればアレルギーかというとそうではなく、「免疫学的なメカニズムによって体に症状が引き起こされる」ことを指します。 私たちの体には「免疫」という、病気を引き起こすウイルスや細菌などの異物から体を守るための仕組みがありますが、その免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こる現象です。牛乳に対する乳糖不耐症や、住宅建材等から発する化学物質に反応する過敏症なようなものもアレルギーと混同しがちですが、診断の際には明確に線引きをして判断する必要があります。
- Q標準的治療とはどのようなものですか?
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A
【小田嶋先生】長年、アレルギー治療では各医師の経験値に基づき、こういう症状にはこの薬が効くようだと患者さんや医師の印象による治療がされていました。治療の基準も方法も統一されず、何をもって「効いた」とするのか科学的根拠がなく、症状の重症度の評価も一定ではなかったのです。そこで統計学的に誰が見てもきちんと効いている科学的な根拠のある治療法を定めたものが専門学会作成の診療ガイドラインであり標準的治療です。これによりどの医療機関にかかっても一定の効果の見込める治療が可能にになりました。その上でさらに加療が必要な場合には当クリニックのような専門的な治療のできる医療機関で、プラスアルファの治療を行います。
- Qアレルギーと言えば喘息とアトピー性皮膚炎が浮かびます。
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A
【増田先生】世界的にアレルギーの世界で研究が進んでいるのが喘息です。患者数がかなり多く、亡くなる方も多くいらっしゃいましたが、標準的治療のガイドラインが整備されて治療の当たりはずれがなくなり、今では症状のコントロールもめざせるようになりました。アトピー性皮膚炎は最低限のステロイドの塗り薬を上手に使うことで症状のコントロールを図ります。12歳以上の方には分子標的薬も使えますね。一気に炎症を抑えることを図るので、早い治療効果が期待できることが特徴です。治療費が比較的高額という面もありますが、治療の選択肢が広がったのは朗報です。
- Qスギ花粉のアレルギーの治療はどのようになりますか?
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A
【宮原先生】アレルギー治療の基本は抗原の除去ですが、今や発症者の方が多数派を占めるスギ花粉症については、スギ花粉のない場所で一定期間過ごすことはできませんから現実的ではないです。まず物理的に花粉を洗眼や鼻うがいで除去し、患者さんの症状に応じて段階的に薬を使います。また舌下免疫療法で体質の改善を図ることができます。アレルギーは抗原物質を上手に体の中に入れることで、アレルギーを抑えるための免疫が働くようになり、最終的には症状が出なくなっていくことが期待できます。以前から減感作療法は行われていましたが、飲み薬が出たことで治療が身近なものになりました。舌下免疫療法はダニのアレルギー性鼻炎でも行えます。
- Q食物アレルギーの経口負荷試験について教えてください。
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A
【五十里先生】食物アレルギーの診断は血液検査を基本に、経口負荷試験で実際に食べてみて症状が出るかどうか確認します。またこの試験には何をどのくらいの量食べたときにどのような症状が出るかを確認する意味もあります。アレルギー検査が陽性だったものをすべて完全除去しなければならないかというと、例えば卵や小麦粉といったものを完全除去するのは難しいですよね。もちろん重度のアナフィラキシーショックを起こすような食べ物は完全除去の必要がありますが、症状が重篤でないなら食べられる範囲で食べましょう、というのが今の考え方。その安全値を見極めるための試験でもあります。