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魚森 俊喬 院長の独自取材記事

ケアリボン乳腺クリニック北千住

(足立区/北千住駅)

最終更新日:2024/11/28

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住 main

「患ったこと以外、すべてを幸せにしたい」この言葉をモットーに魚森俊喬院長は、乳がんで悩む女性のために、順天堂大学医学部附属順天堂医院の乳腺外来センターで診察にあたってきた。乳がんは9人に1人が罹患するといわれている昨今、女性が気軽に検診を受けられる場があればもっと社会貢献ができるだろうと、北千住駅から徒歩1分の好立地に「ケアリボン乳腺クリニック北千住」を2023年5月1日に開業した。休診日である水曜は現在も大学病院で診察、手術を行う。検診で手術が必要な状況になっても自身が大学病院で執刀し、乳がんから女性を守るため初診から診断、治療、術後のケアまで生涯にわたってサポートすべく力を尽くしている。「自分の知識、経験が役立つなら、使っていただきたい」そう語る魚森院長に治療にかける思いについて聞いた。

(取材日2023年12月18日)

女性の笑顔と未来を守るため、安心して通える場所を

開業の経緯を教えてください。

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住1

「足立区の乳腺医療を支え、一緒に頑張ってくれないか」と、所属している研究会でお世話になっている先生に言っていただいたのが最初のきっかけでした。乳がんは生涯で9人に1人はかかるといわれており、罹患率が上がっています。そして乳がんでなくても、胸に心配事を抱えている女性はたくさんいるのです。乳がん検診だけでなく、張り、かゆみなど「このようなことで病院に行っていいのかな?」と悩んでいる女性のためにも、当院が気軽に相談できる場所になれたらうれしいと思い、開業しました。

乳腺外科医になろうと思われたきっかけは何ですか?

最初は小児外科医をめざしていたのです。ただ、順天堂大学の医局で外科領域ができなければ小児科医にはなれない! と叱咤激励され、当時の第二外科に入局しました。ここは肝臓と乳腺が強いのですが、乳がんは罹患率が高く「何とかしたい、社会貢献になれば」という思いで研究を始めたのがきっかけです。新規患者さんを診察する日々が続き、本当に乳がんは増えているのだと実感しました。消化器系の治療だと患者さんとの関わりは短いのですが、乳がん治療だと、一人ひとりとじっくりお付き合いし、その人の人生にも深く関与することになるのです。病気だけでない人と人のつながり、患者さんのご家族、そして時には看取りまで。治療以外の深いケアまで自分が携われるというところに大きなやりがいを感じ、この道に進みました。治療によって患者さんの人生が良い方向に進んでくれたら感無量ですね。

女性が検査を受けやすいように気を配られているようですね。

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住2

乳がん検診というと、いろいろな理由から躊躇してしまわれる女性が多いでしょう。しかし、早期発見のためには症状がない時こそ検診を受けていただきたいのです。それには、受診しやすいような環境が必要だと思っています。クリニックに男性は私1人だけ、後はすべて女性スタッフです。最初は私がお話をお聞きしますが、マンモグラフィ、超音波検査は乳腺の検査を専門とする女性スタッフが担当します。技術と人柄を見込んできてもらった優秀なスタッフなので、全幅の信頼を寄せています。画像がそろったら私が診断を行い、ご説明する流れになっており、初めての方でも検診を受けやすいようになっています。予約のほうが確実ですが、お待ちいただけたら診察は可能です。中には小さなお子さんをお連れの方もいます。お忙しいとは思いますが、定期的な検診こそ、自分と家族の生活を守るために必要なのです。

来院しやすい、話しやすいクリニックづくりをめざして

診断から術後のケアまで、一貫してお任せできるのは強みですね。

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住3

検診で悪性が疑われる患者さんには、さらに詳細な検査を受けていただくことになります。乳がんの診断が確定された場合は、患者さん自身のご希望をまずはお聞きし、手術先の病院を相談していきます。クリニックが休診の水曜は順天堂大学医学部附属順天堂医院の乳腺外来センターで診察を行っていますので、私がそのまま手術を担当させていただくこともできます。手術だけはこちらでできないため患者さんには申し訳ないのですが、検診から手術、術後のケア、その後の処方や定期健診まですべて私とクリニックがフォローさせていただきますのでご安心ください。

患者さんへの思いと先生が心がけていることは何ですか?

心配ごとがあって来院される方がほとんどだと思いますので、まず患者さんからお話をお聞きすることから始め、検査に進むようにしています。「このような結果だったらこうなりますよ」と、少しずつお伝えしながらの場合もあります。「淡々と進めて欲しい」「きめ細かに説明してもらいたい」「不安が大きい」など患者さんのご様子を見極めながら、お気持ちを汲み取って診察にあたるようにしています。「かゆみが気になる、張りがある」など、このようなことを聞いてもいいのかな? と思わず、気になることはどのようなことでもおっしゃってください。そのための乳腺クリニックですし、私の知識と経験がお役に立つのなら、どんどん使っていただきたいと思っています。

生涯にわたって患者さんに寄り添われているのですね。

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住4

残念ながら検査が思わしくない結果だったとしても、精密検査の進め方、悪性だったときの伝え方など最大限の配慮を行い、患者さんが前向きに治療が行えるよう、クリニックでは心のケアを含めた治療を行います。検査して病院を紹介して終わりではなく「手術だけ頑張ってきてくれたら、その次のステージは私たちが責任もって診るからね。これからもずっとサポートしていくから安心してください」とお伝えし「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出したいんです。術後初の来院では「お帰りなさい」とお出迎えして「ただいま!」と、皆さんに戻ってきていただきたいですね。その後も、数ヵ月ごとの定期健診、薬の処方などサポートは生涯にわたってさせていただきます。患者さんの気持ちに寄り添い、心も体も治療していけるようなクリニックでありたいと思っています。

一人ひとりの人生の一部として関われる仕事

患者さんを包み込むような、温かいチーム医療が素敵ですね。

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住5

患者さんのケアはクリニックのスタッフで全力であたるようにしています。質問にお答えしたり、適切な診断を下して治療を行うのは私の担当ですが、それは必要最低限のことなのです。来院された患者さんを最初にお迎えするのは受付スタッフなので、気持ちをほぐせるよう笑顔でお迎えさせていただいています。マンモグラフィや超音波検査では緊張されたり、今後のことを考えて不安で涙ぐんでしまわれる方もいらっしゃいます。受付、看護師、検査を行うスタッフと、クリニックのスタッフ全員が患者さんのご様子に気を配り、適切な声かけやサポートができるようにしています。自然とそういった対応をしてくれているスタッフには、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも変わらず、チーム医療で患者さんを全力で応援していきたいと思っています。

将来を見据え、キャリアアップされてきたのですね。

乳腺外科だけでなく、患者さんの全身を診られる医師になりたいと思い描いていたので、外科、内科、救急とキャリアを積んできました。開業するなら、患者さんの生涯に関わる医療を提供したい。クリニックでは地域で愛されるホームドクターをめざし、乳腺外科をメインに在宅診療や緩和ケア、内科疾患、生活習慣病などにも対応しています。病状が進んだり、家族の介護で通院が困難な患者さんはご相談ください。

乳がんの早期発見と治療の発展のため、後進の育成、SNSでの啓蒙活動など多方面で活躍されてますね。

魚森俊喬院長 ケアリボン乳腺クリニック北千住6

ご自身の体に関心を持ち、検診に足を運んでいただくことが、笑顔で健康な将来を送ってもらうためには何よりも大切なことなのです。乳がんに罹患される女性の多くは、忙しい子育て世代かと思います。自分や家族のために、健康なときこそ検診を受け、継続して欲しいと願っています。そのためには、私たちから発信していくことも重要。ラジオ番組に出演したり、SNSの動画サイトにてQ&A形式で質問にお答えしたりと、いろいろな取り組みをしています。また、後進の育成も乳腺外科医療の発展のためには欠かせません。自分を育て、お世話になった先生方への恩返しの気持ちもあり、現在も教育学生講義を続けています。後輩にはどんどん続いていって欲しいですね。

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