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突然死リスクもある睡眠時無呼吸症候群
高血圧症や心疾患と関連も

さなげクリニック

(豊田市/猿投駅)

最終更新日:2025/03/04

さなげクリニック 突然死リスクもある睡眠時無呼吸症候群 高血圧症や心疾患と関連も さなげクリニック 突然死リスクもある睡眠時無呼吸症候群 高血圧症や心疾患と関連も
  • 保険診療

人生の約3分の1の時間を費やす睡眠。現代人の睡眠時間は短くなってきており日中ふとした時に眠気を感じる人も少なくないかもしれない。ただ、中には睡眠中に呼吸が浅くなる低呼吸や、呼吸が止まってしまう無呼吸の状態が出る睡眠時無呼吸症候群という病気が隠れている可能性もある。生活習慣病や心疾患など幅広く診療する「さなげクリニック」の杉浦由規院長は「睡眠時無呼吸症候群は誰でもなり得る身近にある病気です」と話す。「放置すれば重篤な心疾患や突然死につながるリスクもあります」。病気かどうかの検査は自宅で可能で、入院の希望があれば医療機関を紹介してくれる。気になることがある人には検査を受けてもらい、早めに治療につなげたいとする杉浦院長に、睡眠時無呼吸症候群についてさまざまなことを教えてもらった。

(取材日2024年1月20日)

身近な病気である睡眠時無呼吸症候群。軽視せず、特に高血圧症や心疾患があれば、まずは簡易検査を受けよう

Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?
A
さなげクリニック 日本循環器学会循環器専門医の杉浦院長

▲日本循環器学会循環器専門医の杉浦院長

睡眠中に、呼吸が浅くなる低呼吸になったり呼吸が止まってしまう無呼吸の状態になったりする病気です。1時間に10秒以上の低呼吸・無呼吸が5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。患者さんで多いのは、まず肥満の方でしょうか。脂肪が沈着して喉の空気の通り道が狭くなっていることが原因と考えられます。また顎が細いなど骨格上の問題や扁桃の腫大があり、あおむけで寝ている時に舌根が喉に落ち込み気道を塞いでしまうということも原因となり得ます。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病、心臓の病気との大きな関連もあります。中高年男性の患者さんが目立つ印象もありますね。

Qどのような症状があった場合に受診するべきでしょうか?
A
さなげクリニック 早期診断・早期治療を心がける

▲早期診断・早期治療を心がける

睡眠中に何度も目が覚める、朝すっきりと起きられない、日中に強い眠気を感じる、倦怠感があり集中力が続かないなどの症状があれば受診していただきたいですね。ただ自覚症状はないことが多く、当院では、同居するご家族にいびきや無呼吸を指摘されたり、会社の健康診断で検査項目にあったり問診で勧められたりして受診される方がほとんどです。症状を感じなくとも、不整脈がある方や、薬でのコントロールが難しい高血圧症の方には検査をお勧めしたいですね。高血圧に関しては、低呼吸・無呼吸によって睡眠中の血中酸素濃度が下がり、いわば体が苦しい状態になって交感神経が興奮し朝の高血圧につながりやすいということも考えられます。

Q放置したらどのようなリスクがありますか?
A
さなげクリニック 患者とのコミュニケーションを大切にしている

▲患者とのコミュニケーションを大切にしている

十分な睡眠が取れていないことから判断能力が鈍りますので、仕事の効率低下のほか、よくいわれているのは居眠り運転など交通事故を起こすかもしれないということです。過去にそのような事例もありましたね。また、高血圧症や心疾患との関連も大きいことから、最悪の場合は、心筋梗塞や脳梗塞、突然死のリスクが高まることが考えられます。他に、大動脈解離のリスクもあるといわれています。高血圧症や糖尿病など生活習慣病の診断がされた段階で注意していただくことが大事だと思います。

Q 検査はどのようなものがありますか?
A
さなげクリニック 自宅で気軽に検査が可能

▲自宅で気軽に検査が可能

まずは、自宅で呼吸状態を調べる簡易検査があります。当院では機器を貸し出しています。手首に機器を装着し、指と鼻の下にセンサーをつけて一晩寝るだけである程度の推測ができますので、比較的ハードルが低い検査といえます。結果を見て1時間に40回以上の低呼吸・無呼吸があればCPAP(持続陽圧呼吸療法)に進みます。あるいは軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群の場合はさらに脳波なども測定し、睡眠の深さや質を測る精密検査であるPSG検査に進み、その後、CPAPを始めるケースもあります。精密検査の機器も郵送されますのでご自宅で行うことが可能です。入院をご希望の方には病院や対応するクリニックをご紹介しています。

QCPAPなど治療について教えてください。
A
さなげクリニック 気になる症状があれば、早めに受診してほしいと話す

▲気になる症状があれば、早めに受診してほしいと話す

症状が重い方は先にお話ししたCPAP療法を行います。寝る時に鼻に専用のマスクを装着し、そこから圧力をかけた空気を送り込んで気道を確保し、低呼吸や無呼吸を防ぐことをめざす治療法です。装着状態のデータは当院に送られますので、月に1~2回来院していただき治療を続けます。マスクにすぐ慣れる方もいれば違和感を覚える方もいますが、マスクの種類は複数あり取り替えることができます。低呼吸・無呼吸が1時間に10~20回と軽度の方は、気道を確保するための特殊なマウスピースを歯科で作製し、寝る時に装着する治療法もあります。肥満の方は無理のない範囲でダイエットを。またお酒はやめることが望ましいです。

ドクターからのメッセージ

杉浦 由規院長

現代人は忙しく、日中の多少の眠気は当たり前と思っている方が多いと思います。しかし睡眠時無呼吸症候群は基本的に自覚症状がありません。病気と気づかず放置してしまうと、不整脈や高血圧症の原因になったり、命を落とす病気の原因になったりするなど、その方の残りの人生に大きく影響することが心配されます。睡眠時無呼吸症候群は珍しい病気ではなく身近な病気ですが、睡眠にも昼間の日常生活にも良くない影響が出ていることに気づいていない人がまだ多いのではないでしょうか。簡易検査は気軽に受けていただけるものですので、一人でも多くの方の病気を見つけて治療し、より良い人生を送れるようサポートしたいと思っています。

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