杉浦 由規 院長の独自取材記事
さなげクリニック
(豊田市/猿投駅)
最終更新日:2025/01/14

猿投駅から徒歩約5分。人通りが多い一画に立地する「さなげクリニック」。CT検査や超音波検査、血液・尿分析に対応するなど、充実した検査体制が特徴の一つで、遠くの病院に行かずとも同院で専門性の高い検査を受けることが可能。医療脱毛をはじめ、一部美容に関する診療も行っておりさまざまなニーズに対応する。杉浦由規院長は大学病院や総合病院で日本循環器学会循環器専門医・日本救急医学会救急科専門医として、心臓移植や人工心臓のような非常に専門性の高い治療に携わった経験を持つ。勤務医時代に培った迅速な判断・診断・処置などの技術は、地域に根差すクリニックでの診療にも生かされているという。そんな杉浦院長に、医師として歩んできた道のり、クリニックに込めた思い、そして、これからの医療の展望について話を聞いた。
(取材日2024年12月6日)
代々住んでいた地で、地域医療への貢献を誓う
開業地としてこの地域を選ばれた理由を教えてください。

この場所は私の曽祖父などが代々住んでいた土地で、私自身にとってもたいへんなじみ深い場所だからです。私は名古屋市で育ちましたが、当時祖父の家だったこちらに幼い頃から毎週のように遊びに来ていました。祖父は既に他界していますが、この地域で生まれ育ち、会社経営者として、また一人の住民として地域の方々とのつながりを大切にしていました。私はこの地域に対する祖父の思いを引き継ぎたい、クリニックを運営するならぜひこの土地で、と思い2023年1月開業に至りました。患者さんの中には、祖父の時代から付き合いがある方も多くいらっしゃいます。そうした方々も含め、地域の方たちの健康をサポートし、ご安心いただけるような、地元に根差したクリニックにしたいと考えています。
開業されてから2年間で患者層は変わってきましたか?
内科・循環器内科を標榜しているため、風邪・腹痛などの一般内科の患者さんや、高血圧・糖尿病といった生活習慣病の患者さんなど幅広く診療しています。年齢層もさまざまですね。そのあたりはあまり変わっていませんが、最近は専門性の高い循環器内科医として認知されてきたようで、心不全や虚血性心疾患の術後などの患者さんを総合病院からご紹介いただき、比較的重度の患者さんをサポートする機会が増えたと思います。私は大学卒業後、名古屋大学医学部附属病院やトヨタ記念病院などの循環器内科で循環器専門医・救急科専門医として経験を積んできました。特に大学病院の重症心不全センターに所属していた頃は、心臓移植や人工心臓といった専門的な治療に携わる機会を多くいただきました。これまでに得た迅速な判断・診断・処置といった技術は、開業後の今も私の診療の礎として生きています。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

専門性が高く充実した検査体制を整えているところです。CTをはじめ超音波画像診断装置、血液や尿の分析装置、ホルター心電図などをそろえており、例えば総合病院だと検査の予約から結果が出るまでにかなりの期間が必要ですが、当院ですと検査日の設定から検査結果出しまで非常に短期間で可能です。特に心疾患は緊急性の高い疾患も多いので、すぐ総合病院に紹介しないといけない症状は院内で判断できるような検査体制を整えています。例えば、血液凝固レベルや糖尿病に関する数値なども院内で検査可能です。また、最近増えてきている睡眠時無呼吸症候群に対しても、簡易的な検査から精密検査まで対応できる機器を導入していますし、アレルギー検査についてもできるだけ痛みを抑えて行えるよう先進的な機器を備えており、お子さんでも安心です。
地域住民の健康を守る、充実した検査体制
本当にいろいろな検査機器がそろっていて、患者さんも安心できそうですね。

勤務医時代からの経験上、早期診断・早期治療は何よりも大切だと考えています。そのためにも検査体制はしっかりさせたいと思い、できる限り多くの検査機器を導入しています。患者さんも検査が必要とわかっていても、なかなか時間を取って遠くの病院まで行くのは大変ですし、少し体調が悪いぐらいでは気軽に検査を受けられないですよね。でも、地域のクリニックで総合病院のような専門的な検査が受けられれば、患者さんも気軽に来院できるようになり、地域医療の質を高めるためにもメリットは非常に大きいと思います。検査で特に重点を置いているのが、超音波による画像診断ですね。これは侵襲性が低いため患者さんの負担が少なく、かつ必要な情報を得やすいので重宝しています。
診療で特に力を入れていることを教えてください。
心疾患の背景には必ずといっていいほど生活習慣病が潜んでいるため、高血圧・糖尿病・高脂血症などの治療には特に力を入れています。また、見過ごされがちな睡眠時無呼吸症候群の診療ですね。睡眠中の呼吸が一時停止して酸素不足になってしまうという疾患ですが、生活習慣病と密接に関連していて、自覚症状がない場合も多く、放置しておくと強い眠気で判断能力が極度に落ちたり、心疾患や脳卒中など突然死のリスクを高めたりする危険な病気です。また、心疾患の疑いを可能な限り早く見つけて総合病院に紹介するということも、地域医療を支えるクリニックの重要な使命の一つだと思っています。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

患者さんとの対話を丁寧に行うようにしています。検査結果や治療方針などの説明はもちろんのこと、プライベートな話や雑談を通して患者さんとの距離を縮めることを意識しています。病気の症状や経過だけでなく、患者さんの生活環境や悩み、不安、そして希望を詳しく伺い、共感することが大事だと思っています。そのため、診療時間を予約制にして患者さんとの対話時間をしっかり確保し、患者さん一人ひとりとじっくり向き合うようにしています。どんな疾患もそうかもしれませんが、生活習慣病は特に患者さんの何げない言葉の中に、治療へのヒントが隠されているものです。あまり緊張せずに何でも自由に話していただければと思います。
将来的には心臓リハビリテーションの提供も
スタッフの方たちも皆さん優しそうですね。

私も含め、看護師、検査技師、受付・医療事務スタッフ一同、患者さんへのきめ細かな対応を心がけています。メンバーは増えた方以外は開院以来ほぼ変わらず、チーム医療の実践においてもスタッフの存在は欠かせません。スタッフ同士のコミュニケーションも綿密に取り、患者さんの情報を共有することで、より質の高い医療を提供できるように努めています。チーム一丸となって患者さんを支えることが、クリニックの理念でもあります。
研修医・勤務医時代の思い出や、趣味などプライベートなことを教えてください。
勤務医の時、まだ地方病院では心臓移植や人工心臓の黎明といった時代で、そういった先進的な治療に携わっていた頃は思い出深いことがたくさんありました。ある患者さんは、心臓移植の申請をして人工心臓を入れる手術ができて、その後心臓移植までできた時はうれしかったですね。その患者さんとは病院が休みの時も一緒に過ごしていたこともあり、ともに治療の道筋を歩むことができたというのは、医療人として感無量でした。また、趣味としては熱帯魚が好きで、世話が大変なのですが一人暮らしをしていた若い頃からずっと飼っています。遊んでいる姿もかわいいし、ずっと動かないから心配してたら単に寝ているだけだったなんてこともあり、本当に愛嬌があるんですよ。待合室にも魚が泳ぐ水槽を置いていて、スタッフの癒やしになっています。患者さんの癒やしにもなっているとうれしいですね。
今後の展望や読者へのメッセージをお願いいたします。

ずっとやりたくてもできていないことの一つに心臓リハビリテーションがあります。これは酸素を循環させる心肺能力を高めるための治療法で、患者さん一人ひとりの体力に応じた運動を行ったり、生活習慣を見直す指導をしたりするものです。心疾患の患者さんの予後を改善するために非常に有用な手段ですが、ただまだ認知度が低く、クリニックでの実施は少ないのが現状です。将来的に心臓リハビリテーションを提供できる場にしていければと思っています。健康のことで困ったことや気になることがあれば、いつでも気軽に相談してください。すべてを解決できるというわけではないかもしれませんが、適切な医療機関へ紹介することも可能なので、まずは治療の道筋の第一歩として当院の門を叩いていただければ幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とはレーザー脱毛/2200円(部位による)~、AGA治療/4400円~