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骨粗しょう症について知ることで
介護リスクへ適切に対策しよう

もりわき整形外科クリニック

(境港市/上道駅)

最終更新日:2024/12/24

もりわき整形外科クリニック 骨粗しょう症について知ることで 介護リスクへ適切に対策しよう もりわき整形外科クリニック 骨粗しょう症について知ることで 介護リスクへ適切に対策しよう
  • 保険診療

骨密度が低下して骨の強度が下がり、骨折しやすくなる骨粗しょう症。特に女性の場合は、閉経をきっかけに骨の代謝に関わるエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが減少し、骨密度の低下が起こることによって骨粗しょう症になりやすいという。骨粗しょう症は初期には自覚症状がなく、進行すると些細なことでも骨折しやすくなり、結果的に生活の質(QOL)の低下につながる。鳥取県境港市の「もりわき整形外科クリニック」の森脇健太院長は、健康寿命に大きく関わる骨粗しょう症について長く研鑽を積み、専門的な診療を提供している。今回は、骨粗しょう症治療の専門知識を持つスタッフとともにチームで診療を行っている森脇先生に、骨粗しょう症という病気や生活への影響、検査や治療の詳細について幅広く聞いた。

(取材日2024年11月12日)

QOLの低下を引き起こす骨折。50歳を過ぎたら定期的な骨密度検査で骨粗しょう症を予防することが大切

Qそもそも骨粗しょう症とはどんな病気なのでしょうか?
A
もりわき整形外科クリニック 境港市に2022年に開院した「もりわき整形外科クリニック」

▲境港市に2022年に開院した「もりわき整形外科クリニック」

骨粗しょう症は女性に多い疾患です。妊娠や出産、閉経などのライフステージを経て、女性ホルモンが減少することで骨密度の低下につながり、骨粗しょう症を発症するとわかっています。普通は大きな事故でもない限り、骨折をすることはありませんよね。しかし、骨粗しょう症になると、骨の強度が低下するので骨折リスクが上がってしまうのです。年齢としては50代以降から増えてきて、年を重ねるごとに有病率が高くなります。60代では5人に1人、70代では3人に1人、80代では2人に1人ほどの割合で骨粗しょう症になるといわれています。女性は50代から骨粗しょう症への注意が必要です。

Q骨粗しょう症になると生活にどのような影響があるのでしょうか?
A
もりわき整形外科クリニック 森脇健太院長は骨粗しょう症について長年研鑽を積んできた人物だ

▲森脇健太院長は骨粗しょう症について長年研鑽を積んできた人物だ

厚生労働省の資料によると、女性の介護が必要となる原因の第2位は「転倒・骨折」であるとのデータが出ています。骨粗しょう症による骨折を年代ごとに見ると、50~60代は「転倒による手首の骨折」、60~70代には重い物を持ったりすることによって起こる「背骨の圧迫骨折」が多いです。そして、80~90代で増えるのが「大腿骨の骨折」。大腿骨を骨折すると、手術やリハビリの際の身体への負担も大きい上に、入院期間中に運動機能が低下すると介護状態へ移行してしまうリスクも。それまでと同じ生活が不可能になってQOLが下がってしまうと、結果的に健康寿命にも影響します。だからこそ、骨粗しょう症の予防と治療が重要なのです。

Q気をつけたい症状や、受診すべきタイミングなどはありますか?
A
もりわき整形外科クリニック 骨粗しょう症は自覚症状がないからこそ、定期的な検査が重要だ

▲骨粗しょう症は自覚症状がないからこそ、定期的な検査が重要だ

骨粗しょう症に関しては、最初は自覚症状がないので「骨折して初めて気づく」ケースが多いのも現状です。「背中が曲がってきた」「身長が縮んだ」なども骨粗しょう症のサインですが、これらは背骨の圧迫骨折などがすでに起きている状態ですので、発症する前から検査を受けて、リスクがある場合は治療を始めるのが良いでしょう。女性の場合はこれまで病気や骨折をしたことがなく健康だと思っていても、閉経を境に体が変化するので「自分は大丈夫」といった認識を変える必要があるのです。50歳を過ぎたら、自分の骨密度の状態を知ることから始めましょう。その後、個人差はありますが、1~2年に1度、定期的に検査を受けることをお勧めします。

Q骨粗しょう症の検診もあるのですね。
A
もりわき整形外科クリニック 同院では、クリニックでは珍しい全身用の骨密度測定器も備える

▲同院では、クリニックでは珍しい全身用の骨密度測定器も備える

骨の強さ(骨強度)は、70%を「骨密度」、30%を「骨質」から評価します。現在、健康保険が適用されるのは骨密度の検査で、その検査は大きく2つに分かれています。1つは末梢骨、もう1つは腰椎・大腿骨の検査で、ともにエックス線を照射して測定します。前腕骨や手指、かかとの骨などの末梢骨の検査は簡単で費用も安いのですが、腰椎・大腿骨の検査のほうが検査精度が見込めるのでより精密な診断につながります。当院では全身用骨密度測定装置(DXA法)を導入しており、腰椎・大腿骨なら横になって5~10分程度と短時間で測定可能。身体・経済的な負担も少なく、気軽に受けやすい検査だと思います。

Q骨粗しょう症の治療について教えていただけますか?
A
もりわき整形外科クリニック 骨粗しょう症の専門的な知識を持つスタッフが治療をサポートする

▲骨粗しょう症の専門的な知識を持つスタッフが治療をサポートする

骨粗しょう症の治療は飲み薬が中心になります。治療薬にもさまざまな種類があるので、その中から骨密度の低下度や年齢、腎機能などを考慮して一人ひとりに適した薬を選びます。また、骨強度を高めるためには、生活習慣の改善も大切な要素です。当院ではパンフレットをお渡しし、状況をお聞きしながらフォローをしています。「意識を変えて食事を見直そう」「運動習慣を身につけよう」など、骨粗しょう症の診断や治療を「ご自身の健康を改めて見つめ直すきっかけ」として前向きに捉えて頂けたらと思っています。骨粗しょう症の専門的な知識を持つ経験豊富な看護師と理学療法士が中心となって、しっかりサポートしていきますのでご安心ください。

ドクターからのメッセージ

森脇 健太院長

骨粗しょう症では、骨折の予防が一番重要です。転倒リスクと骨折リスクは密接に関連していますので、ロコモティブシンドロームの予防も重要になります。転倒リスクを軽減し、自分の足でいつまでも歩けるように、介護を受けずに自立した生活を送るためにも運動機能の維持は大事です。当院には理学療法士がリハビリによるサポートを行っています。診察してリハビリが必要な場合、週に1回ほど数ヵ月間通院していただきますが、最終的に自発的な運動習慣をつけていただくことを目標にしています。骨粗しょう症については一般的な認知が進んでいるとは言いきれない状況ですので、私自身も地域の講演会や健康教室に出向いて啓発活動に努めています。

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