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徳安公之 院長の独自取材記事

とくやすクリニック

(大田区/梅屋敷駅)

最終更新日:2021/10/12

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患者にとって、コンビニのように気軽に立ち寄れるクリニックでありたい。そんな徳安公之院長の思いが詰まった「とくやすクリニック」は、梅屋敷駅出口からまっすぐに伸びる商店街の一角にある。ビルの2階という立地が喧噪を遮っているものの、院内は活気を感じる明るいクリニックだ。内科、消化器科、外科、肛門科、皮膚科など診療科も幅広く、0歳から100歳までの患者が来院するというのだから驚きだ。とにかく、人のためになることをして喜んでもらうことが一番のやりがいと言う。休憩時間中であっても「具合が悪い」と訪れた患者に親身になって話を聞く姿を見て、その考えは診療の中にも生きていることを感じた。そんな徳安院長に、診療で大切にしていることから今後の展望までじっくり伺った。

(取材日2014年5月26日)

人の縁は巡り合わせ。「話して良かった」と思ってもらえる医師でありたい

最初に、診療の際に先生が一番心がけていることを教えてください。

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僕が心がけているのは、患者さんと同じ立場、同じ目線で接することです。イメージとしては、学校の先生のようなものでしょうか。例えば、体育会系の先生がうまく走れない幼稚園児に「気持ちがたるんでいる! 走れ!」なんて指導をするのは無理がありますよね。僕は診療も同じだと思っているんです。患者さんにはパーソナリティーがあって、同じ病気でも一人ひとりの性格や個人差で内容も違います。その少しの違いを見極めて、患者さんの立場を考えながら接することが僕の考える適切な医療です。とはいえ「立場を考える」というのは、「ただ合わせる」ということではありません。病気を甘く見ている人にはその怖さをある程度厳しく伝えなければいけませんし、逆に病気を恐れすぎてしまっている人にはちゃんと治療すれば恐いものではないとご理解いただかなければいけません。医師にしてみれば、「言うことを聞きなさい」と高圧的な態度を取るのは簡単なんです。だけど僕は、自分が患者さんと同じ目線や立場に立つことで、患者さんに「わかりやすく納得できる診療」を受けていただきたいと思っています。

では、先生の思う「開業医の役目」とは何でしょうか。

開業医には、幅広いものの見方が必要だと僕は思っています。そうなるためには当然、専門分野だけの診療をしていればいいというわけではありません。だから、僕としてはクリニックに専門の診療科を掲げるのは本望ではないんです。強いて看板を掲げるとすれば、「総合診療科」という名前にしたいくらいです。というのも僕は、クリニックは医療を商品に例えた場合の「コンビニ」でいいと思っています。手軽に行けてそこで間に合うものを入手し、コンビニで物足りないと感じたら「専門店=大学病院や専門のセンターなど」に行く。少なくとも当院は、患者さんにとってそんな気軽なクリニックでありたいですね。患者さんの中には、自分のどこが悪いのかはっきり自覚していない方もいらっしゃいますから、その筋道を立ててあげるのも開業医の大切な役目だと思っていますよ。

医師になって良かったと感じるのはどんな瞬間ですか?

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二十数年前に担当していた患者さんの中に、手術が必要なのに「手術を受けたくない」とおっしゃった方がいました。その患者さんは診察すること自体拒否していた方で、家族に無理矢理病院へ連れてこられたんですね。僕の見立てでは、その方は手術をすれば必ずよくなると思える方でした。そこで粘り強く説得して、何とか手術を受けていただくことに成功しました。最初はどうなることかと思いましたが、元気になったその方はすごく喜んでくださり、今でも当院に足を運んでくれています。医師になって良かったと心から思えるのは、こういう瞬間ですね。僕は医師になった当初、たった一人でも「命が救われた」と言ってくれる患者さんと出会えたら満足だと思っていました。今となっては、そうしたうれしい経験も1度や2度ではありません。けれど何度経験してもそのたびにお役に立てたことがうれしく、それだけで医師になって良かったと思います。

医師という職業に生涯やりがいを持つ。その気持ちが人のためになる

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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特別大きなきっかけがあったわけではなく、高校生の時に進路を決める際、「一生やりがいを持って続けていける職業は何か」と考え医師を志しました。医師家系の生まれではないので、当時の僕は医療とは何かをしっかり理解していたわけではありません。ただ、一生働いていくのなら、やりがいを感じられる仕事のほうが自分のためにもなると考えました。同じようにやりがいのある仕事として、弁護士の道も考えましたが自分の中では医師が一番しっくりきたんです。もちろん、必ずしも「医師=人の役に立つ職業」とは思っていません。でも自分が生きがいを持って続けていけば、それが人のためにつながっていくのではないかと考えています。

現在は内科診療を主としていらっしゃる先生ですが、もともと外科医だと伺いました。

そうなんです。開業するまでの専門は消化器外科でした。もともと僕は机に向かって勉強するのがあまり好きではなくて、初めから技術職に近い外科に興味がありました。そして、小さい頃から時計や機械が壊れると「何が原因で壊れたのか」と気になって、とことん原因究明しないと気が済まない性格だったこともあり、内科より外科が向いているのではないかと考えたんです。大学卒業後に入った医局は一般外科で、さまざまな病気の診療に携わっていました。当時の大学病院には今ほど部位別に細分化された診療科がなく、脳や心臓など特殊な部位以外は全部一般外科という括りだったんです。だから僕自身、最初から消化器外科を専門に選んでいたというより、さまざまな診療を続けているうちに、最終的に消化器外科に興味を持っていったというほうが正しいですね。

開業前は黒田病院(現:東京蒲田病院)に勤務されていたそうですね。

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はい。黒田病院でも消化器系を主とした一般外科の診療に携わっていました。大学病院から続き、さまざまな病気と関わってこられたことは非常にいい経験だったと思っています。当時はどの病院もそうだったと思いますが、診療科同士の垣根が低く医師それぞれの守備範囲も広かったんです。僕も当時は消化器外科の医師でありながら、乳がんなど婦人科の手術、腎臓がんなど泌尿器科の手術も手がけていました。その経験は開業医となった今も、患者さんの助けとなる知識として生かされています。例えば、手術が必要な患者さんが「どんな手術かわからないから恐い」と悩んでいたら、その病気はどんな手術をするのか、術後の経過はどんな状態になりやすいか、といったことを具体的にお教えすることができるんです。僕の言葉により、一人でも多くの患者さんが前向きに治療を受けていってくださるのなら、これほどうれしいことはありません。

めざすのは、誰でも気軽に足を運べる「病気相談所」

先生はなぜ、長く続けてきた勤務医を辞め開業しようと思ったのでしょうか。

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僕はふだんから、10年単位で自分の人生設計を立てるようにしています。節目に目標を立てて行動するのではなく、「一度やると決めたことは少なくとも10年間続ける」と思って物事にあたっていきたいんです。もちろん10年続けてみて、後10年同じことをやりたいと思えばそれでもいい。10年たてばだいたい進むべき道ややりたいことは見えてくるものですからね。それで僕はもう少し患者さんとの距離が近い診療をしていきたいと考え、大学病院勤務に終止符を打ち黒田病院にお世話になりました。そして、さらに約10年の勤務を経て開業することにしたのです。

クリニックでは皮膚科の診療も受けられるんですね。

はい。これは、先ほどお話ししたクリニックの役割に通じる部分があるのですが、患者さんが求める病院のニーズとは「この病気でかかっているから、同じ病院で他の病気も診てほしい」というところにあると思っています。すごく専門的でなくていいからちょっとした症状について聞きたい、という時にその診療科がなくて困っている方は結構いらっしゃるんです。僕がさまざまな病院で診療を続けてきた中で、一番その必要性を感じたのが皮膚科でした。実際に僕のところに来る患者さんも、皮膚科を求めていらっしゃる方が多かったんです。そこで、あくまで「簡単な皮膚疾患などの相談ができる場所」として皮膚科も掲げています。また、皮膚科は外科にも関連している部分があり、僕にもお役に立てることがあるんですよ。例えば、外科医の僕はおできや皮膚腫瘍などの切除にも対応できますから、そこは強みだと思っています。この疾患に関しては、皮膚科と外科どちらに行っても構わない病気なので、そういった意味でも相談しやすいと思っていただければうれしいですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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今後一番やっていきたいと思っているのは、高齢者に向けた医療体制を変えていくこと。現在、医療と介護の間には大きな溝があって、とても連携が取れているとはいえない状況です。高齢者が健康に生活していくためには、医療側だけ、介護側だけといったアプローチでは限界があるんですね。国の方針もありますから、僕一人が勝手に動ける問題ではありません。ただ、その狭間で苦しんでいる人は現実にいて、僕はできる限りそんな方たちの手助けをしていきたいと考えています。そのための第一歩として当院がめざすのは、どんな方にも気軽に来ていただける「病気相談所」。患者さんとのコミュニケーションを大切にして、医療施設としての敷居の高さや心の垣根を取り払った診療をこれからも続けていきたいと思っています。心配なことがあれば、「ちょっとあのクリニックに行ってみようかな」という軽い気持ちで足を運んでみてくださいね。

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