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森岡 新 院長の独自取材記事

森岡小児科医院

(大田区/雑色駅)

最終更新日:2021/10/12

森岡新院長 森岡小児科医院 main

「子どもがにこにこ元気に育っているかどうかを見極めること。それがいちばん大切」と語る森岡新(あらた)院長。子ども一人ひとりと向き合い、家族の話をじっくりと聞いてくれると評判の、蒲田の小児科ドクターだ。もともと小児外科が専門で、現在も大学病院で二分脊椎症の外来を担当する。下肢の麻痺や排泄障害を伴う重篤な疾患の診療に携わっていることから、子どもの成長や障害のある場合の生活ケアなどにも詳しい。子ども時代は町工場や多摩川の河川敷でわんぱくに遊んでいたという森岡院長。診察の際は白衣ではなくカジュアルなシャツスタイルで親しみやすく、下町育ちらしいテンポのいい本音トークも楽しい。子どもや母親たちに人気のあることが納得できる、優しさと頼もしさを兼ね備えたドクターだ。

(取材日2018年9月6日)

専門は小児外科。子どもの成長や障害にも詳しい先生

まず、医師をめざしたきっかけや開業までの経緯を教えてください。

森岡新院長 森岡小児科医院1

両親が医師で、私が4歳の頃、母が自分の実家であるこの西六郷で開業し、それからここで育ちました。小児科医として忙しい母の姿を身近で見ていて、寂しい思いをしたこともありましたが、成長するにつれ、やはり面白そうだから医師になろうかと思うようになりました。医学部に進んでからは、勉強もしないでラグビーをしていたのですが(笑)、小児科に入局し4年ほどした頃、ラグビー部の監督が小児外科の教授に就任したこともあり、小児外科に進みました。小児科と小児外科の分野で研鑽を積み、ずっと大学病院や地方の関連病院に勤務しながら、こちらの診療も手伝っていましたが、1997年に母から当院を引き継ぎました。

ご専門は小児外科とお聞きしました。

そうです。小児外科が専門で、今も大学病院で二分脊椎症の専門外来を担当しています。二分脊椎症は下肢の麻痺や排泄障害を伴う先天的な病気です。脳神経外科や泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科、時には眼科や皮膚科、内科などを含めてトータルなケアが必要で、全体をまとめるのが小児外科ですので、ご家族のあらゆる相談に対応しています。体のことよりも、生活面での悩みや相談が多いですね。普段の診療では、外傷への対応や、消化器系、泌尿器科系の病気の対応などで小児外科の経験が役立っています。

この地域の特徴を教えてください。

森岡新院長 森岡小児科医院2

この辺りはもともと京浜工業地帯で、工場からの煤煙や車の排気ガスで喘息が多い地域でした。今は環境もよくなり、大田区が舞台となったテレビドラマや直木賞受賞小説などでまた注目されている活気のある地域です。古くからお住まいの方も多いですし、マンションや新しいファミリー層も増えています。大田区は“医療の町”というのがキャッチフレーズで、院外処方など新しい取り組みを積極的に行い、医療環境的にも充実していると思います。小児科領域では、医師会診療所で土曜日の夜と日曜日に内科・小児科の外来を行い、平日の夜間は東邦大学医療センターで大田区子ども平日夜間救急室を開設しており、私たちも当番制で診療に携わります。蒲田近辺だけでなく、大森や田園調布などの患者さんも来られるので、どの地域でどんな病気がはやっているかなど、さまざまな状況がわかって勉強になります。

地域の子どもたちを見守ってきた小児科医院

では、クリニックの特徴を教えてください。

森岡新院長 森岡小児科医院3

一般的な小児科診療と、小児外科的な外傷や肘の脱臼など外科的な診療が多いです。手術は行っておりませんが、簡単な処置などは行います。長年開業していますから、母が診ていた子がお母さんになって、子どもさんを連れてこられることもありますし、子どもさんのご両親やご家族など大人の診療も、できる範囲で診ています。

先生の診療方針についてお聞かせください。

患者である子どもにとって、よりよい治療、よりよい方向性を選択すること、家族中心に考えてご両親や家族の様子もよく見るようにしています。親御さんとお話をすると子どもさんのことがよくわかるので、できるだけ時間をとって疑問や相談に対応し、何より子どもが元気ににこにこ育っているかどうかを見極めます。お母さんもお父さんもいろいろですし、子どもも一人ひとり違います。痛いのに「痛くない」と我慢して演技するような子もいますし、大暴れして看護師さんを蹴る子もいます。でも、そのうちに診療にも慣れるし、すぐに成長するもの。少し大きくなってから、「よく泣いてたよね」などと昔話をすると照れくさそうにするのがかわいいですね。

小児科医師として気になることはありますか。

今の子どもたちは、あまり運動していないのが気になります。空き地や公園も少なく、子どもたちが運動しやすい環境ではありませんね。肥満の子も増えている気がします。食べるものもファストフードやコンビニ弁当などに偏りがちですから、食育も大切だと親御さんには伝えています。赤ちゃんの離乳食についても、核家族が多いせいか、お母さん方は意外とご存じないんですよ。胃腸の消化能力というのは個人差がありますから、育児書どおり離乳食を始めても食べない子もいるのは当然なのですが、お母さんは「自分の作り方が悪い」と悩まれるんですね。「清潔にしなくてはいけない」と、石けんで体を洗いすぎて乾燥肌になっているケースもあります。子どもの皮膚は成長の段階をふまえてスキンケアをすることが必要です。インターネットなどの影響もあり、お母さんたちが情報に振り回されている気がしますね。

この地域で気になる傾向などは?

森岡新院長 森岡小児科医院4

ここは、古い土地柄で地域のつながりもあり、六郷神社のお祭りなども盛んで、子育て環境としてはいいところだと思います。ただ、外との接点をあまり持てず、そういったコミュニティーになかなか入ってこれない親御さんや子どもさんが心配ですね。保育園の園医も担当していますので、まれに気になる子どもさんを見受けることがあります。子どもは地域の宝ですから、みんなが健やかに育っていくように、親御さんをサポートして見守っていきたいですね。

子どもだけでなく、家族の健康にも気を配る

ところで、先生ご自身の健康法を教えてください。

森岡新院長 森岡小児科医院5

医師になってからはずっと多忙でスポーツもできませんでしたが、40代ぐらいから体がなまってきたので、今は週に2、3回区民プールで泳いでいます。もともと体を鍛えていましたから、体を動かしているほうが調子がいいですね。疲れていて体がだるいと感じても泳ぐことに決めています。特に健康法はありませんが、胃腸の力も弱まってきますから、おなかに聞きながら食べるようにしています。そんな自分の経験もふまえて、大人やお年寄りの患者さんにはお話ししています。

患者さんの健康のために取り組みたいことや心がけたいことは?

患者さんの安全のために、築50年の医院をすぐ向かいに移転しました。と言いますのも、待合室の床が抜けそうになってしまって、基礎のない昔の建築なので修理しても繰り返してしまうだろうとのことで。患者さんに危険がないと安心して診れるので移転して良かったです。まさかこの年で建て直すことになるとは思っていませんでしたが(笑)。診察台や待合の椅子などは以前からのものを使っていますよ。また子どもの予防接種は種類が増えましたので、ご家族の負担を軽くするためにも同時接種を呼びかけています。漢方薬治療にも力を入れています。漢方薬は私自身が四十肩になったときに、漢方に詳しい先生に教えてもらったのがきっかけで勉強を始めました。個人差はありますが、子どもの過敏性腸症候群、食が細い、夜泣き、お母さんの冷え症などにも効果が期待できます。子どもは成長につれて体質も変わるので、その点に注意しながら進めていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

森岡新院長 森岡小児科医院6

子どもは一人ひとり違いますから、いろんな人の話を聞くことが大切です。気軽に相談できる大人が身近にいなければ、遠慮なく小児科を利用してください。またスマートフォンやテレビなど、目からの強い刺激は脳の成長に影響し、「キレやすい」「集中力がない」「無関心」などの問題につながることがありますので注意が必要です。バランスよく脳が発達するように、子どもによく話しかけて、一緒になって遊んであげてください。家族が心身ともに健康であれば、子どもは元気に育つものです。仕事や家事が忙しいと、子どもに向き合えないこともあるでしょうが、ご両親が一生懸命取り組んでいる姿を子どもたちは見ているものです。お母さんお父さんもあまり無理をせず、ご自身の健康にも気をつけてくださいね。

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