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橋本 和則 院長の独自取材記事

橋本歯科医院

(大田区/蒲田駅)

最終更新日:2020/04/01

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「専門家であるよりも、町のかかりつけ医としてなんでも対応できる総合診療を担う歯科医師でありたいんです」と穏やかに笑うのは、親子2代にわたって地域住民の信頼を集める「橋本歯科医院」の院長、橋本和則先生。同院には長らく通い続ける患者だけでなく、クチコミや紹介で訪れる患者も後を絶たないという。中には噂を聞きつけ、遠方からセカンドオピニオンとして相談に訪れる患者の姿も少なくない。常に患者の声に真摯に耳を傾け、「当たり前のことをやっているだけです」とほほ笑む橋本院長に、クリニックの歴史からかかりつけ医としての思いまでじっくり聞いた。
(取材日2018年8月8日)

信頼を集め続けて60年余り、町のかかりつけ歯科医師

まず、クリニックの概要を教えてください。

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このクリニックは1954年に父が開業したもので、私は2代目となります。当時は1階が診察室、2階に私たち家族が住んでいたのですが、この辺りはずっと向こうまで見渡せるような何もない原っぱだったのを今でもよく覚えています。蒲田は人の出入りが激しい町ですが、その頃からずっと続いている歯科は珍しいかもしれません。父の代からの長い付き合いの患者さんも多く、積み上げてきた歴史の分だけカルテも厚みを増してきています。また、最近はインターネットで調べたり、患者さんの紹介で来られる患者さんやセカンドオピニオンとしての相談も増えてきています。長年、どんな相談にも対応してきたからか、老若男女問わず、幅広く通っていただいています。

お口の中だけでなく、患者さんの全身の健康を守ってこられたそうですね。

人間が生きていくためには口から食べるということが必要です。ほぼ健康な方であれば食べるということに不自由なく過ごされていると思いますが、口の中に問題が生じたときに「歯って大事だよね」と感じられると思います。私は歯科医師会で摂食嚥下の指導を担当しており、老人ホームに訪問し脳血管障害後遺症や認知症等で、食事が摂取できなくなった方を口から食べることができるように環境を整える仕事も行っています。誤嚥性肺炎の予防に関わっているわけですが、私の歯科医院へ通院中の方であっても、ご高齢の方の場合その一歩手前の状態であったりします。定期的に口腔ケアに通っている方の呼吸が浅く、表情に元気がなくなっていたので、胸郭を広げる簡単な体操を指導したところ、元気を取り戻し感謝されたこともありました。ちょっとした変化に気づきやすいというのも日頃から様子を見ているかかりつけ医ならではですね。

他院から紹介される患者さんも多いそうですね。

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開業前は、全国から歯科医師が勉強しに来るような、補綴専門の先生のもとで徹底的に理論や技術を学ばせていただいていました。講習会では私もほかの歯科医師への指導にあたらせていただくことも多く、さらに歯科医師がそこで治療を受ける際は、私も治療を担当するという貴重な経験を積ませていただきました。患者が歯科医師である場合、同業者として厳しい目で見られるので緊張感もしましたが、そのようなご縁もあって、他院から患者さんをご紹介いただける機会も多いのはありがたいことです。また、うちで診ていた患者さんが引っ越しなどで他院に移った時に、「ああ、あの先生の治療を受けていたなら安心ですね」と言っていただけたら、本当にうれしいものです。

高い専門性と気軽に通える雰囲気で育む「予防意識」

今年に入って、ユニットごとのモニターや歯科用CTを導入されたそうですね。

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われわれが「何かおかしい」と異変に気づくことができるのは、日頃から正常な状態を見て知っているからです。何か異常があった際に、これが普段と違う、普通ではないと気づくことがまず大切です。当院では以前から口腔内の様子を写真で見てもらうなどして、できるだけわかりやすい説明を心がけてきました。今回、CTの導入に踏み切ったのは、今までわからなかったことを知るためというよりも、恐らくこういうことなのだろうなという見立てをよりしっかり確認するためです。さらにCTでは従来のエックス線ではわかりづらかった血管や神経の位置なども確認することができるので、これを患者さんと共有することで、今まで以上に自分のお口の状態を知っていただくきっかけになります。普段、自分では見ることのできないお口の中の状態を正しく知っていただくことが、治療への一歩だと思っていただけたらうれしいですね。

こちらには技工室もあると伺いました。

今は技工までやる先生は減ってきているようですが、私は学生時代から技工が好きで、今でも行います。自分で技工ができるメリットは、例えば型を採るにしても、きちんとした作業をするためにはどのような型を採らなければいけないかがよくわかることですね。また、採った型やできあがった模型を20倍の歯科用マイクロスコープで確認し、次の段階にうまく進めるようにしています。良い義歯を作るのは難しいといわれますが、残った歯に少し手を加えバランスを調整するだけで良いものができる場合もあるんですよ。インプラントを口腔内に利用する場合も口の中全体の長い先のことを考えて活用しないと、穴埋め的な治療になってしまいます。また、義歯というのは良いものを作ればそれですべて解決するというわけではなく、患者さん自身のお口の状態を良いものに近づけていくという作業も必要です。今後も患者さんに喜んでいただけるような診療をしていきたいですね。

印象に残っている患者とのエピソードを教えてください。

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大田区の歯科医師会で毎年秋に「8020表彰式」というのを行うのですが、5~6年前に当院から推薦させていただいた患者さんがとても喜ばれて、その後もご家族とともに一生懸命口腔ケアに取り組まれていました。1度表彰されると、次の推薦まで5年以上間を開けなければいけないのですが、当時80歳代後半だったその患者さんは、90代半ばになった今も当時と歯の本数が変わっておらず、とても元気にしていらっしゃいます。また表彰されるのを楽しみにしているとのことだったので、今年も推薦させていただくことにしました。適切なケアを続けていけば、こんなふうにいくつになってもお口の健康を維持できるという素晴らしいお手本ですよね。長いお付き合いの患者さんの中には治療が終わっても、この方のように定期的に通ってくださる方が多く、予防意識の高い患者さんが増えてきています。

全身の健康に関わるからこそ、気軽に早期受診を

学生時代からスポーツを楽しまれてきたそうですね。

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体を動かすのが好きなので普段はテニス、冬はスキーなどを楽しんでいます。最近、大学時代にやっていたラグビーのOBチームで久々に親善試合をやったら、これがまた楽しくて(笑)。さすがに現役と同じルールではきついので、7人制のラグビーにエントリーして、ケガしないように気をつけながら楽しんでいます。

今後の展望をお聞かせください。

いつまでも変わることなく、町の歯医者としてやるべきことをやり続けていくことが一番の目標です。また、高齢の患者さんはお口の中だけでなく、体のあちこちに不調が出てくることが多いので、お口の中だけでなく、全身の様子も見ながら、いつまでも健康でいられるようお手伝いしていきたいと思っています。意外に知られていませんが、口内炎も歯科で診療できるので、長引く口内炎や気になる場合は早めに受診していただきたいですね。うちでも、これはおかしいなと思って詳しく検査してもらったら口腔がんだったというケースが何度かありました。小さな異変に早く気づけるよう、日頃から自分のお口の状態を知っていただくことと、気になることがあったらすぐに来ていただける関係づくりをこれからも大切にしていきたいと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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今は情報があふれていて、インターネットで調べてとても詳しい患者さんも大勢いらっしゃいます。ただ、ネットの情報というのは偏りがあったり、中には明らかに間違っているようなことをもっともらしく書いてあったり、本当にピンキリです。間違った情報をいつまでも持ち続けていると、取り返しがつかなくなってしまうこともあります。正しい情報を選ぶのは実はとても難しいことなので、自己判断せず、気になることは歯科医師に相談していただくのが一番だと思います。多くの歯科医師の中には、必ず相性の合う歯科医師がいるはずです。まずは通いやすい近場で、何でも話せるかかりつけ医を見つけられるよう、些細なことでも気軽に相談してみてほしいですね。

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