丁寧な問診と精密な検査で
めまいの原因を適切に診断
蒲田西口耳鼻咽喉科・めまいクリニック
(大田区/蒲田駅)
最終更新日:2023/02/22


- 保険診療
天井がぐるぐる回っている。体がふわふわ揺れる。歩くとふらつく。こうしためまいは日常の中で体験することの多い症状だ。その原因にはさまざまなことが考えられるが、診断はなかなか難しいという。「いくつかの科を受診しても原因がわからない」「精神的なものではないかと言われた」と悩む人も多い。「蒲田西口耳鼻咽喉科・めまいクリニック」の菅澤恵子院長は「めまいは耳鼻咽喉科が専門とする診療の一つです」と話す。大学病院のめまいの外来や神経耳科の外来で経験を積み、さまざまなめまいを訴える患者を診てきた。めまいにはどのような種類があり、どういった検査や治療が行われるのか。精密な検査機器をそろえ、めまい診療に力を注ぐ院長に、めまいについて話を聞いた。
(取材日2020年9月10日/更新日2023年2月16日)
目次
丁寧な問診と、精密な検査で適切に診断。めまいの原因を明らかにして、不安の解消をめざす
- Qめまいの種類について教えてください。
-
A
▲めまいの原因はさまざまな種類がある
大きく言うと、めまいには耳に問題のある場合と、耳以外の脳などに原因のある場合に分かれます。天井がぐるぐる回るような回転性のめまいのほとんどは、耳に原因のある「良性発作性頭位めまい症」です。人間の平衡感覚をつかさどっている内耳の前庭という部分にある耳石がはがれ、何らかの事情で三半規管の中に入ってめまいが起こると考えられています。一方、手が麻痺している、歩きにくい、ひどい頭痛があるなどの症状を伴うめまいは、脳梗塞や脳出血など、脳に原因があることが疑われます。そのほか難聴や耳鳴りを伴うメニエール病や、うつ病や神経症など心因性の疾患でもめまいが起きることがあります。
- Qめまいを感じたとき、どのように対処すればいいでしょうか。
-
A
▲めまいを感じたら耳鼻咽喉科への受診を
回転性の強いめまいがあったときは、吐き気や頭痛を伴うことが多いので、内科を受診される方が多いのですが、まず耳鼻咽喉科を受診なさることをお勧めします。めまいは耳鼻咽喉科が専門とする分野の一つです。手がしびれる、歩くことが困難、ひどい頭痛があるなど脳疾患が疑われる場合は、脳神経内科を受診なさるのもいいでしょう。どちらにしても、原因がはっきりして、診断がつくことで不安を軽減できることもあると思います。天井がぐるぐる回るようなめまいだと、「何の病気なんだろう」と不安な気持ちになる方も多いです。それを解消するためにも、耳鼻咽喉科を受診なさってみてください。
- Qこちらでのめまいの診断はどのように行われますか?
-
A
▲めまいに関する検査機器も充実
まず問診を丁寧に行います。いつ、どこで、どのような状態の時、どの程度のめまいが起きたのか。普段の生活習慣なども詳しく伺い、耳に原因があるのか、それとも耳以外に問題があるのかを判断していきます。また、耳の機能に異常がないかを診るために、眼振検査、聴力検査、平衡機能検査、耳石器機能測定などを一通り行い、データを集めた上で診断を確定させます。一番多いのは先ほどもお話しした良性発作性頭位めまい症ですが、心因性のめまいや、「PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)」、「前庭性片頭痛」などのケースもあります。それぞれに診断基準があり、まずは診断をつけることが大事です。
- Q治療法を教えてください。
-
A
▲状況に沿った適切な治療が必要
一番多い良性発作性頭位めまい症では耳石置換法を行います。半規管のどの部位が原因になっているかを確認し、半規管に入った耳石を元の耳石器に戻す方法です。薬で耳石は消せませんが、めまい感が強い場合は症状を軽減するための抗めまい薬や、吐き気を抑えるための薬を出すこともあります。メニエール病の場合は内服薬が中心ですが、なかなか良くならない場合は他の治療法を検討します。PPPDでは抗うつ剤のほかに前庭リハビリテーション、脳出血など脳に問題のある場合は脳神経内科や脳外科での治療、心因性の場合は精神科での治療が必要になることもあります。同じ病気でも状況により治療は異なりますので、治療のカスタマイズが必要です。
- Qこちらのクリニックの診療の特徴について教えてください。
-
A
▲めまいに関する経験豊富な菅澤院長が診療にあたる
私はめまいを専門分野としています。大学病院のめまいの外来や脳神経系の外来で多くの患者さんを診てきました。今もそれぞれ週1回の外来を担当して、常に新しい知識を得るよう心がけています。また検査機器についても、できる限り精密で新しいものをそろえるようにしています。ですから、患者さんが「いくつかの科で診てもらったが、何の病気かわからない」といらしたときも、たいていの場合診断がつけられることが強みでしょうか。数は少ないですが、耳以外に原因のある場合は、それぞれの専門に紹介しています。まず最初の診断をつけるという意味でも、お役に立てるのではないかと思っています。