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菅澤 恵子 院長の独自取材記事

蒲田西口耳鼻咽喉科・めまいクリニック

(大田区/蒲田駅)

最終更新日:2020/10/13

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蒲田駅西口から徒歩2分。2003年に開業した「蒲田西口クリニック」は、2020年9月に「蒲田西口耳鼻咽喉科・めまいクリニック」と改称した。名前のとおり菅澤恵子院長の専門性を生かし、めまい診療をより充実させていくことを打ち出した。めまいは耳に原因がある場合と、耳以外の脳などに原因がある場合に大きく分かれているそうだが、菅澤院長は耳についても、脳神経系についても豊富な診療経験を持つ。そのキャリアを生かし、性能の良い機器をそろえて、めまい診療に取り組んでいきたいと菅澤院長は話す。めまいのメカニズムや新しい知見、機器の進歩と話はさまざまに広がった。
(取材日2020年9月10日)

回転性のめまいなら、まず耳鼻咽喉科へ

クリニック名を変更し、「めまい」を掲げたのはなぜですか。

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めまいは耳鼻咽喉科が専門とする診療分野の一つです。私は大学病院に勤務していた頃から、めまいや耳鳴り、難聴などを専門に診る「平衡神経科」を担当していたこともあり、以前からめまいの診療に力を入れてきました。今回クリニック名を変更したのは耳石器の機能を測る「耳石器機能測定装置」を導入したのがきっかけです。耳石器は平衡機能を司る内耳の器官ですが、これまでその機能を測ることは難しかったのです。耳石器機能測定装置を導入したことでクリニックでも測定ができるようになり、めまい専門を打ち出してもいいかなと思いました。もちろん一般の耳鼻咽喉科についてもできる限り機器をそろえ、新しい知識を取り入れて診療を続けますが、今までよりもさらにめまいの診療を充実させていきたいと考えています。

めまいを耳鼻咽喉科で診てもらえると知らない方も多いのでは?

そうですね。めまいの原因は耳にあることが多いのですが、吐き気や頭痛を伴うことも多いので、すぐに耳鼻咽喉科を受診せず、内科や脳神経外科を受診される方が多いようです。でも耳の中に原因がある場合は他の科では診断がつかず、「いくつかの科を受診したけれど、原因がわからない」「精神的なものではないかと言われた」と最後に耳鼻咽喉科を受診する患者さんも少なくありません。もちろん脳神経に何らかの問題があって起きるめまいもあります。手足がしびれる、歩けない、激しい頭痛などの症状があるときは、脳神経科を受診なさるのがいいでしょう。天井がぐるぐる回っているように感じる回転系の強いめまいの場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診なさることをお勧めします。

めまいの診療について教えてください。

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まず問診を丁寧に行います。患者さんの症状をお聞きすることで耳に問題があるのか、それ以外の原因から来ているのか、だいたい判断がつきますが、その後眼振検査、聴力検査、耳石器機能測定などをしっかり行って診断を確定させます。起き上がったときにぐるぐるとめまいがするような場合には「良性発作性頭位めまい症」を疑います。めまい症状で訪れる方に一番多いのがこのケースです。原因は先ほどお話しした内耳にある耳石器から何らかの原因で耳石が落ちて三半規管に入り込み、感覚細胞・感覚神経を刺激して起こると考えられています。難聴や耳鳴りを伴うめまいは「メニエール病」の場合もあります。病名は有名ですが、症例としてはそれほど多くありません。平衡機能や身体機能に異常はないのにフラフラするようなめまい感があるという、精神的なものから起こる心因性のめまいもありますね。

治療はどのように行われますか。

天井がぐるぐる回るような激しい回転性のめまいだと、「どこが悪いんだろう」と不安に思われる方が多いのですが、耳が原因の場合は数時間から1週間程度で自然に治まることがほとんどです。一般的な急性のめまいには症状に応じて点滴や内服薬を処方しますが、薬は不安を緩和したり、内耳の血流を増やしたり、嘔気・嘔吐を抑えることで症状を改善する対症療法が中心になります。耳性めまいでも原因疾患によってはそれぞれ特有の治療法があり、また脳神経系のめまいや、心因性のめまいの場合は他科による専門的な治療が必要になります。

耳由来、脳神経由来のどちらのめまいも診療が可能

どういった患者さんが多く通われていますか?

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近隣にお住まいの方、お勤めの方が多いですね。めまいでお悩みの方も多くおいでになっています。一般的な耳鼻咽喉科の疾患はもちろんですが、耳鼻咽喉科は「風邪を診る科」ともいわれるほど風邪の患者さんもたくさんいらっしゃいます。風邪は大人なら内科、子どもなら小児科という選択もありますが、耳鼻咽喉科の強みは喉や鼻の器官を診慣れていることでしょう。どういった状態なのか、どの程度の症状なのか、細かいところまで診断できます。つらい鼻詰まりには吸引も行えますから、好んで耳鼻咽喉科に来られる患者さんもいらっしゃいますね。

先生が医師をめざされたのはどのようなきっかけからでしたか?

幼い頃小児喘息で、年中病院に通っていた時の経験が、根底にあるかもしれません。今ではよい薬もできて治療も進歩してきましたが、当時は吸入器を持ち歩いたり、夜中に病院に駆け込んだりということがたびたびありました。ある時、救急外来で医師からマニュアル的な冷たい対応を受けたことがあり、子ども心にショックを受けました。今なら緊急性が低いと判断されたんだなと理解できますが、病気で心細い身には医師だけが頼りですからこたえました。苦しい時にはほんの一声かけてもらうだけで安心するものですよね。そんなことから、自分は患者さんの不安な気持ちを解消する医師になりたいという気持ちが芽生えました。医師となった今、100%それが実現できているとはとても言えませんが、折にふれ、あの頃の体験を思い出して初心を忘れないようにしています。

めまいを専門になさったのはなぜですか?

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大学を卒業後大学病院に勤務していたのですが、結婚して子どもが2人生まれ、手術を担当することが難しくなってきました。そこで耳鼻咽喉科の中でも手術をする機会の少ない、めまいという分野を専門にしたいと考えたのがきっかけです。当時勤務していた東大病院耳鼻咽喉科にはめまいの外来があり、さらに非常勤医として都立神経病院神経耳科の外来に勤務しました。ここでめまいの原因が脳神経にある患者さんを診る機会を得て、耳由来、脳神経由来、両方のめまいの診療の経験を積むことができました。今診察をしていて、自信をもって診療ができるのはこの時の経験があるからだと思っています。

患者の話をよく聞くことが正しい診断につながる

診療でどういったことを心がけていらっしゃいますか?

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患者さんのお話をよく聞くこと、そして治療内容について丁寧に説明することを大切にしています。めまいの診断では、症状や発作が起きた状況や普段の生活習慣などを問診によって引き出すことが、正確な診断を下すためにとても大切です。薬を処方するときも、なぜ抗生剤を処方するのか、この薬はどのような症状に対して使うのか、といったことをわかりやすく説明するよう心がけています。またマイクロスコープやファイバースコープを用いる検査を行ったときには、できるだけ患部の検査画像をお見せしながら、説明を行うようにしています。患者さんが目で見て自分がどのような状態なのか確認することは、病気への不安を取り除くことにもつながると思っています。

ご主人も耳鼻咽喉科の医師だと伺いました。

主人は医局の先輩で、今は大学病院で「頭頸部腫瘍外科」の分野で活躍しています。私は耳鼻咽喉科の中でも外科的処置を必要としないめまいを専門とし、開業しましたが、夫は外科が向いているようです。夫婦で同じ職業だと疲れないかと聞かれることもありますが、私自身は仕事と私生活は切り離せないものだと思っているので、同業である夫は頼りになる存在です。医師の先輩として教わることは多く、未だに研修医時代の先輩後輩の関係が続いているような感じですね(笑)。

最後にこれからの展望をお聞かせください。

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耳鼻咽喉科一般の診療ももちろん続けますが、これまでの経験を生かして、めまいの診療をより充実させていきたいと思っています。耳に原因のあるめまい、脳神経に原因のあるめまいのどちらも多く診療してきました。こういったキャリアの医師は少ないと思いますので、貴重な経験を生かし、社会に還元していきたいという気持ちがあります。はっきりした診断がつくだけでも不安な気持ちは軽くなると思います。めまいに悩んでいる方はぜひご相談ください。

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