溶けてしまった歯を支える骨の再生をめざす
歯周組織再生療法
なるかわ歯科医院
(大田区/蓮沼駅)
最終更新日:2023/08/23


- 保険診療
- 自由診療
歯周病が進行して歯の土台となっている骨が溶けてしまった時、その原因を取り除いて欠けた骨の部分を埋めていく方法が、歯周組織再生療法だ。この治療を行うことで、抜かなければいけないようなぐらついた歯の土台に骨を作って抜かなくて済むようにしていくことも期待されているのだそう。「なるかわ歯科医院」ではスタッフが一丸となり、再生療法をはじめ幅広いアプローチで歯周病の予防や治療に取り組んでいる。「自己判断をせず、自分の状態を正しく理解した上で治療の方法を選択してもらいたい」と成川史子院長。病気の治癒をめざし、再発を防ぐためのメンテナンスに力を入れる院長に、歯周組織再生療法について教えてもらった。
(取材日2021年5月18日)
目次
溶けてしまった歯槽骨の再生を促し、自分自身の歯を長持ちさせていこう
- Q歯周組織再生療法は、どのような場合に適した治療ですか?
-
A
▲患者に合った治療法を提案していくという
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が溶けて歯がグラグラしてきます。一般的なメンテナンスだけでは症状のコントロールが難しいので、手立ての一つとして、再生療法を検討することがあります。最近は、ご自身で調べた情報をもとに「再生療法を受けたい」という問い合わせをいただくことが増えています。ただ、誰でも行えるわけではなく、この治療法には適応症があり、お口全体の環境のコントロールも含め、周囲の骨の状態により、治療の可否、効果、タイミングをよく検討しなければいけません。長く炎症のある状態を放置したためにさらに悪化している場合など再生療法が不可能なケースもあり、その際は別の手立てを考える必要があります。
- Q再生療法以外には、どのような方法があるのですか?
-
A
▲型採りの負担が少なくなるよう、口腔内スキャナーを導入している
再生療法の代わりに、歯肉を増やす目的の結合組織移植や歯周ポケットを切除するという選択肢があります。切除する方法だとポケットは浅くなりますが、歯茎の一部を切除するので歯が長く見えるようになります。また、再生療法も切除も不可能なほど悪化している場合は、抜歯の判断をする場合もあります。抜いた後、インプラント治療や義歯など方法はありますので、状況に合わせて提案させていただきます。もし外科的な手術・抜歯のいずれも選択不可能な場合は、メンテナンスの周期を短くするという方法もあります。歯石を除去したりホームケアを徹底して歯周病の進行を遅らせることをめざすのです。治療の選択肢はケースバイケースで選んでいます。
- Q治療はどのような流れで行うのですか?
-
A
▲歯科衛生士のメンテナンス風景
まずは、外科処置に先立ち、お口の中の環境を整えていくために歯科衛生士が徹底的にクリーニング・ご指導させていただきます。とても重要な過程です。そして、局所の麻酔下で、歯ぐきの切開、歯の根の周りの徹底清掃、骨の再生を促すお薬を入れ、縫合します。薬の主成分は、歯が生える時に重要な働きをするタンパク質の一種です。このようにして歯槽骨の再生を促していきます。患者さんの年齢や健康状態などにもよりますが、多くの場合は1〜2年で硬い骨になることが望めます。その間、負担過重を防ぐよう固定して守る処置も行います。
- Q術中・術後の体の負担について教えてください。
-
A
▲マイクロスコープを使用し、より精密な治療に努める
術中は局所麻酔なので意識はありますが、基本的に痛みはほぼ感じないため、ご心配な方も安心していただければと思います。具体的な検査や治療についても、歯科用CTで骨の欠損の形態を細かく確認したり、マイクロスコープで視野を拡大して、より低侵襲な治療となるように努めています。
- Q治療後のメンテナンスについて教えてください。
-
A
▲エアフローなども使い、丁寧なメンテナンスを行う
治療後は、当日から食事していただくことが可能です。抜糸は10日〜2週間後です。術後の患部の管理はとても重要なので、1週間、2週間、1ヵ月と指定した短いサイクルで来院していただき、担当歯科衛生士による厳密なコントロールをルーティンにさせていただいています。数ヵ月から1年程度は継続していただきます。患者さんの日々のホームケアで取りきれなかった歯垢や、歯と歯肉の境目、歯周ポケットの奥まできれいにしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法/5万5000円