まぶたが下がって見えづらい
眼瞼下垂症は日帰り手術で
緒方眼科クリニック
(大田区/蒲田駅)
最終更新日:2025/05/02


- 保険診療
「眼瞼(がんけん)」はまぶた、「下垂(かすい)」は垂れ下がるという意味で、眼瞼下垂症とは名前のとおり、まぶたが下がって目が開けづらくなる病態のこと。まぶたが下がって視界が狭くなるだけでなく、物を見る時に目を大きく見張るようになることで眼精疲労や頭痛、肩凝りなど、さまざまな不調につながることも多いという。蒲田駅西口から徒歩4分の場所にある「緒方眼科クリニック」では、一般的な診療だけでなく白内障手術や眼瞼下垂手術、逆さまつ毛の手術などにも対応。特に、副院長の緒方有香先生は眼瞼下垂の手術に力を入れている。「目の手術となると不安を感じる方もいるかもしれませんが、実際には日帰りで実施できる負担の少ない手術です」と話す緒方副院長に、眼瞼下垂手術の流れについて解説してもらった。
(取材日2025年4月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眼瞼下垂とはどのような病気なのでしょうか?
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A
まぶたが下がってきて見えにくくなる病態をいいます。額の筋肉を使ってまぶたを持ち上げようとするため、その影響で眼精疲労や頭痛が起こることもあります。額に横じわができたり、まぶたが上がらないため顎を上げて物を見ている方もいらっしゃいますね。先天的な場合もありますが、主な原因は加齢によるものです。特に一重まぶたの方や、ハードコンタクトレンズを長年使っていた方はなりやすい傾向にあります。まぶたが重い、見えづらいという症状から受診される患者さんが多いのですが、ゆっくりと進行するため自覚症状がない方も。治療は基本的に手術で、視野障害や視力低下など日常生活に支障がある場合に保険適用で行います。
- Q眼瞼下垂手術はどこで受けるべきなのでしょうか。
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A
眼瞼下垂の手術は形成外科でも行えますが、まぶたを上げるだけでなく目の機能にも影響するため、まずは眼科で診断を受けていただくのが良いと思います。例えば、高齢の方でドライアイが強い場合、まぶたを上げすぎると乾燥によって目が開けづらくなることもあります。眼科では、そうしたリスクを踏まえて手術の適応を慎重に見極めています。単に見た目を整えるよう図るのではなく、まぶたの開き具合や目の使いやすさといった視機能を重視し、その方の目の状態に合わせて手術を行っています。眼科では見た目が軽視されるのではと心配されるかもしれませんが、当院では美容面にも十分に意識を払い、自然で美しい仕上がりをめざしています。
- Q手術に痛みはあるのでしょうか?
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A
眼瞼下垂の手術では、局所麻酔を使用します。麻酔は注射針で皮下に注入するため、その際に痛みが生じますが、手術中の痛みはほぼないでしょう。麻酔を注射する際の痛みを和らげるために、当院ではペン型振動器を使用しています。この振動器は、頬に押し当てることで細かい振動を起こし、注射針の刺入時の痛みを軽減が望めます。また、麻酔針も30ゲージの非常に細いものを使用し、痛みの軽減に努めています。どうしても不安な場合は、痛みを感じにくいように術前に鎮静剤を使用することもあります。術後はまぶたが腫れますが、1~2週間ほどで落ち着きます。手術の傷痕は二重のしわに隠れるため、ほとんど目立ちません。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と診察を受ける
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問診では、まぶたが重い、まぶたが下がって見えづらいなどの症状を確認。眼瞼下垂の症状から、見えにくさが発生し生活に支障を来していると判断されれば、保険適用での手術を提案される。
- 2眼瞼下垂の検査を受ける
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瞳孔からまぶたまでの距離を測定して眼瞼下垂の程度を評価。4.5~3.5mm程度が一般的で、3.5mmより短いと眼瞼下垂と診断される。また、視力や角膜など目の状態もチェックし、眼瞼下垂以外に視力・視野の妨げになっているものはないか確認する。同院では、一晩寝ても目の疲れが取れない、頭痛や肩凝りなどの症状があるといった場合には積極的に手術を勧めている。
- 3眼瞼下垂手術を受ける
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手術にかかる時間は1時間程度。同院では術中に目の開きやまぶたの形を患者に確認し、了承を得て手術を終わらせるようにしている。日帰り手術が可能で、術後は少し休むだけで帰宅できる。手術当日は安静にして、翌日から洗顔・入浴・洗髪も可能。2週間程度は運動を控え、その他は普段どおりに生活できる。目の腫れは1~2週間ほど続く。
- 4手術の1週間後に抜糸のため受診
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1週間後に再受診して抜糸。この時点ではまだ目が腫れていることが多く、左右差が目立つことも。腫れが落ち着けばバランスも整っていくが、気になる場合は医師と相談し、経過を観察。状況によっては縫い直しなどの処置を行うこともある。
- 5経過観察のため1ヵ月後、3ヵ月に再受診
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1ヵ月後と3ヵ月後に受診して、目の腫れなど回復具合の確認を受ける。3ヵ月後の受診で問題がなければ治療終了。その後は気になることがあれば、その都度来院して相談する。