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渋井 幸裕 院長の独自取材記事

キネマアートクリニック

(大田区/蒲田駅)

最終更新日:2023/12/15

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック main

蒲田駅から徒歩5分、活気あふれるにぎやかな場所にある「キネマアートクリニック」。2008年、当時はまだ少なかったという不妊治療を専門とする同院を継承したのが渋井幸裕院長だ。渋井院長は、家族を診療するように誠実な診療を心がけている。不妊治療には患者の精神的負担も少なくないため、同院では専門知識のあるスタッフが在籍し、患者の精神面もサポートしている。「初婚の平均年齢が上がり、不妊治療を必要とする方が増えてきました。2022年の保険適用の流れを受け、患者層は若い世代にも広がっています。患者さん一人ひとりにとって適切な治療を提供したいです」と話す渋井院長。今回は、診療の際に大切にしていることや今後の展望について話を聞いた。

(取材日2023年10月2日)

スタッフ全員で力を合わせたチーム医療

初めに、クリニック名の由来を教えていただけますか。

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック1

私たちがクリニックを構える蒲田では、かつて映画スタジオがあったことで有名ですよね。大正から戦前にかけて現代劇映画の撮影スタジオとして稼働していた場所で、数々の大衆映画がここ蒲田から誕生したのです。それにちなんで「キネマ」という言葉を入れました。「アート」は、芸術のほうのアートだとよく思われるのですが、生殖補助医療「Assisted Reproductive Technology」の頭文字から取ったものです。生殖補助医療というのは、「妊娠を成立させるためにヒト卵子と精子、あるいは胚を取り扱うことを含むすべての治療あるいは方法」を意味します。当院は不妊治療専門のクリニックなので、場所からイメージされるものと、実際の治療に関する言葉を合わせて「キネマアートクリニック」としました。

患者さんの傾向をお伺いします。

不妊治療専門のクリニックなので「不妊治療を始めたい」という方がほとんどです。主に20代〜40代の方がいらっしゃいます。私が院長を継承した2008年当時は、不妊治療を専門とするクリニックの数は限定的でした。しかし、晩婚化が進み治療を必要とする方が年々増えて、2022年に人工授精や体外受精が保険適用となりました。この流れを受けて、最近は患者層が若い世代にも広がっている印象です。これまで、不妊治療は比較的収入が高い方を対象とするものでしたが、保険適用によって対象者が拡大し、受診のハードルは幾分下がりました。ただし、保険対象の治療内容には制限があるので、対象外の治療が必要な場合は、依然として費用面の課題は残っているのが現状です。当クリニックは男性不妊の相談も受けつけているので、不安に感じることがあればお声がけください。

クリニックの特徴を教えてください。

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック2

クリニック名に自分の名前を入れなかったのは、私一人でできることは限られていますし、スタッフ全員で力を合わせたチーム医療で患者さんのお役に立ちたいと考えたからです。当院には受付、看護師のほかに、不妊や心理学について専門の知識を持ったスタッフが常勤しています。私が対応可能な診療時間は有限なので、どうしても患者さんへの説明が不足する場合もあります。患者さんが不安を取り除き、前向きな気持ちで治療に臨めるような配慮として、当院では専門スタッフが診療の中で足りない部分や、治療の細かい説明などを行ってくれるので、私にとってとても大きな存在です。また漠然とした不安を抱えていたり、治療が長期にわたってつらい気持ちになる患者さんも少なくありませんので、そうした気持ちをサポートするために、心理学に精通する専門スタッフも在籍しています。私自身も心理カウンセリングの学びを深め、診療に生かしています。

モットーは、家族を診るような真心を込めた診療

チーム医療について教えてください。

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック3

当院には、私のほかに受付5人、看護師7人、胚培養の専門スタッフ6人と心理専門のスタッフ、不妊専門のスタッフが1人ずつ在籍しています。ジグソーパズルを例に、当院のチーム医療についてご説明します。ジグソーパズルの各ピースは形が整っておらず、でこぼこの形状のものがたくさん集まっています。当院の各業務は、スタッフが役割に責任を持って対応しながらも、時には行き届かない場合もあります。その際はスタッフがお互いにコミュニケーションを取りながら、できる人が手を差し伸べて補完し合う体制が整備されています。スタッフ全員がチーム一丸となり、1つのジグソーパズルを完成させるようなイメージで、診療を進行します。小さなピースが1つでも欠けてしまうと、そのジグソーパズルは完成しません。すべてのスタッフがそろって初めて治療が成立する当院の体制こそ、私が誇れることの一つ。スタッフには、日々感謝の想いでいっぱいです。

スタッフと協力して診療を行う中で心がけていることはありますか。

通常の場合はトップダウン型ではなく、ボトムアップ型で治療を進めるのが良いと思っています。患者さんの急変や救急の処置を要する場合はトップダウン型で対応するのが適切ですが、当院のジグソーパズル様式の体制においては各ピースを1つずつ組み上げていき、最後は私がさまざまな角度から判断を行った上で、残り1つのピースをはめ込むというやり方が望ましいのではないでしょうか。またここでは、上と下という概念を有する表現を使用しましたが、あくまでもスタッフと私の関係はフラット。この関係性を大切にして、スタッフ一同日々の業務に精進しております。

患者さんと接する際大切にしていることは?

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック4

「家族を診るように誠実な診療をする」というのは常に心がけていることです。患者さんは家族だと思い、家族や身内に対して治療するような気持ちで接しています。患者さんお一人お一人はまったく違う方です。良い意味でこだわりを捨て、目の前の患者さんにとって良い方法は何かを考え、適切と思われる選択肢を提案しています。「当院はこの方針に沿って診療を行います」とうたうことがポリシーだとすれば、ポリシーがないのが当院のポリシー。患者さんにとってやらなければいけないことを実行する。これに尽きます。たとえ妊娠率の高さが期待できる治療法だとしても、その方が妊娠しなければ意味がありません。患者さん一人ひとりと向き合った、オーダーメイド的なきめ細かな医療を提供できるように心がけています。

妊活に向けて不安を感じた時が相談のタイミング

休日の過ごし方についても伺います。

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック5

体を動かすことが大好きなので、今はゴルフやダイビングが趣味です。ダイビングには忙しくてなかなか時間が取れないのですが……。ゴルフで、とあるプロの方に「ここ一番、というときにミスをするのですがどうしたらいいですか?」と聞いたところ「すべてのショットがここ一番だ」と返ってきました。それは不妊治療でも同じだなと感じています。普段の診療と比べて、例えば体外受精は処置としては大きくなりますが、行為全部が「ここ一番」なんですよね。すべてが大切で、何かが特別に大切なわけではありません。このように趣味から仕事の学びを得ることもあるのです。

読者へのメッセージをお願いします。

妊活に向けて不安を感じることがあれば、その時がその方にとっての「医師に相談するタイミング」だと考えてください。人それぞれ環境やご事情が異なりますので、年齢や不妊期間は判断の要素としなくて結構です。不安を感じたときは、躊躇せずに早めにご相談されることをお勧めします。当院は、2人目以降の不妊治療のご相談も可能です。1人目不妊の方への配慮を行い、待合室とは別にキッズルームを設けているので、そちらでお子さんとお待ちいただけます。どんなに些細な不安でも結構ですので、心細い気持ちになったときには気軽に当院にお声がけください。

最後に今後の展望についてお聞かせください。

渋井幸裕院長 キネマアートクリニック6

以前は患者さん向けの妊活セミナーや栄養指導セミナーを行っていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響でいったん中断。最近、それを再開しました。先日は、こちらのビルの会場に管理栄養士をお招きして、栄養指導セミナーを開催。30人弱の患者さんが参加してくれました。今後は、妊活ストレスや医療的な内容のセミナーを年間4回ほどのペースで継続したいですね。またサポート範囲を不妊治療に限定せずに、若年層が抱える「将来の妊娠に対する不安」から、妊活を卒業したマチュア世代の多くが悩む「婦人科系疾患」に至るまでの「トータルライフサポート」を行っていこうと考えています。地域の皆さまが妊活に関わる症状で少しでも不安を感じたときには、最初はご相談だけでも結構ですので、当院にお越しいただければ幸いです。

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