徹底した感染除去と消毒、密閉で
歯を残すことをめざす根管治療
mioka四季の森歯科クリニック
(横浜市港南区/上大岡駅)
最終更新日:2024/04/03


- 自由診療
虫歯が進行し、歯の内部に侵入した菌やそれに侵された歯髄、つまり組織・神経などを取り除いて歯を残すことをめざす根管治療。「感染をしっかり取りきることと、その後きちんと消毒して密閉すること、治療後に口腔環境を清潔に保ち続けることが根管治療の成否を分けます」と話すのは、上大岡駅近くの「mioka四季の森歯科クリニック」で診療する秋元優範院長。治療後の再発も多いと聞く根管治療だが、秋元院長によると、治療の精度を上げて定期的にメンテナンスを行うことで、再治療を避けることもめざせるという。欧米の先進的な歯科医療にも詳しい秋元院長に、根管治療について詳しく解説してもらった。
(取材日2023年11月20日)
目次
先進の医療機器と技術で、治療期間の短縮と再治療の防止をめざす根管治療
- Q根管治療が対象となる疾患や状態を教えてください。
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A
▲生きている歯を大切にし健やかな体をつくるための歯科医療を提供
根管治療は、歯の根(根管)の内部にまで感染が広がった際に行う治療です。歯の中心にある根管は神経や血管が通っている管のことで、途中で枝分かれしたり湾曲したりと複雑な形状をしています。虫歯の進行や外傷などにより根管内部が菌に侵されると炎症が起こりますが、炎症を起こすのは神経や血管を含む組織であり、時に激しい痛みを伴います。まだ神経が残っている歯では特に冷たいものがしみたり、ズキズキと痛んだりします。対して、すでに治療により神経を取り除いた歯で再び感染が起こった場合には、冷たいものがしみることはあまりありませんが、噛む際に痛んだり歯茎が腫れたりします。
- Q具体的にどのような治療をするのでしょうか?
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A
▲歯科用マイクロスコープをはじめ、先進の機器を完備
根管治療は大きく「抜髄」と「感染根管治療」に分けられます。歯髄が生きている歯で痛みを取り除くために歯髄を除去するのが抜髄。すでに歯髄が完全に死んでいるか治療により除去されている歯の根管で、再び感染が根の先にまで広がってしまった際に行うのが感染根管治療です。複雑な形状をした根管内に専用器具を挿入し、感染した組織や歯の根にたまった膿を取り除いていきます。その後、根管内部を薬で消毒し、専用の詰め物を入れて密閉するのが一連の流れです。神経を根元まで除去する抜髄治療が主流ですが、近年では感染の状況によっては、必要な部分のみを慎重に取り除き、それ以外の神経をなるべく残す断髄処置を行うことも増えています。
- Q治療期間や回数、費用はどのくらいかかりますか?
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A
▲根管治療のスペシャリストとして、再発防止に努める
初めての根管治療か再治療か、あるいは感染の進行度などによって変わりますが、基本的には短期間に数回で完了できる治療です。しかし、状態や歯科医師の技量などにより、治療が長引いたり、再治療となったりするケースもあるようです。費用は保険診療であれば健康保険で定められた金額ですが、より精度にこだわった自由診療を選択する場合、クリニックによって異なります。自由診療では、感染除去に使う器具や密閉材料などの選択肢が増えます。治療の目的や流れに大きな違いはありませんが、自由診療を選ぶことで、さらに再治療のリスクに配慮した治療を受けることも期待できます。
- Q治療後のケアについて教えてください。
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A
▲「定期的なメンテナンスが重要です」と話す秋元院長
歯周病があってお口の中に菌が蔓延していては、どんなに精密な根管治療を行っても、再び根管内に菌が入り込みやすくなってしまいます。口腔細菌が血管を経て体内に侵入すると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めてしまうというデータも。治療後は、定期的なクリーニングを受けて、お口の中の菌を減らすことがたいへん重要です。口腔環境によって、クリーニングが必要となる頻度は異なります。歯科医師の指示に従い、定期的に来院して状態の確認とクリーニングを受けていただきたいと思います。また、ご自宅ではしっかりセルフケアを行い、患部に限らずお口の中を清潔に保つことも大切です。
- Qこちらのクリニックでの根管治療の特徴は?
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A
▲根管治療に特化したコントラを導入し、効率的な治療に努めている
除去、消毒、密閉のすべての手順を徹底し、再感染のリスクに配慮した治療を行っています。具体的には、先進の機器を用いることで細部に隠れた菌までしっかり除去することが期待できます。この機器は、毎分5000回超の高速ピストン運動で、感染組織をスピーディーに除去できるのが特徴です。治療中にお口を開けている時間も短縮できるので、患者さんの負担も抑えられるでしょう。さらに、詰め物の制作に必要な型採りでは3Dスキャナーを活用。嘔吐反射が起きやすい方でも型採りしやすく、デジタルデータによる、より精密な補綴物を作ることが可能となっています。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療/3万3000円~