秋元優範院長の独自取材記事

mioka四季の森歯科クリニック

(横浜市港南区／上大岡駅)

最終更新日：2024/04/02

通院にも便利な京急本線・上大岡駅直結の商業施設にある「mioka四季の森歯科クリニック」。虫歯や歯周病の予防・治療から先進的な外科手術まで、地域の医療ニーズに応え続けている。秋元優範院長は米国インディアナ大学歯学部インプラント科教授の肩書きを持ち、南カリフォルニア大学客員研究員も務めるなど、欧米の歯科医療にも詳しい。「天然歯に勝る治療はない、との考えから、当院では予防や極力歯を残す治療を重視しています」と秋元院長。そうした診療方針や、根管治療、歯周病治療、インプラント治療といった秋元院長の専門性を生かした治療について、詳しく聞いた。

（取材日2023年11月20日）

生きた歯を残す治療を通して、体全体の健康にも貢献
世界水準の新鋭設備を導入し、積極的に治療に活用
一口腔単位を考慮しながら、幅広い治療の選択肢を提案

生きた歯を残す治療を通して、体全体の健康にも貢献

予防や極力歯を残す治療を重視しているとか。

当院は「生きている歯を大切にし、健やかな体をつくるための歯科医療」をめざしています。歯科医療は進歩し続けていますが、今のところ天然歯に勝るものは存在しません。そんな優れた天然歯を虫歯や歯周病で失わずに済むよう予防を重視し、治療が必要な場合もなるべく歯を削らず、歯を残せるような治療法をご提案しています。また、歯や口の中の健康は体全体の健康とも密接に関係します。例えば十分に噛んで味わって食事を取ることは栄養の摂取を助け、生活習慣病の一因となる肥満の防止にも役立ってくれます。逆に歯周病になると糖尿病の症状が悪化しやすく、心臓や脳の血管の病気にもなりやすいなど、全身疾患のリスクにもつながるのです。このため当院では歯周病の予防と治療にも力を入れています。

歯を残すために、具体的に取り組んでいることは？

例えば根管治療。進行した虫歯や外傷などにより菌が根管内に侵入した場合に、感染を取り除く治療です。感染組織や膿の除去、内部清掃、密閉の3ステップで行いますが、一つでも不十分だとやがて菌が活動を再開し、再治療が必要となる可能性があります。当院の精密根管治療は自費になりますが、治療中に唾液から菌が侵入しないよう環境を整えた上で、マイクロスコープで患部を目視しながら、複雑な形状を持つ根管内の隅々まで、専用の器具を用いて徹底的に処置します。密閉に用いる素材にもこだわり、できる限り長持ちする治療を行うことで、再治療による抜歯やさらに歯を削ることを避けているのです。

歯周病治療も歯を残す上で大切なのですね。

歯を失う原因として最も多いのが歯周病です。歯周病菌は人から人にうつるといわれ、親御さんからお子さんへといった身近な方からの感染が大半です。進行しない限り痛みや腫れなどの自覚できる症状がないので、気づかず悪化させてしまう方が多くなっています。最近では口臭や歯茎の腫れをきっかけに受診される方も増えています。当院では、歯周ポケットの深さを測り、歯の周囲の汚れや出血、ぐらつきの状態を確認するとともに、エックス線撮影により歯や骨への影響を調べます。歯周病菌の進行と深く関わるとされ、「レッドコンプレックス」とも呼ばれるP.g.菌、T.d.菌、T.f.菌を含めた口中菌の分布を唾液から調べる検査にも自由診療にて対応しています。治療では、歯の表面はもちろん、歯根の汚れや歯石も、スケーリングやルートプレーニングで徹底除去に努めます。進行度によっては抗生物質投与や口腔外科手術、歯周組織の再生療法も行います。

世界水準の新鋭設備を導入し、積極的に治療に活用

インプラント治療にも力を入れていらっしゃいますね。

残念ながら歯を失ってしまった際に、その機能と見た目を補うために行うインプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着するものです。しかし中には、「顎の骨が痩せている」「骨量が少ない」といったインプラント治療に不向きな条件の患者さんもおられます。そうした方がインプラント治療を希望される場合、足りない骨量を増やすための骨造成が一般的な選択肢となりますが、当院では骨をほとんど削らず、骨造成もなるべく使わずに治療を行う方法をご提案しています。これは骨の弾性を応用したもので、骨の表面にごく小さな穴を開け、その穴を少しずつ押し広げてインプラント体を埋め込むやり方です。通常の方法に比べると時間はかかりますが、骨造成手術を行わずにインプラント治療が可能になるケースもあります。

治療の質を支える設備の特色があれば教えてください。

日本に限らず、先進的な欧米の歯科医療も学んできたことから、厳しいといわれる欧米基準の設備も当院では導入しています。例えば使用した治療器具は十分に滅菌した後、個包装にして清潔を保ち、次回使用する際に開封するなど衛生管理を徹底していますが、これに使う滅菌装置は世界でも厳しい欧州規格クラスBに適合したもの。同様に衛生管理の一つとして、各診療ユニットに口腔外バキュームを設置し、治療中の飛沫感染を防ぐようにしています。さらに歯科用マイクロスコープ、レーザー治療器も導入。根管治療では、1分間に5000回超の高速ピストンでスピーディーに歯根内の細菌除去を図る、新鋭コントラアングルハンドピースも活用しています。

詰め物やかぶせ物などの補綴物はコンピューターでデザインできるとか。

口腔内スキャナーで採取したデジタルデータに基づき、設計と製造をコンピューター制御により行う歯科用CAD／CAMシステムを導入しています。セラミックを用いた白い補綴物を作製でき、徐々に保険適用が広がったことで、多くの歯で保険診療の範囲内で白い歯を実現できるようになっています。これまで主流だった銀歯は、唾液と反応してイオン化したものが体内に蓄積されることで、金属アレルギーなどにつながるリスクがあります。セラミックの白い補綴物には金属が入っていないので、健康面でのダメージは少ないといえるでしょう。何より、見た目が自然で美しいので、多くの方にご提案しています。さらに強度を求められる方には、自由診療にてジルコニア素材を用いた治療も可能です。

一口腔単位を考慮しながら、幅広い治療の選択肢を提案

どのような方が受診されていますか？

駅前の商業施設内にある便利さも手伝ってか、お買い物の都合と合わせて受診されるなど、お子さんから高齢の方まで幅広い年代の患者さんが来院されます。親子での受診も多く、また定期検診を受ける方も次第に増えており、地域の皆さんのお口への健康意識は着実に高まっていると感じます。歯周病も初期の虫歯も自覚症状はほとんどありませんから、ご自宅での適切なブラッシングに加え、定期検診を受けていただくのが一番です。とはいえ仕事と子育てを両立しているような忙しい方は、ご自分のケアが後回しになりがち。しかしご自身が虫歯になると、お子さんに虫歯菌が感染する可能性もあるので、少しの空き時間を使うなどうまく工夫していただければと思います。

治療の際に心がけていることは？

「一口腔単位」での治療を重視しています。「この痛みが取れれば」と思って受診される方は多いと思いますが、悪い部分だけを処置する対症療法を行っても、痛みが再発するケースはよくあります。これは噛み合わせの悪さから歯磨きがうまくいかず、虫歯が何度もできるなど、口の中の健康にはさまざまな要素が絡んでいるからです。本来の歯科医療は、噛み合わせを含めた「一口腔単位」で総合的な治療が行われるべきだと考えるのです。ただ、このような治療は費用も期間もかかるため、決断を迷われる方がほとんど。そこで当院では治療の優先順位をつけ、治療法や使用する材料のさまざまな選択肢をご提示し、ご本人に選んでいただいた上でご希望に沿って治療計画を立てています。

読者にメッセージをお願いします。

歯科医院には行きたくない、治療は避けたいと思われる方は多いでしょう。私自身も歯科治療を受けるのが苦手なので、そうしたお気持ちはとてもよくわかります。ですから当院では「ここに来て良かった」と思われるよう、誰もがリラックスできる雰囲気をつくり、感染症対策もしっかり行い、安心して受診していただける環境を整えています。また「患者さんファースト」を基本に、治療計画も患者さんのご希望を生かして作成し、ご本人が理解・納得されないまま治療を行わないよう心がけています。根管治療も歯周病治療も、病気が進むほど高度な技術と費用・時間が必要になり、ご本人の歯を残すのも難しくなります。一番良いのは治療せずに済むこと、あるいは軽い段階で治療できること。当院では定期検診で予防と早期発見・治療に努めていますので、気軽に受診してください。