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善利 元臣 理事長の独自取材記事

善利クリニック

(横浜市港南区/上永谷駅)

最終更新日:2023/07/14

善利元臣理事長 善利クリニック  main

ブルーラインの上永谷駅から徒歩6分、緑豊かな住宅街の一角に構える「善利クリニック」。院内に足を踏み入れると、高い天井へと延びる縦長窓から自然光が差し込み、ゆったりとした空間が広がる。診療にあたる善利元臣理事長は、専門である消化器外科のほか、内科、小児科、外科と幅広い診療を担当。皮膚科が専門の院長と非常勤医師とともに地域のかかりつけ医として、子どもから高齢者まで幅広い世代の健康を見守り続けている。祖父から3代続く医師の家系だという善利理事長に、患者との向き合い方や、かかりつけ医の重要性、数多く手がけている上部消化管内視鏡検査の現状などについて聞いた。

(取材日2023年6月20日)

患者の思いを推察し、できるだけ希望をかなえる診療を

こちらは介護老人保健施設に併設されたクリニックなのだそうですね。

善利元臣理事長 善利クリニック 1

はい。私が理事長を務めている医療法人社団光風会が運営する介護老人保健施設「オアシス」に併設するかたちで、2003年に開業しました。併設といっても、施設利用者の方だけを診察させていただくわけではなく、地域のかかりつけ医として一般の方を診察するクリニックです。当時このエリアにはまだクリニックが少なかったこともあり、開院当初から近隣にお住まいの方を中心に、世代を問わず多くの患者さんにお越しいただいております。私はもともと消化器外科が専門ですので、消化器を中心とした内科一般、呼吸器疾患や循環器疾患、高血圧や脂質代謝異常、糖尿病といった生活習慣病、加えて横浜市の各種検診や予防接種など幅広く対応させていただいています。皮膚科は専門家である院長を中心に、大学病院からの派遣医師を交えて診療しています。

先生は3代続く医師の家系だと伺っております。

祖父と父は、東京・上中里で内科、小児科のクリニックを開業していました。自宅兼診療所だったので、小さい頃から消毒液のにおいを嗅ぎながら育ったようなもので、祖父の働いている姿に憧れもありましたね。「将来は自分も医師になるんだ」と、だいぶ早い段階から心に決めていました。その実家のクリニックは現在は一時休院中ですが、祖父、父と通算で55年続き、地域のかかりつけ医として親しまれていました。私は縁あってこちらで開業しましたが、祖父や同じようにかかりつけ医として頼られる存在になれたらと思っています。

開業医の魅力はどのあたりにあるのでしょうか?

善利元臣理事長 善利クリニック 2

何よりも患者さんとの距離感が近いということでしょうか。「庭で採れた果物のおすそ分けです」とか「漬け物を作ったから先生にも持ってきたよ」とか、小さいお子さんが折り紙や手紙を持ってきてくれることもあります。患者さんの日々の生活の中で、ふと自分のことを気にかけていただいているんだと思うと、こんなにうれしいことはありませんよね。医師になる前、父から「臨床医になるのか、研究者になるのかを早く決めたほうがいい」と言われ、自分には大学で黙々と研究を続けるより、常に患者さんと接しているほうが性に合うと思ったので、迷わず臨床医になることを選びました。子どもの頃に見ていた祖父の診療所のように、近所のお年寄りが集まってくる人情味あふれる診療所の医師に対する憧れも強かったですからね。人間的な年輪や知識、経験という面でまだまだ及びませんが、少しでも当時の祖父の姿に近づけていたらうれしいですね。

経鼻による上部消化管内視鏡検査にも注力

かかりつけ医を持つ重要性についてお伺いできますでしょうか。

善利元臣理事長 善利クリニック 3

例えば行きつけのお寿司屋さんがあったとして、今日はお寿司を食べたいからあそこに行こうって最初に頭に浮かぶようなお店ってありますよね。店主が自分の顔を覚えていて「いつものですね」とか「今日もお任せでお願いします」なんていうやりとりが私はすごく好きなんです。病院も同じで、かかりつけのクリニックを持っていれば、「ちょっと気になるから、相談してみようかな」と気軽に受診できるかと思います。町のかかりつけ医として、患者さんを最初から最期まで一貫して何でも診られる医師になりたくて、外科医を志しました。検査で疾患を見つけても手術を行うのは外科の医師ですし、ホスピスなど最期の看取りも外科の医師が担うことが多いですよね。おかげさまで長年通っていただいている患者さんも増えています。

こちらでは、上部消化管内視鏡検査にも注力されていると伺いました。

はい。鼻や口からカメラを挿入するというだけで、経験のない方にとってはかなり抵抗があるかもしれませんが、近年は鼻から挿入する径の細いカメラが主流になって、患者さんの苦痛に配慮した検査として定着してきました。喉から食道、胃、十二指腸と、消化管の内部を一通り観察するのに要する時間は、だいたい平均して10分弱。若い方ほど嘔吐反射が強い傾向にありますし、怖がりの方であれば全身にかなり力が入っている状態ですから、検査中の技術面も含めて、できるだけ苦痛を感じることなく終えられるように、細心の注意を払って検査を進めています。

上部消化管内視鏡検査はどういったときに行えば良いのでしょうか?

善利元臣理事長 善利クリニック 4

胃が痛い、胃の調子が悪いという理由で受診して、投薬したり薬の種類を変えたりしても1ヵ月くらい良くならない方であれば検査を勧めています。胃の不調があり一度も上部消化管内視鏡検査を受けたことがなく、ある程度年齢を重ねている方であれば一度検査をしてみてもいいかもしれません。検査が必要な有症状者10%のうち、何か大きな病気が見つかるのはだいたい1%以下といわれています。もともと私が外科医だったこともあり、病気の緊急性に対するにおいのようなものは強く感じることが多いです。診療の際は緊急性があるかないかには徹底した配慮をし、必要に応じて近隣の大きな病院を迅速に紹介しています。

これからも「地域で一番信頼できる先生」をめざして

患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

善利元臣理事長 善利クリニック 5

必要最低限の検査で診断をつけ、最小限の投薬で症状を抑えることを図るというのが私の基本スタンスですが、当然ながら患者さんの要望は人によって実にさまざま。「費用は気にせず、できるだけ詳しく検査をしてほしい」という患者さんもいれば、「検査はあまりしたくない。薬もジェネリックにして、できる限り費用を抑えたい」といった方もいらっしゃいます。ですから、患者さんが今何に不安を感じ、何をしてほしいと思って来院しているのか、短時間のやりとりの中で一人ひとりの思いを推察し、なるべくご希望をかなえる診療に努めています。例えば私が聴診器で子どもの胸の音を聞いてみて、肺炎や喘息などもなく重症ではないと判断したとします。そこで付き添いのお母さんから「ひどい咳をしているから心配なので、とにかく調べてほしい」と言われれば、私の所見を説明しつつ、お母さんとよく相談した上でエックス線検査などをさせていただくこともできますよ。

患者さんの真意をくんだ診療をめざしているのですね。

そうですね。ありがたいことに当院には年間を通じて多くの患者さんが来院され、長時間お待たせしてしまうこともあります。そうした中で、ご自身の順番が回ってきて診療室に入っても、言いたいことの半分も言えずに帰られてしまう方もいらっしゃるはずです。一人の患者さんにかけられる時間というのはどうしても限られてしまいますが、せめて患者さんのお気持ちをくんだ上で「もしこの方が自分の家族だったら」という視点を大切にしながら、治療法の選択肢などを検討するようにしています。患者さんが迷われる場面があれば「もし私が同じ状況だったら、こちらを選びます」といった具合に率直にアドバイスさせていただくこともありますし、必要があって他の医療機関を紹介する際にも、自分だったらどの病院でどの先生に診てもらいたいかと考えて、紹介先を提案させていただくようにしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

善利元臣理事長 善利クリニック 6

クリニックを開業したからにはこれからも「地域で一番信頼できる先生」と言われるよう尽力してまいります。クリニックでは私だけでなく、スタッフも患者さんと接する際にはできる限り心を配った対応ができるように努めています。患者さん一人ひとりに合わせた対応をすることで、少しでも笑顔になって帰っていただければうれしいですね。ちょっとでもおかしいなと思うことがあれば、お気軽にご相談ください。

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