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宮川 泰郎 院長の独自取材記事

宮川矯正歯科クリニック

(横浜市港南区/上大岡駅)

最終更新日:2021/10/12

宮川泰郎院長 宮川矯正歯科クリニック  main

駅前の喧噪もにぎやかな上大岡駅から徒歩3分という好立地にもかかわらず、静かに落ち着いたビルの2階に「宮川矯正歯科クリニック」はある。「上大岡も京浜急行の特急が止まるようになって開発が一気に進みました。子どもの頃は、この先の弘明寺まで市電が通っているくらいで、のんびりした町だったんですよ」と穏やかに話す、宮川泰郎院長。開業して25年を超えるが、「あれ? そんなになりますか」と飄々とした様子の明るい先生だ。窓から陽光がたっぷりと入る、明るい院内にはカラフルな絵画がいくつか飾られ、現代美術家として活躍する娘さんの作品も以前はあったそう。母校の矯正学教育にも携わりながら、数多くの症例を手掛けてきた、矯正専門医としての矜持を聞いてきた。

(取材日2016年1月7日/更新日2019年08月27日)

地域医療に尽くす、祖父や父の背中を見て育つ

代々続いた医師の家系なのですね。

宮川泰郎院長 宮川矯正歯科クリニック 1

父の代から、この上大岡で開業しています。祖父は内科の医師で、往診先で脳卒中を起こして亡くなったという、医師の鑑のような人物でした。大正元年生まれの父も、終戦直後から内科医院を開業していましたが、日に何回も往診に行ったり、休日も急患を診たりと、地域医療に尽くす立派な存在でしたね。自宅での開業だったので、そんな父の姿を間近で見て育ちましたから、私も自然と医療の道を志すようになりました。私は三男なんですが、上の2人もそれぞれ医科と歯科に進んでいまして、自分が高校生くらいで進学を考える時に、兄たちが学んでいることを見聞きしてみて、入れ歯を作ったりする作業が楽しそうだなと思って歯科を選びました。小さい頃からプラモデルなど、物を作るのが好きでしたから。そして、横須賀にある神奈川歯科大学に進学して、上大岡の自宅から京浜急行で通っていました。大学院を卒業後も大学に残って、助手を勤めました。臨床・教育・研究という三本柱を極めていくのが性に合っていたのでしょう。実は今も、特任講師として、矯正学教室の運営に携わっています。教育に関わるのは自分の勉強にもなりますし、新しい情報に触れられる場でもありますね。

1990年の開業から矯正歯科専門のクリニックを続けてこられて、今の思いをお聞かせください。

宮川泰郎院長 宮川矯正歯科クリニック 2

祖父や父のように、自分も地域医療に参加してお役に立てたらなと思っています。最初は、父の内科医院の隣に増築しての開業でしたので、父の患者さんも来てくれましたね。当初から矯正に特化していたので、かかりつけの先生からの紹介で、矯正治療の必要な患者さんを数多く診てきました。一般歯科や口腔外科、形成外科など互いの専門領域を極めた先生方と、連携するというスタイルです。口腔外科なら母校の神奈川歯科大学、顎の手術なら横浜市立大学病院と連携しています。そうして、ちゃんとした連携先を持って精度の高い治療をしていくのが専門の歯科医師としての生命線だと考えています。患者さんにとっても、連携関係にある、それぞれの道のエキスパートに診てもらうのが、一番恩恵を受けられるのではないでしょうか。私自身は、2006年に日本矯正歯科学会の認定医・専門医の制度が始まった時に、資格取得しました。専門医の試験は、定められた課題症例を10種類、詳しい資料も合わせて提出して審査され、口頭試問も行なわれます。5年ごとの更新では3症例を審査されます。私は去年、2度目の更新をしましたが、治療の精度や仕上がり、内容が問われるので、誰でも通るというものではありません。医療の他の分野における専門医制度に比べてもかなり難易度が高く、本来の目的に沿って機能していると言えるのではないでしょうか。自分でも、常に専門医としてのプライドを意識して、治療のレベルを一定に保つよう努力することを肝に銘じています。

老後まで歯を残すために、50歳からでも矯正治療が有効

患者さんはどういう方が多いのですか?

宮川泰郎院長 宮川矯正歯科クリニック 3

矯正治療ということで、小学生・中学生のお子さんが約7割でしょうか。開業して25年ですから、小さな頃から診ていた方がすっかり成人して、お子さんを連れてこられたりもしていますね。ただ、開院当初よりも、時代の流れでしょうか、大人の患者さんが増えてきている気もします。成人の方で言うと、お子さんの治療で通っていらしたお母さんが、きれいな歯並びに仕上がったのを見て、ご自分でも矯正してみたいと言われることもよくあります。50代くらいからでも始められるんですよ。もちろん、子どもみたいに全体的に治すのではなくて、症状のある個所を部分的に、年齢に合った無理のない範囲での矯正になります。見た目だけでなく、歯並びが良くなると歯周病予防にもなりますから、お勧めです。また、高齢化社会ですから、80歳で20本の歯を残そう、と言う8020運動というのを日本歯科医師会も提唱していますが、実際のデータを見ていても、やはり歯並びの良い方のほうが歯を残せるんですね。それに、よく咀嚼をすることが、認知症の予防につながるとも言われています。高齢になってからのQOL(生活の質)の向上に備えて、矯正を役立てていただければなと思います。

矯正治療は子どもの場合、いつ頃始めるのが良いのでしょうか?

実は、一概には言えないんです。長年、お子さんの矯正治療に携わってきて、もう少し早く相談に来てくれていたらな、と残念に感じることがよくあるのですが、骨格の反応が良くて、良い結果が得られやすい時期というのがあるんです。相談に来られたからといって、すぐに治療に入るのではなく、適切なタイミングを見極めるところから始めますので、矯正をするべきか迷ったら、まずは相談していただきたいですね。矯正治療のタイミングとして大体言えるのは、まず、小学生で必要があれば骨格的な改善を行っていきますし、状態によっては逆に少し待っていただいて、永久歯の揃ってくる12歳以降くらいで治療を始めるケースもあります。骨が成長するうちは、顎もまだ動かしやすいので、身長を計測していきながら成長の様子を観察して、そのお子さんごとのベストなタイミングを図っていくんです。この判断はやはり、症例に多く接している専門医でないと難しいのではないでしょうか。私自身で言えば、大学院での研究テーマが下顎骨の成長発育についてでしたが、下顎の成長というのは本当にバリエーション豊かで、人それぞれなんです。母校の神奈川歯科大学は頭蓋骨の経年データを豊富に有していましたので、この環境下で研究活動ができたことは、専門医としての診断にもたいへん役立っています。

矯正では歯科衛生士さんも重要ということですが。

宮川泰郎院長 宮川矯正歯科クリニック 4

そのとおりです。矯正の治療レベルを保つのは、歯科医師と衛生士の共同作業なんです。当院の歯科衛生士は、もう7年くらいになる熟練スタッフですが、勉強や経験を重ねて、一般歯科とは違うトレーニング指導を行っています。一例で言えば、お子さんが、前歯が開いてしまう開咬という不正咬合になっているケースで、原因が嚥下という、ごっくんと飲み込む動作がうまくできていなくて、舌で歯を押してしまう事だったりすることがあります。その場合、5~6ヵ月かけて、親子で来てもらって訓練指導を行います。家ではお母さんが歯科衛生士の代わりになって反復練習を重ね、正しい飲み込み動作を定着させてもらうんです。このように、矯正治療には形態的なアプローチだけではなく、運動機能を正しく教えることも含まれるんですね。形だけ整えても、運動機能が伴っていないとまた元の位置に戻ってしまいます。ですから、舌の動きや唇の周りの口輪筋の動きなどをトータルに見ていかねばならないのです。それが、一般歯科治療とは違う矯正治療の難しさであり、面白さでもあるかもしれません。

矯正治療によって、人生をより良い方向に進んでもらえるのが幸せ

印象的な患者さんのエピソードなど教えていただけますか?

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骨格的な手術を伴う治療や、先天性の疾患のある患者さんも診ていますが、ほかにも、地元の医療センターで月に一度、矯正の外来を担当していますので、そちらでの連携症例として口蓋裂や知的障害の患者さんもいらっしゃいます。そういった疾患を持つお子さんなどは、歯並びや顎の骨格に問題があると外に出るのが恥ずかしかったりして、内向的になられる方も多いので、常々そうした心理面でのフォローにも気を配っています。以前コーヒーショップに入ったら、たまたま会計をやっていたのが、こちらのクリニックで治療を終えていた女性の方だったということがありました。声をかけてくれて、うれしかったですね。接客の仕事ができるような前向きな気持ちになってくれたんだなと、感慨深かったです。他にも、毎年の年賀状とか、結婚のお知らせや子どもが生まれましたなどというハガキをもらうことも多く、矯正治療をした後も喜んでもらっていると思うと、こういう仕事をしていて良かったなと実感します。

最後に、先生のプライベートの楽しみを教えていただけますか?

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大学時代にやっていた卓球を、今も続けています。全日本歯科医師卓球大会というのが毎年東京で開かれていて、大学時代の仲間なども全国から集まってきますので、楽しみにしているんです。大学卒業したての若い方も参加していますが、最高齢では96歳の先生がいらっしゃるんですよ。現役でご活躍されているのは素晴らしいです。あやかりたいですね。卓球以外でも、お手本にしたい先輩の先生がいるのですが、今75歳くらいでしょうか。その先生は常々、「一日に診察する患者さんが何10人いようと、朝一番に診た患者さんにもその日の最後に診る患者さんにも、歯科医師として同じ対応をできなければならない」とおっしゃっていて、体力維持のために毎日腹筋を300回やられているんですよ。そうしたスタンスを見習いながら、私もこれからも長く、良い矯正治療で患者さんの生活をより良くできるお手伝いをしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

部分矯正/20万~30万、本格矯正/60万

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