宮川 泰郎 院長の独自取材記事
宮川矯正歯科クリニック
(横浜市港南区/上大岡駅)
最終更新日:2026/10/14
上大岡駅から徒歩3分という好立地にもかかわらず、静かに落ち着いたビルの2階に「宮川矯正歯科クリニック」はある。窓から陽光がたっぷりと入る、明るい院内にはカラフルな絵画がいくつか飾られ、現代美術家として活躍する娘の作品も以前はあったそう。「上大岡も京浜急行の特急が止まるようになって開発が一気に進みました。子どもの頃は、この先の弘明寺まで市電が通っているくらいで、のんびりした町だったんですよ」と穏やかに話す、宮川泰郎院長。街の歴史を見守りながら、開業から35年を超え、歯科医院として新たな形を模索し始めているという。同院の現状と、数多くの症例を手がけてきた矯正専門の歯科医師としての矜持を聞いた。
(取材日2026年8月20日)
地域に尽くす祖父や父、兄の背中を見て医療の道へ
代々続いた医療の家系なのですね。

祖父は内科の医師で、往診先で脳卒中を起こして亡くなったという医師のかがみのような人物でした。1912年生まれの父も終戦直後から内科医院を開業し、日に何回も往診に行ったり、休日も急患を診たりと、地域医療に尽くす存在でしたね。自宅での開業だったので、そんな父の姿を間近で見て育ち、自然と医療の道を志すようになりました。私は三男なんですが、上2人もそれぞれ医科と歯科に進んでおり、高校生くらいの頃に兄たちが学んでいることを見聞きしてみて、入れ歯を作ったりする作業が楽しそうだなと歯科を選びました。小さい頃からプラモデルなど、物を作るのが好きでしたから。横須賀の神奈川歯科大学に進学し、上大岡の自宅から通学。大学院を卒業後も大学に残って助手として勤めました。開業後も矯正学教室の特任講師も務めるなど、臨床・教育・研究という三本柱を極めていくのが性に合っていたのだと思います。
矯正を専門に展開してこられましたね。
当初から矯正に特化しており、一般歯科や口腔外科、形成外科など互いの専門領域を極めた先生方と、連携するというスタイルです。口腔外科なら母校の神奈川歯科大学、顎の手術なら横浜市立大学附属病院と連携しています。そうして、ちゃんとした連携先を持って精度を追求した治療をしていくのが専門の歯科医師としての生命線だと考えています。私自身、これまでさまざまな症例を手がけ、治療の内容や精度にこだわって矯正に向き合い、矯正について研鑽を積みました。自分でも常に矯正専門の歯科医師としてのプライドを意識して治療のレベルを一定に保つよう努力することを肝に銘じています。
現在、どのような患者さんを迎えていらっしゃいますか。

永久歯が生えそろった10代以降の方を中心に新患としてお迎えしています。矯正は自由診療で、お子さんから始めると仕上がりまでに10年以上かかることもあります。60歳代後半になったこともあり、体力面を考えて最後まで責任を持って治療を見届けられるかどうかを判断材料にするようになりました。歯科衛生士と二人三脚でやっている歯科医院ですから、自分の年齢に合ったスタイルでやっていく必要があると考えたのです。もちろん、以前から診てきた患者さんの定期診査やアフターケアは変わらず続けていて、長い方では20年ほど、年に一度といったペースで通ってくださっています。一方で、2〜3年でしっかりと行える成人矯正は引き続き行っています。50代くらいからでも十分始められますし、整った歯並びをめざすことで、見た目の美しさにつながるだけでなく虫歯や歯周病の予防にもつながりますから、老後まで歯を残すためにもお勧めしています。
ホワイトニングやクリーニングを中心とした新たな試み
一方で、新しい取り組みも始められたと伺いました。

きれいな歯並びだけでなく、健康的な白い歯にしたいというご要望に応じるために、専門の女性の歯科医師を迎えてホワイトニングを始めました。診療室で薬液をつけて光を当てるオフィスホワイトニングと、ご自宅で1日90分2週間ほど続けていただくホームホワイトニングをご用意しています。意外と40代、50代の女性からのご希望が多いんですよ。徐々に黄ばむ歯の色を、笑ったときにふと気にされる方が多いようです。エステサロンなどのホワイトニングは歯の表面の汚れを落とすという仕組みですが、歯科医院で提供するホワイトニングは薬剤で歯の内部の色素を分解して自然な白さに導くもので、原理そのものが違います。矯正で整った歯並びをめざすことも、ホワイトニングで白い歯をめざすことも、患者さんに自信を持ってもらうという意味では、ゴールは同じだと思っています。
予防歯科にも力を入れていらっしゃるそうですね。

パウダークリーニングという方法を採用しており、これはグリシンという細かい粉末を吹きつけて、歯の表面についたバイオフィルムを落としていく方法です。顕微鏡レベルで見ても表面に傷が残りにくく、痛みもほとんどありません。細かい部分まで粉末が届くので、汚れも落としやすいんです。導入している歯科医院はまだそれほど多くないと思いますので、力を入れているところですね。ホワイトニングと同じく、歯を健康な状態で長持ちさせることをめざすという意味では、矯正治療ともめざすところは共通していると思っています。クリーニングを担当する歯科衛生士はベテランぞろいの頼れる存在。日頃ミーティングをして、治療方針や気をつけるべき点を共有しながら、チームで診療にあたっています。
審美を軸とした予防歯科にも注力し、長く地域貢献を
印象的な患者さんのエピソードなど教えていただけますか?

骨格的な手術を伴う治療や、先天性の疾患のある患者さんも診ていますが、他にも、地元の医療センターで月に1度、矯正の外来を担当していますので、そちらでの連携症例として口蓋裂や知的障害の患者さんもいらっしゃいます。そういった疾患を持つお子さんなどは、歯並びや顎の骨格に問題があると外に出るのが恥ずかしかったりして、内向的になられる方も多いので、常々そうした心理面でのフォローにも気を配っています。以前コーヒーショップに入ったら、たまたま会計をやっていたのが、当院に通っていた女性の方だったということがありました。声をかけてくれてうれしかったですね。接客の仕事ができるような前向きな気持ちになってくれたんだなと、感慨深かったです。
今後の展望を教えてください。
ホワイトニングや歯のクリーニングといった予防的な分野を、当院の中でしっかり定着させていきたいですね。歯を良い状態に保って守ることをめざすという考え方は、患者さんの間にも徐々に浸透してきているように感じます。その分野が広がっていけば、歯科衛生士やスタッフが活躍できる場も増えていきますし、矯正歯科専門という診療スタイルとも相性がいいと考えています。矯正治療を軸にしながら、そうした予防的なケアも合わせて提供していくことで、患者さんのお口の健康に貢献できればと思っております。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

皆さんかかりつけの歯科医院をお持ちだと思いますので、歯周病の治療などはそちらでしっかり診てもらうのが一番だと思います。当院は、ホワイトニングや予防的なクリーニングといった審美的な面に関心のある方に来ていただければと思っています。一般の歯科医院では、なかなかそこまで時間を割けないという声もよく聞きますので、そうしたご希望に応えられればうれしいですね。これらの治療は、当院で矯正治療を受けていない方も歓迎です。地域の皆さまに健康的な歯とすてきな笑顔をご提供し、人との出会いやコミュニケーション活動が楽しくなるような生活を送れますようお役に立ちたいと思っております。
自由診療費用の目安
自由診療とは部分矯正/20万~30万、本格矯正/71万5000円~、オフィスホワイトニング/2万9400円、ホームホワイトニング/2万9400円、デュアルホワイトニング/4万9800円

