鈴木 毅彦 院長の独自取材記事
上永谷整形外科
(横浜市港南区/上永谷駅)
最終更新日:2026/03/25
前身である診療所時代から40年以上。2020年にリニューアルオープンした「上永谷整形外科」は、患者目線で考え抜かれた、きめ細かな工夫が随所に見られるクリニックだ。13台分の駐車場を整備し、遠方からも患者が訪れるようになったという。鈴木毅彦(たけひこ)院長は、肩、膝、腰などのさまざまな痛みや外傷に対応する整形外科の専門家。一人ひとりの患者の声に丁寧に耳を傾け、対話を重ねながら痛みの原因を突き詰めていく丁寧な診療と、薬物療法と理学療法を取り入れた治療に力を入れる。穏やかにほほ笑む鈴木院長に、かかりつけ医としての想いや今後の展望などをじっくり聞いた。
(取材日2025年11月20日)
受け継いだ想いに寄り添い、新しい快適さを備えた医療
御院の特徴についてお聞きします。

当院は1981年に先代が消化器科の診療所として開院し、2016年に私が院長として引き継ぎました。2020年に建て替えた際は「患者さんが少しでも快適に過ごせること」を大切にしました。座面の高い椅子を置いたり、建物全体をバリアフリーにしたりして、高齢の方も安心して通っていただけるよう工夫しています。「歩きやすくなった」「来やすくなった」と喜んでいただけることが、とてもうれしいです。長く通ってくださる患者さんも多く、地域の皆さんに寄り添いながら、時代に合わせた医療を続けていきたいと思っています。
リニューアルに際し、こだわった点について教えてください。
リニューアルでは、見た目のデザイン性だけでなく、実際に使う人の立場や身体感覚を大切にしました。椅子の座面を消毒しやすい素材にしたのもこだわりです。また、女性専用トイレやおむつ交換台を設置した多目的トイレ、子どもが座って待てる小さなキッズ用カウンター席など、利用する方の幅広いニーズに対応した設備を整えました。窓側にはカウンター席やテーブル席も用意して「病院らしくない安心感」を意識しています。院内動線についても工夫し、診察室や検査室、理学療法室などをすべて1階に集約しました。患者さんはフロア内の移動だけで必要な検査や治療が受けられ、スタッフ同士の連携もスムーズです。患者さんにとってもスタッフにとっても、ストレスの少ない環境になったと感じています。
ウェブから順番を取れるシステムを導入されたのですね。

最近は、受診される患者さんの層にも変化を感じていて、働き盛りの世代やそのお子さんなど、生活や時間の制約がある方の受診が増えました。そういった方が早朝から来院し順番を取らなくてもいいよう、より通いやすい仕組みが必要だと感じるようになり、そこで導入したのが「初診向けウェブ順番予約」です。これは飲食店などで見られる整理券方式で、時間予約ではありませんが、来院前に順番を確保できるので、患者さんの負担軽減につながっていると思います。ぎっくり腰など動くのが難しい状態でも、自宅で順番を確認し、呼ばれるタイミングに合わせて来院できます。特に若い世代の方から好評いただいています。
丁寧な対話で、患者に安心感を届けたい
診療の際、何を大切にしていますか?

当院では、首から足先まで、内臓を除く骨・関節・筋肉・神経・靱帯・腱・脊髄といった、体を支えるすべての部分の疾患に対応しています。骨折や脱臼、捻挫といったけがはもちろん、慢性的な痛みやしびれ、原因がはっきりしない不調まで、幅広い症状が対象です。整形外科は取り扱う領域が広い分、患者さん自身が気づいていない原因や、小さな変化の積み重ねが症状につながっていることが少なくありません。そのため、検査だけでなく問診も重視していて、診断の糸口は、「何に困っているのか」「どんな時に痛むのか」といった言葉の中にもあると実感しています。患者さんの声に耳を傾け、その背景にある生活や気持ちも含めて理解し、治療方針をご相談しながら進めていきたいと考えています。
医療体制について教えてください。
当院には理学療法士5人、リハビリテーション助手9人、診療放射線技師4人、看護師4人、受付スタッフ9人が在籍しています。一番大切にしているのは「協力し合える雰囲気」です。採用時も経験より「人当たりが良いか」「相手を思いやれるか」を重視しています。医療はチームで行う仕事です。専門知識や事務作業は経験すれば身につきますが、思いやりややわらかな対応は、これまでの人生で培われるものです。当院ではその部分を大切にし、スタッフの育成や評価の基準としています。皆で声をかけあって助けあうことが、結果として患者さんへの丁寧な医療につながると考えています。
「患者さんの安心感」が最優先ということでしょうか?

はい、そのとおりです。こうしたスタッフたちの姿勢は、患者さんへの対応にも表れます。初めて来院された方が迷わず受診できるよう、受付からご案内、待機場所の誘導まで、一つひとつを丁寧に伝えるよう意識しています。荷物を持ったまま戸惑っている方がいれば声をかけ、診察や検査の流れも明るく説明しながら進めます。治療そのものはもちろん大切ですが、同じくらい「安心して受けられた」という感覚も医療の一部だと考えています。また、スタッフ同士がこまめに声をかけあうことで、情報が共有されやすくなり、患者さんが同じ説明を何度もしなくてはいけない状況も防げます。新しい患者さんには丁寧な案内を、長く通ってくださる方には親しみを持って接する。そうした自然な関わり方を続けることで「ここなら大丈夫」と思っていただけるクリニックでありたいと思っています。
長く患者を診るからこそ、将来を見据えて治療を選ぶ
リハビリについて教えてください。

当院では、理学療法士によるリハビリを重視しています。理学療法には、電気や温熱で痛みにアプローチする「物理療法」と、体の使い方を整え機能回復をめざす「運動療法」があります。理学療法士は主に運動療法を担当し、慢性的な痛みやけが、手術後の機能低下に対して、患者さん一人ひとりの状態を丁寧に評価し、必要な訓練を行っていきます。患者さんには2人体制で担当者をつけ、担当者同士が連携して同じ方向を見ながら治療を進めます。これにより、1人の担当者が不在でも、もう1人の担当者によって治療を継続できます。また複数の視点から方針を検討することで、より質の高いリハビリの提供がめざせます。もちろん、患者さんの状態や経験に応じてアプローチ方法は柔軟に変えますが、共通の基本線を持ちながら、一緒に適した方法を探していくことを大切にしています。
患者さんとの会話において、心がけていることはありますか?
整形外科の治療は、すぐに結果につながるものばかりではありません。以前は患者さんに「大丈夫ですよ」と伝え、安心して帰っていただきたいという想いが強かったんです。しかし、限られた時間では説明が中心となり、患者さんに不安を残してしまうこともありました。そこで最近は「大丈夫」の意味を少し変えて、考えるようになりました。例えば「この方針で治療を進めましょう。困った際はいつでも来てくださいね」という言い方は、時に患者さんの安心につながることがあります。症状が軽く、自然治癒が期待できる若い方には「大丈夫ですよ」と伝えることもあります。一方で、症状が長引き、悩んで来院される方には、答えを急ぐのではなく「一緒に様子を見ましょう」「相談して大丈夫」と伝えることが、心の支えになると感じています。
最後に、今後の展望をお願いします。

当院がめざしているのは、痛みを一時的に和らげるためだけではなく、将来まで見据えた治療です。例えばリハビリでは、ただ痛みを取るためのマッサージではなく、機能を評価し、早期から適切な運動療法を行うことが重要だと考えています。また、骨粗しょう症の治療では、すぐに強い効果が見込める薬を選ぶのではなく、その方が10年後、20年後に必要な選択肢まで含めて考えながら処方しています。長く患者さんを診ていく立場だからこそ、未来への視点を持った治療が必要だと思っています。今後は、治療方針や改善状況を患者さんが目で見て理解できるよう、わかりやすい資料の整備にも取り組みたいですね。初診の方でも安心して受診でき「ここなら任せられる」と思ってもらえるクリニックでありたいです。膝・腰・肩の痛みやしびれ、けがや術後リハビリなど体のことでお困りの際は、気軽にご相談ください。

