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半澤 典生 院長の独自取材記事

下永谷こどもクリニック

(横浜市港南区/下永谷駅)

最終更新日:2021/10/12

半澤典生院長 下永谷こどもクリニック  main

優しい笑顔と穏やかな語り口で、子どもや母親たちに親しまれる「下永谷こどもクリニック」の半澤典生院長。横浜市立大学病院をはじめ、済生会横浜市南部病院、神奈川県立こども医療センター、横浜市立港湾病院などの小児科で診療経験を積み、2000年に「下永谷こどもクリニック」を開業。「何でも相談できる地域の小児科として、子ども自身の回復する力を助け、家族の看護を支える診療を行いたい」と語る。病気の診療と同様に、予防医学や小児保健も重要と考え、予防接種や発育検診、育児相談などにも熱心に取り組む。特に近年種類が増えた予防接種については、個別の接種スケジュールを立て、また空いていれば予約なしでも接種できる仕組みにするなど、母親たちの要望に応え、スムーズに予防接種が受けられるように配慮している。また、最新の知識や情報を得て患者や家族にフィードバックしていきたいと話し、実際多くの学会に所属して、研鑽を怠らない。小児科専門医としての信念と、子どもへの深い愛情が感じられる素敵なドクターだ。

(取材日2013年7月11日)

めざすのは、気軽に何でも相談できる、地域に信頼される小児科

医師を志したきっかけを教えてください。

半澤典生院長 下永谷こどもクリニック 1

自分の進路を考えるようになったときに、人に感謝される仕事につきたいと考え、また、おとなしい性格なので手に職をつけて地道に仕事をするのが自分には向いているだろうと思い、医師をめざしました。小児科を選んだのは、各科を回って研修していた時に、小児科がいちばん面白そうに思えたことと、そして、未来のある子どもの診療にかかわることに大きなやりがいを感じたからです。ジェネラルに幅広い疾病を診たいという思いもあったので、その点でも小児科を選んでよかったと思います。勤務医時代の専門は、血液にかかわる疾患で小児白血病の診療や研究を行っていました。

その頃、心に残る患者さんとのエピソードがありますか。

最近はカテーテルの技術が発達してきましたが、私が研修医の頃はまだ針を刺す点滴が主流でした。主治医になると、たとえ若い研修医でも子どもは信頼してくれるのですが、その頃はまだ点滴の針を刺すのも上手くはないので失敗することもありました。そうすると痛みをこらえて涙目になっていくのがわかり、「痛い思いをさせている」とこちらも悲しくなったことが忘れられません。後に点滴にも慣れてから、それでも「痛い」と嫌がる子どもに「君が痛いとき、先生も心の中で泣いているんだよ」と伝えたところ、それからは嫌がらなくなりました。気持ちが通じたのだなと思って嬉しかったです。そうした子どもたち一人ひとりとの出会いは忘れられませんね。

開業のきっかけと、その際のこだわりを教えてください。

半澤典生院長 下永谷こどもクリニック 2

開業を考えていたときに、この下永谷の物件を紹介されました。偶然、通勤の途中、毎日前を通っていたところで、また高校の学区内で近くに友人の家もあり、親しみを感じたのですぐにここに決めました。落ち着いた住宅地で、地域の方々もおだやかで仕事もしやすく、下永谷で開業してよかったと思っています。地域としては、若いファミリー世帯や働いているお母さんが多いという印象があります。開業の際こだわったことは、子どもが「また来てもいい」と思ってくれる医院にしたいということでした。そのために待合室は広めのスペースを確保して快適にし、おもちゃやインテリアも工夫しました。診察室には、ちょっとなごんでくれるように、キャラクターのマグネットをいっぱい並べています。中には、隅々までじっくりチェックしてくれる子もいます。ドアの上にさりげなく止まっているチョウチョや、風に揺れるモビールも人気があるんですよ(笑)。

予防医学の観点から、予防接種が受けやすい環境づくりに注力

診療される上で大切にされていることは?

半澤典生院長 下永谷こどもクリニック 3

患者さんは乳児、幼児が中心で、症状は、発熱や湿疹、嘔吐、下痢などさまざまです。診療方針としては、できるだけお母さんやお父さんの話を聞いて、不安を軽くしてさしあげたいと考えています。例えば、発熱で来院されても、それ以外に「心配なことはないですか」と聞くようにしています。そして、空いていても混んでいても、朝も昼も夜も、同じように接することを心がけています。クリニックは医療の質を求める部分とサービス業的な部分が必要だと考えていますので、専門的な経験や技術を備えた上に、患者さんへの対応も大切にしたいと思っています。お母さんもさまざまで人によって感じ方が違うのでいろんな訴えがあります。例えば同じあせもでもそれを主訴として訴えて来られる方もいれば、風邪のついでに思い出したように言われる方もいらっしゃり、お母さん方のニーズもさまざまです。そうした色んなご要望や不安にも丁寧に対応して、お母さんが安心して子育てしていけるようにお手伝いするのが地域の小児科の役目だと思っています。

予防接種については、どんな工夫をされていますか。

近年、予防接種の種類が増え、接種の順番を考えて予約をとるだけでお母さん方には負担になるようです。また、この1、2年でもずいぶん仕組みが変わったので、上のお子さんの時とは違うととまどわれる方も多いですね。ですから、個別に接種の計画を立ててアドバイスしていくようにしています。生後2か月から定期接種を中心に、希望によっては任意ワクチンも加えながら、子どもさんに合わせたスケジュールを立てていきます。せっかくお母さんが忙しい中スケジュールを立てられても、子どもさんが風邪をひくと、スケジュール通りに接種できなくなるのもよくあること。だからこそ、臨機応変に調整したり「今日はこの予防接種のために来られたと思いますが、こっちの予防接種も受けられますよ」と、できるだけ効率的に予防接種ができるよう、アドバイスをしています。子どもさんのついでにお母さんやお父さんも予防接種を受けたり、家族でインフルエンザの予防接種を受けられるご家族も多いです。小児科もこうした形で家族でご利用していただければ嬉しいですね。

予防接種を受けやすいように配慮されているんですね。

半澤典生院長 下永谷こどもクリニック 4

そうですね。子どもの病気の多くは感染症ですし、データとしてはまだ出ていなくても、近年予防接種が広まり、確実に発症が減ってきた病気があると感じていますので、予防接種には力を入れていきたいと考えています。また、副作用などさまざまな情報が氾濫し、お母さん方は悩んだり迷ったりされていることも多いので、一緒に考えながらよりよい予防接種の在り方を探していきたいと思っています。診療については、現在は携帯電話やパソコンで順番を取ってもらい、診療の順番や待ち時間がわかるシステムにしました。院内で長時間待ってもらう必要がなく、空いていることがわかれば予約なしで予防接種を受けてもらうこともできるようになり、とてもよかったと思っています。

子どもも親も「来てよかった」と安心できるクリニックに

ところでお忙しい毎日ですが、お休みの日は何をして過ごされていますか。

半澤典生院長 下永谷こどもクリニック 5

ふだんは家でのんびりしたり、音楽が聞くのが好きなのでCDショップをまわったり、院内に置くおもちゃを探したり、ウォーキングしたりですね。先日は金沢文庫から鎌倉の建長寺を抜けていくハイキングコースを歩きました。ずっと座っている仕事で運動不足になりがちなので、週に一回ジムで体を動かすようにしています。また大学時代はワンダーフォーゲル部で山歩きが好きなんです。最近また始めたのですが、連休で時間がとれるときは丹沢方面に行ったりしています。登山というよりは山歩きで、朝から登って夕方家に帰ってビールを飲むのが楽しみなんです(笑)。日曜日に行って月曜日の診療に差し支えると困りますので、連休の時だけの楽しみですね。

先生にとって小児科医としてのやりがいは?

小児科医として嬉しいことは、子どもの成長が見られること。赤ちゃんが歩くようになり、言葉をしゃべるようになり、だんだん成長していくのは楽しみですね。小学生ぐらいになると丈夫になってあまり来なくなるのですが、たまに予防接種などで大きくなった子が来てくれると「大きくなったな」と嬉しく思います。気になることは、アレルギー症状のある子どもが増えていること。10年前にはごく少数だったと思うのですが、最近は花粉症の幼稚園児も珍しくありません。また小さい子どもの病気は感染症が多いので、予防接種には力を入れていきたいと考えています。副作用を含めてさまざまな問題があるので、整理してわかりやすくお母さん方にもお伝えして、子どもの健康を守っていきたいですね。守備範囲が狭くなることは避けたいので、アレルギー疾患や予防接種など進歩する医学に乗り遅れないようにしたいとも思っています。学会や横浜市大とのネットワークも生かして、新しい検査方法や薬剤なども取り入れられるものは取り入れて、診療の幅を広げていきたいと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院は、特徴的な診療というのはありませんが、とにかく丁寧に対応することを原点に、日々、地道に真摯に診療を行っていきたいと思っています。病気も育児も、予防接種も、親御さんは不安を抱えて来院されるので、それを解消して帰ってほしい。「来てよかった」と思っていただけるようなクリニックでありたいと考えています。お母さん方も「こんなことを聞いていいのかな」というようなことでも、ささいなことでも何でも話してください。いつも子どもさんを身近で見ているお母さんの「ここが気になる」「いつもと違う」という感覚が診療にもとても役に立つものです。ぜひ、日頃心配なこと、何となく気になること、何でもご相談ください。小児科専門医としての知識や経験を生かしてお応えしていきたいと思います。

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