堤 雄介 院長の独自取材記事
医療法人社団 京浜クリニック
(横浜市磯子区/京急富岡駅)
最終更新日:2026/10/13
磯子区杉田の丘の上に広がる閑静な住宅街の一角に「医療法人社団 京浜クリニック」はある。1987年に脳神経外科を専門とする先代が開業して以来、約40年にわたり地域の健康を支えてきた。ブリックブラウンのタイルに彩られた外観を抜けると、グランドピアノや絵画が飾られた待合室が温かく迎えてくれる。2026年に同院を継承した堤雄介院長は、市中病院で骨折や人工関節、脊椎の手術まで数多くの症例を経験してきた整形外科医だ。その専門性を生かしつつ、父から受け継いだ脳神経外科や内科も含め幅広く診療にあたり、発熱の診療も再開。相手の目を見て丁寧に話す姿が印象的な堤院長に、継承の経緯や診療への思い、今後の展望について聞いた。
(取材日2026年9月4日)
手術の経験を携え、父が築いた地域医療を受け継ぐ
まずはクリニックの成り立ちと、先生が継承された経緯を教えてください。

当院は父が1987年に開業したクリニックです。父は脳神経外科が専門でしたが、地域の皆さまの力になりたいという思いから内科や整形外科も標榜し、幅広く診療を続けてきました。実家がクリニックの2階にあったこともあり、子どもの頃から働く父の姿を間近に見て育ち、自然と同じ道を意識するようになりました。数年後に継ごうかと漠然と考えていたところ、父が体調を崩して入院したのをきっかけに話が一気に具体化し、大学病院の勤務からクリニックに戻りました。話し合いの末に継承を決め、今は父も元気に回復しています。現在は月曜・火曜と第2・第4日曜を父が、木曜・金曜・土曜を私が担当する親子2人体制です。長年父が対応してきた患者さんの受け皿もしっかり確保しています。
先生が医師をめざしたきっかけや、整形外科を専門に選ばれた理由を教えてください。
父から「医師は感謝される、やりがいのある仕事だよ」と聞いて育ったことが、自然と医師をめざす後押しになりました。中学から大学まで野球に打ち込むなどスポーツ全般が好きだったので、研修医になる前からスポーツに携われる整形外科に関心がありました。実際に初期研修で整形外科を経験し、大きなやりがいを感じたのが決め手です。卒業後は市中病院で約3年間、骨折や膝・股関節の人工関節、脊椎の手術など幅広い症例を経験しました。毎週かなりの数の手術に携わり、スキルを磨くのに必死でしたね。その経験があるからこそ、当院でも「このまま保存的に経過を見ていいか、それとも早めに手術を勧めるべきか」といった判断については、これまでの知識や経験を踏まえながらお話しできると思っています。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

何かあったらまず相談できるというのが、一番の特徴だと思います。エックス線やCTを備え、骨折や捻挫、腰・膝の痛みはもちろん、頭を打った場合の検査にも対応しています。病院に勤めていた頃は、転倒された方が腰や膝だけでなく頭も打っていると、診療科が分かれているために一度に診られないことがありました。当院は脳神経外科と整形外科の両方を診られますので、頭部も腰や膝もまとめて検査・評価できます。ご高齢の方が転んで頭をぶつけて心配だと来院されることはとても多いですから、1ヵ所で対応できるのは患者さんにとっても負担が少ないはずです。緊急性が高い場合はすぐに専門の医療機関へ紹介しますし、「何科を受診すればいいかわからない」といった健康相談にもお応えしています。
痛みの原因を丁寧に探り、地域の健康を幅広く支える
先生の代になって、新たに力を入れていることはありますか?

骨粗しょう症の検査と治療には特に力を入れています。骨粗しょう症は直接的な症状が出にくいため、リスクがかなり高い方でも気づかずに過ごされていることが少なくありません。しかし骨折してしまうと入院や手術が必要になり、体力的にも大きな負担がかかります。病院勤務時代には、骨折の手術をきっかけに骨粗しょう症が判明する患者さんを数多く診てきました。そのたびに、「骨折する前の段階で関わることができていれば」という思いを抱いてきました。だからこそ、早期発見や予防にも力を入れていきたいと考えています。もう一つはエコーの導入です。エックス線では骨や関節の状態しか確認できませんが、エコーなら筋肉や靱帯、関節の中の様子まで評価が可能です。「エックス線では異常なしと言われたのに痛みが続く」という方は実はとても多く、エコーで原因を特定することで、正確な診断と注射治療などにもつなげていけると考えています。
そのほかに対応されている診療について教えてください。
内科としては、風邪やおなかの不調のほか、高血圧症や糖尿病、コレステロールが高いといった生活習慣病にも幅広く対応しています。大きな変化として、新型コロナウイルス感染症の流行下で中断していた発熱の外来を私の代で再開しました。一般診療が終わった後の時間帯に分けて行い、事前にお電話をいただくことで安全性にも配慮しています。また、土曜午後、第2・第4日曜も診療していますので、平日にお時間が取りにくい方や遠方からの方にもご利用いただけます。整形外科を軸にしながらも、できる限り幅広くお力になりたいという気持ちで日々の診療に取り組んでいます。
患者さんと向き合う上で大切にしていることを教えてください。

診察の中で意識しているのは、患者さんが困っていることをなるべく引き出すコミュニケーションです。的確に症状を説明してくださる方もいますが、診察室に入ると緊張して、本当は伝えたかったことを言えないまま終わってしまう方も少なくないと思います。自分が患者さんの立場でも同じだと思いますので、自然に話していただけるような声のかけ方を心がけています。父からは「目を見てしっかり話しなさい」と教えられていて、そこは今も意識している部分です。患者さんの訴えは診断につながる最も大切な情報ですから、症状やお気持ちを十分に把握できないと必要のない検査が増えたり、治療が遠回りになったりすることもあります。検査だけに頼るのではなく、対話の中で丁寧に情報を引き出すことが的確な診断への近道だと考えています。
父が築いた信頼を礎に、何十年先も頼れるクリニックへ
お父さまとともに診療される中で、感じていることはありますか?

父が約40年かけて築いてきた患者さんとの信頼関係は、なかなか勝てないなと感じます。開業当初からの付き合いの方もいらっしゃいますし、ご家族ぐるみで通ってくださっている方もいて、そうした姿を見て自分もこれから時間をかけて同じような関係を築いていきたいと思います。今の私にとってのやりがいは、感謝の言葉をいただける瞬間です。父は83歳の今でも山登りをするほどアクティブな人で、入院後もリハビリに励んで、現在も診療を続けています。その背中を間近に見ながら一緒に働けるのは、他の職業ではなかなか得られない経験です。ここから何十年もかけて、患者さんとの信頼を一つずつ積み重ねていきたいと思っています。
これからのクリニックの展望をお聞かせください。
整形外科の分野をさらに充実させていくことが、まず第一の目標です。エコーの導入もその一環ですし、骨粗しょう症の検査・治療にも引き続き力を入れていきたいと考えています。また、現在は紙のカルテで運用していますが、電子カルテの導入を予定しており、それに合わせて予約のシステムも取り入れていくつもりです。患者さんにとってより通いやすい環境を少しずつ整えていきたいですね。将来的には、運動器のリハビリテーションの充実も視野に入れています。すぐにすべてが実現できるわけではありませんが、一つずつ着実に形にしていくつもりです。父の代から大切にしてきた「何でも相談できる」という良さは守りながら、整形外科の専門性を加えて少しずつ進化していきたいと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

約40年にわたる当院の歴史には、地域の方々に頼りにしていただいてきた確かな実績があります。父が築いてきたそのいいところはしっかりと引き継ぎつつ、より患者さんにとって使いやすく、頼りになるクリニックにしていきたいと思っています。何十年先も通い続けていただけるような場所であること、それが私のめざす姿です。体のどこかが痛い、何となく調子が悪い、どこに相談すればいいかわからない、そんなときにまず思い浮かべていただける存在でありたいと考えています。父と二人でこの地域の健康を支えながら、患者さんお一人お一人との信頼を少しずつ積み重ねてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/8000円~

