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矢崎 茂義 院長、川口 葉子 副院長の独自取材記事

矢崎小児科

(横浜市磯子区/磯子駅)

最終更新日:2020/04/01

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根岸湾に沿って街並みが広がる横浜市磯子区で、1970年から子どもたちの健康を見守ってきた「矢崎小児科」。歴史あるクリニックだけに、開設当時の患者が孫を連れて来院するなどということも珍しくない。診療にあたるのは、地域の小児医療の草分け的な存在として知られる矢崎茂義院長と、小児科の医師で日本アレルギー学会アレルギー専門医資格を持つ川口葉子副院長の2人。「お互いに診療スタイルが違うので、患者さんの好みで医師を選んでいただいています。そこは当院の特徴の一つ」と話す。近年はクリニックに併設された病児保育室「ファイン」の運営にも力を入れるなど、少しずつ形を変えながら地域貢献を続ける2人の父娘ドクターに、さまざまな話を聞いた。
(取材日2017年1月14日)

それぞれの専門性を生かした診療が特徴

この地域の小児専門として草分け的なクリニックと伺いました。

【矢崎院長】最初はもう少し奥まった場所からスタートしましたが、ずいぶん前に今の場所に移転して以来、ずっとここで診療を続けています。30〜40年前は内科など他の診療科と併設する時代で、専門職としてやっているところはほとんどありませんでした。小児専門という特徴があったので、幅広い地域から生まれたばかりの赤ちゃんを連れた親御さんが大勢いらっしゃいましたね。昔は夜間救急が当たり前、休日診療も各医師の責任のもと在宅診療も行っていたので、本当に休む間がない診療の毎日でした。

診療スタイルにおいて当時と今とで変わったなと思うことはありますか?

【矢崎院長】そうですね。そこは大きく違いますね。近年は検査に重きを置いて診察を行うようになってきました。例えば、インフルエンザをとってみても以前は経験に頼って診断していましたが、現在でははっきり知りたいという親御さんも増え、迅速検査で確定診断を行うようになってきました。加えて、当院では10分以内に血液検査の結果を判定できる検査機器も導入し、重症かどうかの診断の助けにしています。
【川口副院長】私が医師になった20年前でも、検査キットはなく、当時は自分の技量や経験で鑑別し、「この病気だな」と判断し治療に入ったものです。検査キットで治療の根拠が明確になり、不要な薬を出さなくてすむのは確かにメリット。ただ、検査に頼り過ぎてしまうと無駄な検査をすることにつながるので、当院ではまず診察で鑑別を行い、検査は最低限必要なものだけにとどめるよう努力しています。

お二人はどのような役割分担をされているのでしょう?

【矢崎院長】私と副院長とでは、診療スタイルが違いますから、患者さんの好みで医師が選べる予約システムにしました。私のほうは1週間前から日にちと時間枠を予約できるようになっています。時間枠で取れるので、育児相談などじっくり相談したいという親御さん向けです。
【川口副院長】私のほうは、当日の朝7時から予約システムで順番を取る形です。現役の母親という立場からのアドバイスもできますし、日本アレルギー学会のアレルギー専門医という立場を生かして、食物アレルギーや喘息のご相談も受けつけています。水曜日の午後は、アレルギー専門の外来として枠を設け、再診の方は主にその時間で診させていただいています。

数字に振り回されず不要な除去は控えるアレルギー診療

現在、力を入れている治療についてお聞かせください。

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【川口副院長】アレルギーの診療ですね。以前、小学校の給食でアナフィラキシーショックを起こし不幸にして亡くなられたお子さんが出て以来、心配される親御さんが増え遠くからも相談にいらっしゃいます。小学校や保育園もナーバスになっていて、アレルギー専門医から食事指導表をもらってくるよう要請されることが多くなりました。このようにアレルギーの専門医の診察を受けたいという方がどんどん増えてきています。
【矢崎院長】もう一つ、小児科の医師なら避けては通れない予防接種にも重点を置いています。公費の予防接種は2歳までに20回ほど接種しなければならないので、当然1回の受診で2〜5種類のワクチンを同時にするのが常識的になりました。小児科の医師としては、しっかり診察し、そのお子さまにあった接種スケジュールをたててあげる必要があります。予防接種と小児の健康診断、育児相談は私ども小児科の医師の使命だと思っています。

アレルギーの診療の流れについて、もう少し詳しく教えてください。

【川口副院長】水曜午後はアレルギー専門の外来も設けています。アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・小児喘息・花粉症などの診察を行っています。例えば食物アレルギーの場合、それまでの食事の内容でどのようなエピソードがあったか詳細にお聞きしています。何をどのくらい食べてどんな反応が出たのか。以前は原因食品を除去することが食物アレルギーの治療の主体となっていましたが、今は、やみくもに除去をするわけではなく、あえて少しずつ摂取して体を慣らしていく減感作療法を行うようになってきました。場合によっては、ここで負荷試験を行うこともあります。ただ、午前中のほうが比較的ご機嫌が良いなど、お子さんによっては通常診療でお話を伺うこともありますね。

食物アレルギーの治療は、慣らしていくのが今のセオリーとおっしゃいましたが。

【川口副院長】以前までは、アレルギーの血液検査の結果から、反応が出たものは除去しましょうというのが当たり前でした。でもそれでは特定のものを食べないまま育つことになってしまいますから、現在のアレルギー学会の方針としては、少しずつ口にする量を増やして徐々に食べられるようにしよう、という考えが主流になってきています。今でも検査の数値を見て制限をするケースはあると思いますが、そもそも「数値が出た=食べてはダメ」ではありません。実際、数値としてはかなり高く反応が出ても、今まで平気でぱくぱく食べていて何もなかったというお子さんはたくさんいます。もちろん、重篤な症状が出ていたりショック症状を起こす危険がある場合は別ですが、検査の数字だけにとらわれず、あくまでも一つの参考にして、不必要な除去は避けるよう心がけるというのが当院の方針です。

医療機関併設型の病児保育室が利用可能

病児保育室を併設しているそうですね。

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【川口副院長】はい。生後6ヵ月から12歳までの地域のお子さんを、1日最大4人まで看護師と保育士がお預かりしています。はしか(麻疹)とはやり目(流行性角結膜炎)を除いて、風邪や胃腸炎など通常の外来診療での治療が可能な病気や、隔離が必要なインフルエンザや水痘も受け入れ可能です。階下に私たち医師が常駐していますし、インターフォンでつながっていますから、安心してお任せいただけるのが当保育室の特徴。室内は施設規定よりもかなり広いスペースをとりましたから、のびのび過ごしていただけます。ガス床暖房を完備し、隔離室の空気清浄機、AED、幼児用トイレ、蛇口を介した感染を防ぐための自動水洗などの設備を整えました。また、隔離が必要なお子さまは、別室でお預かりしています。

病児保育室を利用するにはどうすればいいですか?

【川口副院長】まず登録が必要です。所定のフォーマットに従って、既往歴やアレルギーについて、予防接種は何を受けたかなどを記入し郵送またはファックスでお送りいただきます。登録が完了したら、こちらから登録番号をお知らせします。利用にあたっては、前日の18時までに電話で入室予約、それ以降はインターネットでも予約が可能です。また、診察を受けた上で医師に連絡書という書類に記入してもらい、入室時に保護者の方が記入する利用申込書と一緒に提出していただきます。もちろん当院以外で受診しても入室できます。各種フォーマットは当院のホームページからダウンロードが可能です。

今後の展望についてお聞かせください。

【矢崎院長】生まれ育ったこの町で、地域に根づき、地元の子どもたちの健康を見守ってきました。これからも自分にできる限りのことをやっていくだけです。私自身は診療ペースを落として、うまく副院長へバトンタッチできればなと考えています。
【川口副院長】今後はもっとアレルギー診療を強化していきたいですね。そして大学病院から小児科専門の医師を迎え入れ、大学病院との連携を高めていきたいと考えています。喘息のコントロールに関連して呼吸機能検査ができるようスタッフを育てるなど、やりたいことはたくさんありますね。

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