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川口 葉子 先生の独自取材記事

矢崎小児科

(横浜市磯子区/磯子駅)

最終更新日:2021/03/24

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根岸湾に沿って街並みが広がる横浜市磯子区で、1970年から子どもたちの健康を見守ってきた「矢崎小児科」。開設当時の患者が孫を連れて来院することも珍しくないという歴史あるクリニックだ。数年前にリニューアルした院内は、ブルーとホワイトを基調とした安らぐ空間。明るく広々とした待合室で、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持つ川口葉子先生が迎えてくれた。「医学的な詳細より、実際の子どもとの生活で役立つ具体的なアドバイスを提供するよう心がけています」と笑顔を見せる川口先生は、自身も働きながらの子育てを経験したママ。クリニック併設の病児保育室「ファイン」の運営にも力を入れている。少しずつ形を変えながら地域貢献を続ける同院の特徴やめざす医療について聞いた。
(取材日2021年2月18日)

50年以上にわたり地域小児医療を支えるかかりつけ医

こちらは歴史ある小児科クリニックと伺いました。

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当院は、私の父である矢崎茂義が1970年に開院しました。当初はもう少し奥まった場所からのスタートだったそうですが、現在の場所に移転して以来、50年以上にわたりここで診療を続けています。開院当時は小児科を専門に診る医療機関は少なく、幅広い地域から生まれたばかりの赤ちゃんを連れた親御さんに大勢来ていただいたそうです。2013年から私も診療に加わり、2人体制で診療を継続してきましたが、父は2020年に現役を退き、本年度中に私が院長を継承する予定です。現在はこれまでの体制に加え、横浜市立大学の医局から若いドクターを非常勤で3人迎え、免疫疾患、神経疾患、発達障害などそれぞれの専門性も生かしていただきながら診療しています。

診療スタイルにおいて変化したことはありますか?

近年は検査に重きを置く診察が主流となってきました。当院でも、インフルエンザなどの迅速検査で確定診断を行っています。検査により治療の根拠が明確となり、不要な薬を出さなくて済むのはメリットですが、頼り過ぎてしまうと必要以上に検査をしてしまうこともあります。そうならないよう、まずは診察で鑑別を行い、検査は最低限必要なものだけにとどめるよう努力しています。また、子どもの身近なかかりつけ医として急な体調不良はもちろん、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症などといった慢性疾患の管理や発達・発育相談、予防接種や健康診断の案内などを行っています。診療時間内に加えて、夜22時まで、「夜間救急にかかるべきか」「座薬を使って良いか」など、電話による相談をお受けすることも可能です。

診療にあたり心がけていらっしゃることはありますか?

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お母さん、お父さん方のリアルな生活をイメージしながら必要な情報をお伝えすることでしょうか。例えば、食物アレルギーのお子さんに特定食材の除去をお願いするだけでなく、取り入れやすいレシピやメニューを同時にお伝えするなど、実際に食事を提供される親御さんの生活に即したアドバイスを行うようにしています。私自身、女性として母親として、仕事と並行して家事や育児を担ってきた経験から、よりリアルで具体的な内容をお伝えしたいと思っています。また、同じ情報やアドバイスでも親御さんの状況によって受け取り方もさまざまです。診察を通して親御さんの性格把握に努め、より伝わりやすい形でお話しするように心がけています。

アレルギー診療では生活に即したリアルな助言を提供

アレルギーの診療に力を入れていらっしゃるとお聞きしました。

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日本アレルギー学会のアレルギー専門医という立場を生かして、食物アレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎などのご相談を受けつけています。水曜日の午後は、アレルギー専門の外来として枠を設け、再診の方は主にその時間で診させていただいています。以前、小学校の給食でアナフィラキシーショックを起こし不幸にして亡くなられたお子さんが出て以来、心配される親御さんが増え遠くからも相談にいらっしゃいます。小学校や保育園もナーバスになっていて、アレルギー専門医から食事指導表をもらってくるよう要請されることが多くなっているようです。このようにアレルギーを専門とする医師の診察を受けたいという方がどんどん増えてきています。

アレルギーの診療について、もう少し詳しく教えていただけますか。

以前は発作による緊急入院も多かった喘息は、薬の改良によりコントロールがしやすくなってきました。対して増えているのが食物アレルギーのご相談です。入園、入学を控えて集団生活での対応や、離乳食の進め方などを相談される方が多い印象です。以前は原因食品を除去することが食物アレルギーの治療の主体となっていましたが、今はやみくもに除去をするわけではなく、あえて少しずつ摂取して体を慣らしていく減感作療法を行うようになってきました。スギ花粉、ダニアレルギーに対する舌下免疫療法も行っています。また、アレルゲンへの経皮感作が判明し、乳児期からのスキンケアが重視されるようになるなど、アレルギーへの対処法も時代とともに考え方が変わってきています。

食物アレルギーでは検査を求める親御さんも多いのではないでしょうか?

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確かに、お子さんのアレルギー検査を求められる親御さんは多いですが、必ずしも検査結果にこだわる必要はありません。検査の数値を見て制限をするケースはあると思いますが、そもそも「数値が出たから食べては駄目」というわけではありません。実際、数値としてはかなり高く反応が出ても、今まで平気でぱくぱく食べていて何もなかったというお子さんはたくさんいます。もちろん、重篤な症状が出ていたり、ショック症状を起こす危険があったりする場合は別ですが、検査の数字だけにとらわれず、あくまでも一つの参考にして、不必要な除去は避けるよう心がけるというのが当院の方針です。

自身の経験をもとに病児保育室を開設

併設されている病児保育室についてもお聞かせください。

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生後6ヵ月から12歳までの地域のお子さんを、1日最大4人まで看護師や保育士がお預かりしています。はしか(麻疹)とはやり目(流行性角結膜炎)を除いて、風邪や胃腸炎など通常の外来診療での治療が可能な病気や、隔離が必要なインフルエンザや水痘のあるお子さんも受け入れ可能です。階下に私たち医師が常駐していますし、インターフォンでつながっていますから、安心してお任せいただけるのが当保育室の特徴です。室内は施設規定よりもかなり広いスペースをとりましたから、伸び伸び過ごしていただけます。ガス床暖房を完備し、隔離室の空気清浄機、AED、幼児用トイレ、蛇口を介した感染を防ぐための自動水洗などの設備を整えました。現在は新型コロナウイルス感染拡大の状況により、すべてのお子さんを個室でお預かりする体制としています。

病児保育室を利用するにはどうすればいいですか?

まず登録が必要ですので、所定のフォーマットに従って、既往歴やアレルギーについて、予防接種は何を受けたかなどを記入し郵送またはファックスでお送りいただきます。登録が完了したら、こちらから登録番号をお知らせします。利用にあたっては、前日の18時までに電話で入室予約、それ以降はインターネットでも予約が可能です。また、診察を受けた上で医師に連絡書という書類に記入してもらい、入室時に保護者の方が記入する利用申込書と一緒に提出していただきます。もちろん当院以外で受診しても入室できます。各種フォーマットは当院のホームページからダウンロードが可能です。

今後の展望についてお聞かせください。

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大学病院とのつながりを大切にしながら、地域の小児医療における役割を果たしていきたいです。働く女性が増えていますが、私自身も医師として仕事をしながら子どもを育ててきました。仕事と育児を両立することの大変さは理解していますから、働くお母さんをサポートする病児保育はぜひ続けていきたいと思っています。新型コロナウイルス感染症が拡大し、「クリニックへ行くのが怖い」と受診を控えていらっしゃる方もいるようですが、当院では換気や消毒など徹底した対策を行っています。むしろ、病気を見逃してしまうことのほうが大きなリスクになるとも考えられますので、予防接種、健康診断はもちろん、気がかりがあればぜひお気軽にご来院ください。

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