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長堀 優 院長の独自取材記事

育生会横浜病院

(横浜市保土ケ谷区/保土ケ谷駅)

最終更新日:2020/01/10

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国道1号線から病院入口までの急坂をゆっくりと上り下りするモノレール「ごんたん」の姿が印象的な「一般財団法人 育生会横浜病院」。同病院は戦後間もない頃、乳幼児医療を中心とする病院として開設され、1995年の移転を機に高齢者医療に移行した病院だ。2015年から院長として同院を率いているのが長堀優先生。長堀院長は、横浜市を中心に外科の医師としてがん治療を多く経験する中で、患者や家族の気持ちのありようが、治療の成果に大きく影響することを実感したという。地域住民が年齢を重ねていく中、長堀院長は「高齢になっても生まれ育った場所で住み続けられるようなお手伝いをしたい」と話す。同病院では、専門性の高い外来診療を行うとともに、近隣病院や在宅医療のクリニックなどと連携して地域完結型の医療の実現に邁進している。長堀院長に同院の特徴や取り組みについて話を聞いた。
(取材日2019年12月20日)

キュアとケアで、より良い生き方をサポート

病院の特徴について教えてください。

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当院は介護老人保健施設や特別養護老人ホームを併設した複合施設で、外来から入院、療養、看護・介護まで複合的に医療、福祉を提供しています。病院内には地域包括ケア病床、一般病棟、療養病棟を設置しており、地域包括ケア病床では、近隣の急性期医療を担う病院と連携し、治療後すぐにはご自宅に戻れない方に療養とリハビリテーションを行っており、高齢者の救急医療にも対応しています。一般病棟、療養病棟では、誤嚥性肺炎や脳梗塞、認知症などの患者さんに医療、看護、介護と幅広く対応。敷地内には各施設が併設され、病院から施設への移動・受け入れがスムーズなのも特徴です。病気の回復状況やご本人・ご家族の希望をもとに、担当医師や病棟看護師、地域のケアマネジャーなどと密に連携を取り退院支援にも力を入れています。ご高齢の方が住み慣れた場所で長く暮らせるよう、多方面からサポートすることで地域医療の中心として貢献したいと考えています。

外来診療にはどのような特徴がありますか。

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内科、消化器内科・消化器外科、循環器内科、整形外科など幅広い診療を⾏っています。中でも⾼齢者に多い整形疾患の外来、糖尿病に特化した外来、婦⼈科など専⾨性の⾼い診療を⾏っており、多くの患者さんが受診しています。緩和ケアも予約制による外来を⾏っています。内科と婦⼈科には⼥性の医師が常勤。⼥性特有の悩みがなかなか改善しない場合、症状によっては漢⽅の治療も取り⼊れています。また当院では、⼈間ドックや健康診断、定期検診にも⼒を⼊れています。⼈間ドックでは、⾎液検査、胸部エックス線、⼼電図などの基本的検査に加えて、オプションとしてCTによる内臓脂肪検査やCOPDの診断、頸部超⾳波および両⼿両⾜の⾎圧を同時に図るABI検査による動脈硬化の進⾏度、⼤腸内視鏡検査、腫瘍マーカー検査、⼦宮頸がん検査などを受けていただけます。定期的な検査は病気の早期発⾒につながりますのでぜひ受けていただきたいですね。

超高齢社会の中、病院として取り組んでいることはありますか?

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当院の訪問看護ステーションや保土ケ谷区内の各ケアプラザなどと連携して訪問診療及び訪問看護を実施しています。さらに保土ケ谷区と近隣の在宅医療クリニックと連携して在宅医療をサポートしています。内科の他にも整形外科や緩和ケアの在宅医療クリニックとも密な連携をとっていて、患者さんの容体が急に変化したり緩和ケアなどが必要になった場合は、即時に当院で受け入れています。また在宅で看護、介護しているご家族に向けたレスパイト(介護家族支援短期入院)にも積極的に取り組んでいます。近隣には独居老人もおられ、一人での生活が難しい場合には、当院で体調を整えていただき施設にご紹介したりしています。病院としてはとにかく、高齢者が増えている現状で速やかに対応することで、急性期病院との橋渡しとともに地域の中での完結型医療の実践をめざしています。何かがあればすぐに駆け込めるような存在でありたいです。

入院、療養患者さんにはどんなことを大切にされていますか。

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当院に入院、療養されるのは高齢の方が多く、キュア(治療)だけでなくケア(お世話)も重要と考えています。これまでは死をできる限り遠ざけるのが医療のあるべき姿と思われていましたが、これからは死を意識することで、より良い生き方とは何か、ご本人やご家族が望む生き方を実現するためのサポートを行っていくことも重要です。中でも、患者さん一人ひとりの実情に即した日本的なこまやかな緩和ケアを実現していきたいですね。人間は結局、最終的には誰もが亡くなっていきます。だからこそ一瞬一瞬を大事に生きて、最期は悔いなく旅立とうというのが東洋哲学の教えです。死を迎えるにあたってそれを受け入れ穏やかに旅立っていく、それを支える医療も必要だと医療者として感じています。普段から毎日どのように生きるか、どういうふうに最期を迎えるかを家族と分かち合えていれば、すんなりと死を受け入れ旅立っていけると思います。

最後に院長として心がけていることを教えてください。

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私がいつも心がけているのは会話です。会話をできない人も表情で訴えてくるので、患者さんには寄り添うという気持ちで接しています。時々、私の顔を見て泣き出してしまう人もいるのですが、そばにいるだけで安心されることもあるので、時間があれば病棟を回り「お変わりありませんか?」とお声がけしています。私はこれまで外科の医師として治療にあたってきましたが、次第に心の面からも支えが必要なのではと思うようになりました。当院の基本理念である「努力、実行、奉仕」には「利他」つまり、人のために働く精神を意味しています。その一例として大通りから病院に続く坂道には独自のモノレールまで敷設されているほど。この精神は、患者さんやご家族のためにはもちろん、職員のためにも生かされています。職員を取り巻く環境を整えることも重要と考えています。職員が安心して働けることは、結果的に患者さんへの気づかいやサービスにもつながるでしょう。

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