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総長 町田 治郎 先生の独自取材記事

神奈川県立こども医療センター

(横浜市南区/弘明寺駅)

最終更新日:2019/12/16

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横浜市南区六ツ川にある、「神奈川県立こども医療センター」。京急本線の弘明寺駅や、JR横須賀線の東戸塚駅・戸塚駅などからのバス便も豊富な同センターは、難病・重症・慢性疾患などの小児や、出産リスクが高い妊婦を対象として、 専門性の高い医療や福祉を提供している。「こどもの健康の回復及び増進と福祉の向上のため、最善の医療を提供」を理念に三次救急患者を受け入れ、県内小児医療において重要な役割を担っている。2019年4月にその総長に就任したのが、町田治郎医師。長く同センターで小児整形外科診療に携わり、日本小児整形外科学会の理事も務める整形外科の専門家だ。「子どもは国の宝であり、その健やかな成長を支援する当院は県の宝だと自負しています。子どもたちとご家族に寄り添う医療で、豊かな未来を支えたい」と語る町田総長に、近年も発展を続ける同センターの特徴や課題、展望などを話してもらった。
(取材日2019年9月20日)

子どもの明るい未来のため医療からサポート

まずはセンターの概要を教えていただけますか?

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子どものための医療・福祉・教育を一体的に提供している小児専門の総合医療施設です。430床の病床と内科系、外科系、周産期に心の領域までを網羅する30の診療科を擁し、県内はもちろん全国から子どもたちを迎えています。小児の三次救急医療機関として重症患者の受け入れに加え、総合周産期医療機関としてリスクを抱えた胎児と妊婦を支える医療も展開。小児がんや小児稀少難病、近年増加傾向にあるアレルギー疾患にも注力し、それぞれの分野で専門的な治療が提供できるよう努めています。さらに子どもを専門とする児童・思春期精神科では、病院事業として「こどものこころのケアネットワーク事業」にも取り組むなど、さまざまな領域で神奈川県内小児医療での大きな役割を果たしていると自負しています。子どもたちに向けた「あなたの『げんき』と『えがお』のためにみんなでちからをあわせます」の誓いのもと、職員一丸となって日々取り組んでいます。

周産期棟の改修を行われたと伺いました。

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はい。1年半ほどの期間を費やし、2019年9月に新たな周産期棟として稼働を開始いたしました。当院では広く神奈川県全域からの要請にお応えすることをめざしてきましたが、出生体重1000グラム未満の低出生体重児についてはこれまで搬送依頼の半数程度にしかお応えできず、東京方面の医療機関へとご依頼を流さざるを得ないという状況がありました。そのため、多くの方を受け入れる体制の整備が課題だったのです。今回、NICUとGCUを合わせて11床増床し、それぞれ27床としました。スウェーデンやアメリカの施設に学んだ「ファミリーセンタードケア」を実践すべく、母子同室可能なNICUも備えています。これまで難しかった新生児期からのお父さまやきょうだいたちの面会が可能となり、ご家族の退院後の不安の軽減に努めるとともに愛情の形成にも一役買ってくれるものと期待しています。

その他、診療面での特徴を教えていただけますか?

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循環器内科と心臓血管外科で協働し、超音波を用いての胎児期からの検査・診断、手術までの治療の提供をしております。また、小児がん拠点病院の一つとして病院全体で小児がんに取り組んでおり、特に小児脳腫瘍の分野については、周辺地域で対応する医療機関が少ないため、多くの方に来院いただいております。さらに、少子化の進行とともに患者の集約化が進んでいる外科領域でも、小児専門の医師がそろう病院として大きな役割を担っています。近年では、染色体異常や先天異常症候群などの遺伝性疾患に対し、各診療科や検査部門、研究所、福祉部門が連携して対応するメディカルゲノムセンターを立ち上げて積極的に取り組んでいます。

ホスピタリティー面での取り組みにも積極的ですね。

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小児専門病院として、子どもたちの心の痛みを軽減するようさまざまな工夫を行っています。その一つがファシリティードッグの常勤勤務。2012年から当院で活躍してくれたベイリーの後継として2018年にアニーを迎え、採血時や手術室へ向かう時など、さまざまな場面で子どもたちに寄り添っています。また、多くの方にボランティア登録をいただいている「オレンジクラブ」の皆さんにも、季節ごとに院内の装飾を変えていただいたり、図書イベントを開催するなどご活躍いただいています。ご家族向けの宿泊施設「リラのいえ」もボランティア等の手で運営されており、子どもたちの手術前後のご家族に対する経済的、そして精神的な支えになっているようです。地域ボランティアの皆さんの手で当センターの医療・福祉をサポートしていただいていることは、本当にありがたいことです。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

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少子化により重症患者の診療経験を持つ医師の育成が困難となっている現実や、重症児の成人移行・在宅移行など、小児医療を取り巻く環境には課題が多くあります。そうした課題の一つ一つに積極的に取り組む当センターは、神奈川県にとってなくてはならない大きな財産であると考えています。退院後のご家族を支援するとともに、在宅医療を担う地域の医師、看護師らとも積極的につながりを持ち、子どもたちの成長と発達を地域で支える社会をめざしていきたい。そのためのハブとしての機能を果たしたいと願っています。小さな肩に大きな未来を背負った子どもたちは、国の宝でもあります。皆さんと一緒に、大切な子どもたちの健やかな暮らしを守っていきたいと思います。

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