野呂 昇平 院長の独自取材記事
グッドライフクリニック西町南
(札幌市西区/発寒南駅)
最終更新日:2024/09/05

札幌市営地下鉄東西線・発寒南駅より徒歩10分の場所に位置する「グッドライフクリニック西町南」。2024年5月にリニューアルした生活習慣病に特化した予約制のクリニックだ。すでに生活習慣病になってしまった患者の治療はもちろん、健康診断で指摘された患者に対する発症予防を得意としている。予防医学に注力する同院では、生活習慣病・肥満症の外来診療において、一人ひとりの患者に合わせた丁寧な食事・運動指導を行い、メディカルフィットネス施設も備える。「たくさんの人を幸せにしたい」と語る野呂昇平院長は、医師のみならず経営者としての一面も持ち、AI技術の活用など、常に知識をアップデートしながら良質な医療サービスを提供している。そんな野呂院長に、クリニックの特徴やこだわりについて聞いた。
(取材日2024年7月9日)
専門家として「予防医学」を柱とする医療サービス
予防医学に注力しているとのことで、コンセプトを教えてください。

糖尿病・高血圧症・脂質異常症・メタボリックシンドローム・脂肪肝といった生活習慣病は、日々の食事や運動などの生活習慣を変えることで、予防や治療が望めます。生活習慣病は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・心筋梗塞といった命に関わる病気とも密接に関わっています。遺伝や加齢によって引き起こると思われがちですが、90歳以上の方は別として、70~80歳くらいまでは若い時から気をつけていれば発症の可能性の低い病気です。読者の皆さんの身近にも、50~60歳で脳や心臓の病気になってしまった方がいるかもしれません。その背景には、せっかく健康診断を受けて、コレステロール値や血圧が高いと指摘されても、医療機関を受診せずに放置してしまう方がたくさんいることにあると考えます。60歳くらいまでは何とかなっても、定年後、一気に不調が生じますよ。そうした方を少しでも減らすために、当院を始めました。
生活習慣病は予防が重要なのですね。
例えば、まだ働き盛りの50歳の大黒柱が、脳梗塞などで倒れてしまったとします。残された家族はどうなってしまうか想像してください。命が助かったとしても、後遺症が残り介護が必要となれば、家族は仕事を変えたり辞めたり、子どもさんが進学を諦めたりと家族みんなの人生プランが一変してしまいかねませんよね。そうならないために、若いうちから生活習慣病にならないようにサポートするクリニックです。食事や運動習慣で肥満を予防し、タバコを吸わなければ、多くの人は健康に長生きすることが望めます。しかし、生活習慣病の治療は、内科診療の一環で薬の処方にとどまることが多いです。栄養・カロリー計算・運動プログラムなどの専門知識は、栄養士や理学療法士など別の専門職の仕事だと切り分けられてきた側面があります。そこで当院では、医師である僕がワンストップで提供することにしました。
どのような診療を受診できますか?

医療機関や研究分野でも使われる体脂肪率や骨密度などの体成分を測定する装置で、体組成チェックをします。必要に応じて採血や採尿を行い、合併症の疑いがあれば超音波検査や心電図検査を行います。個々の生活背景を伺い、病状を踏まえた上で食事や運動についてプログラムを提案。患者さん一人ひとりの身長・体重・年齢などから適切なカロリーを計算し、具体的な食事メニューまでアドバイスします。必要に応じて薬も処方しますが、できる限り薬に頼らないほうがいいと考えているため、服用中の方もこまめに数値を計測して「薬の量を減らせないか」「生活習慣の改善によって薬をやめられないか」と、丁寧に診察します。医師が改善プログラムを作って経過観察やアドバイスまでする医療機関は珍しいと思います。
培った医療知識で、たくさんの人を幸せに
リニューアルによって院内は大きく変わったそうですね。

3年前からこの場所で開業はしていたのですが、クリニックの診療は細々とやっていたんですね。僕自身が2024年の4月で勤務医を卒業したこともあり、予防医学に注力するクリニックとして、いよいよ本腰を入れられるタイミングで改装しました。患者さんが各種検診を受けやすいように、寝た状態で全身を撮影できるエックス線検査装置を導入したり、特定保健指導やリハビリテーションが受けられる部屋を新たに作ったりしました。また、午前中は発熱などの一般内科の患者さんの外来も受け入れているので、風邪症状のある患者さんと生活習慣病の予防で来院される患者さんが接触しないように、導線を分ける改装も行いました。入り口から診察室までの導線が完全に分かれているので、お互いに安心して来院いただけます。
IT技術も積極的に活用されてると伺いました。
完全予約制でオンライン決済を導入することで、院内での待ち時間を限りなく少なくできるように工夫しています。診察時間はじっくり取りますが、それ以外の待ち時間は少ないに越したことはないと思いますので、来院してから30分で帰れるように、AI技術も活用して業務効率化を図っています。例えば、問診や検査結果などのデータから、一定の作業の自動化に成功しています。2021年の開業から2024年の4月までは、救急科の医師として救急症例を診ながら、メディカルフィットネスの経営やコンサルティングを手がけながら、当院の院長もしていたので、正直大変でした。クリニックの拡張工事も完了し、新体制が整ったので、これからたくさんの患者さんのサポートをしていきたいと意気込んでいます。
専門的な医療は、どこで経験を積まれたのですか?

大学卒業後は、脳神経外科で脳腫瘍の開頭手術や脳血管カテーテル手術など、多くの手術を経験しました。その後、札幌孝仁会記念病院で救急車で運ばれてくる患者さんの処置を担う救急科の医師として、研鑽を積みました。救急科で勤務医として働きながら、メディカルフィットネスや会社などの経営を3年前からスタートさせました。僕の活動の根底には「たくさんの人を幸せにしたい」という思いがあります。医師として企業とタッグを組むことで、多くの人の健康をサポートできます。メディカルフィットネスも同じ思いで始めました。僕一人が医師として治療できる人数は、一生かけても1万人、10万人規模です。それを、何百万人、何千万人、1億人レベルに広げていきたいのです。
併設したジムと協力し、日常に溶け込む医療サービスを
多彩な専門性をお持ちですね。

生活習慣病を起因とする脳の病気で苦しむ患者さんとそのご家族をたくさん見てきたからこそ、「たくさんの人を幸せにしたい」という思いを胸に、気をつければリスクの軽減が見込める病気を減らしたいと考えています。僕自身、もともと健康志向で運動が好きだったこともあり、パーソナルトレーナーなどの勉強も重ねてきました。20代からさまざまな勉強にチャレンジし、まだ目標の100%は達成していないものの、予防医学に特化したクリニックを運営するには十分な知識と経験を養えたと考えて、当院の開業に至りました。
今後の展望をお聞かせください。
今は僕一人で、診察から生活習慣の指導まで一貫して行っていますが、今後患者さんが増えてきたら、医師を増やして育成したいと考えています。日本には生活習慣病を専門とした医師というジャンルがなく、医学部の6年間の中でも栄養や運動について学ぶ機会はありません。ここまで特化しているクリニック自体が珍しいので、培った知識や経験を伝承し、より多くの人の幸せに貢献できたらいいですね。
読者へメッセージをお願いします。

当院は、地域のかかりつけ医としての診療はもちろん、病気にならないようにする、処方だけに頼らない予防医学にも注力したクリニックです。生活習慣病の予防には日常的な運動も大切です。お金をかけずに家でできる運動もたくさんあるので、そうしたアドバイスもします。しかし、家では継続できない方もいらっしゃると思うので、そうした方に気軽にご利用いただけるようにメディカルフィットネスを備えました。詳しくはメディカルフィットネスのサービス案内も作成していますし、一人ひとりに合った運動や食事をオーダーメイドで、保険診療の範囲内で実施できますので、ぜひお気軽にお越しください。