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上野 克仁 院長の独自取材記事

うえの内科外科医院

(大田区/西馬込駅)

最終更新日:2024/09/06

上野克仁院長 うえの内科外科医院 main

西馬込駅から徒歩7分。にぎやかな駅前通りを抜けて、閑静な住宅街をしばらく歩くと見えてくる「うえの内科外科医院」。広々とした待合室にはラタンチェアが置かれ、温かみのある空間が広がる。笑顔で迎え入れてくれたのは上野克仁院長。穏やかで優しい雰囲気と、何でも相談できそうな親しみやすさを持つ先生だ。2022年10月に、先代からクリニックを承継したという上野院長は、これまで総合病院から町のクリニックまで、さまざまな環境で医療を提供してきた。特に、長く携わっていた訪問診療では「医療者としての在り方」を考えるきっかけになったとのこと。クリニック承継の背景から上野院長の医療に対する想いまで、じっくり話を聞いた。

(取材日2022年12月8日/更新日2024年7月29日)

地元住民に愛されていたクリニックを承継

こちらのクリニックについて教えてください。

上野克仁院長 うえの内科外科医院1

ここはもともと「オダチ外科内科クリニック」として、25年ほど地域に密着した医療を提供してきたクリニックです。そちらの院長職を先代の小立先生から承継し、2022年10月に「うえの内科外科医院」として新たに開院しました。とはいえ、インテリアも医療設備もスタッフも、先代のときのままです。全面リニューアルも検討しましたがその場合長期間は休診しなければなりません。すると、先代時代から長年通院されている患者さんが困ってしまいます。できる限りタイムラグがないよう、承継させてもらいました。

クリニック承継のきっかけは何だったのでしょうか。

私はこちらを承継する前、訪問診療のクリニックで8年ほど勤めていました。やりがいがある一方で、勤務医の立場だと自分の提供したい医療や方針を実現できないもどかしさも少なからずあったんです。自分の考える医療を提供したいと考えていた中で、ご縁があって医院継承をお考えだった小立先生にお会いしました。お人柄も素晴らしく、クリニックの設備なども充実していましたので、私は一目で気に入ってしまいましたね。また、私自身この地域にはゆかりもありました。実は幼少期をこの近くで過ごしており、患者さんの中には、同じ小学校出身の方も。縁があると感じたことも、承継の決め手となりました。

前身のクリニックから受け継ぎ、続けていきたいことはありますか?

上野克仁院長 うえの内科外科医院2

誰もが通いやすい、アットホームな雰囲気は保ち続けていきたいですね。先代院長は、地域に密着した医療を長年提供し、地元の方々に慕われてきた方です。一家で通われているご家族も大勢いらっしゃいます。観葉植物をたくさん置いたり、照明にこだわったりと、癒やしを意識した空間づくりも大切にされていました。「気軽に来院できる」「相談しやすい」、そんな患者さんの声にお応えできるよう、今後も身近な医院づくりを心がけていくつもりです。

医療者としての在り方を学んだ訪問診療

一方、上野先生が新たに始めたことや始めたいと考えていることはありますか?

上野克仁院長 うえの内科外科医院3

まず診療範囲が変わりました。先代院長の専門は消化器だったのに対し、私は循環器を専門としております。心臓に関するお悩みをはじめ、近年急増している睡眠時無呼吸症候群のご相談にも応じています。また、訪問診療やオンライン診療の受付も開始しました。通院するのが難しい方やちょっと相談したいときに活用してもらい、よりクリニックを身近に感じていただけたらうれしいです。今後は「在宅療養支援診療所」として、この地域にお住いの方々の在宅医療のニーズにさらに応えていきたいですね。診療費の支払い方法に関しては、キャッシュレスを導入しました。あと、駐車場を2台分ご用意したので、ご家族の運転で来院される方もいらっしゃいます。患者さんが負担なく通えるよう、少しずつブラッシュアップを図っていこうと考えています。

これまでのご経験をこちらのクリニックでどのように生かしていきたいですか?

これまで都心、郊外、大規模病院、小さなクリニックなどさまざまな場で経験を積ませてもらいました。研究優先の病院に在籍したこともあれば、治療よりも患者さんが穏やかに過ごせることを優先した診療にも携わりました。そのどれもが、私の学びになっていると思います。特に、こちらを受け継ぐ前まで勤めていた訪問診療のクリニックでは、医療者として何ができるかということを考えさせられました。医療者だからできることもあれば、難しいこともある。「病気=治療をする」と考えるのが一般的ですが、訪問診療で診ていた認知症の方や末期がんの患者さんの場合、治療ではなく、穏やかに過ごせる環境づくりを優先するというケースも幾度もありました。そして決断に至る過程では、私だけでなく看護や介護を行う方とも意見を何度も交換しました。何を重視して患者さんの診療に臨むべきなのか考えることができた経験は、今後の診療でも生きると思います。

訪問診療では他職種の方とも連携を取り合うことが多かったのですね。

上野克仁院長 うえの内科外科医院4

看護ステーションや支援センターの方々とずっと協力してきました。他職種のメンバーとフラットに話し合いができたのは、とても有益な時間でしたね。もしかしたら病院勤務の頃は、自分の考え方を優先してしまう場面もあったかもしれません。でも訪問診療となると、一人の患者さんに対して看護師、介護士などさまざまな方が関わっている。彼、彼女たちと意見を交わしながら、患者さんの病気に向き合い、ライフスタイルを考えていくことは、とても貴重な経験だったと思います。ここには治療を目的に通院している患者さんがほとんどです。しかし通院が難しそうであれば、私がお宅へ伺って、診療をしつつ患者さんに寄り添っていくことも必要だと考えています。訪問診療で得た経験を礎に、ここに通ってくださる患者さんと関係を築いていきたいです。

敷居の低い地元のかかりつけ医をめざしたい

診療の際、心がけていることはありますか?

上野克仁院長 うえの内科外科医院5

わかりやすい説明、これに尽きると思います。医師は説明義務を果たしているつもりでも、患者さんは理解していないケースというのは少なくありません。すると食い違いが起きたり患者さんを困らせてしまう可能性もある。淡々と長い説明を聞いていても、すべてを覚えることは難しいですよね。だから時には、優先順位の高い項目や確実に理解してほしい内容に絞って説明することもあります。診療や内容は、患者さんに理解してもらうことが一番重要ですからね。

これまでの医師人生で、印象に残っている出来事はありますか?

以前訪問診療を行っていた時、ご家族や身近にいる介助者の違和感やアンテナは、時に患者さんの不調を示すシグナルになっているということを身をもって体験しました。一緒に暮らすご家族やケアホームなどのケアスタッフさんは、毎日患者さんと密度高く接しているから、些細な変化にもとても敏感なんです。「様子がおかしい」と連絡をもらい、体温や血圧を測定してもらうも平常通りで風邪症状もない。けれど実際に診に行ってみたら、疾患が明らかになったという出来事は一度だけではありません。日常生活をともに送る方が感じる「普段との違い」は、的中していることが多いんです。「数値が平常値なら大丈夫」と受け流してしまえば、重い病気を見逃しかねません。患者さんご本人はもちろんのこと、ご家族たちのお話にも真摯に耳を傾ける大切さを実感しました。

今後、どのようなクリニックをめざしていきたいですか?

上野克仁院長 うえの内科外科医院6

先代の小立先生がそうであったように、地域に密着した敷居の低いかかりつけ医をめざしています。訪問診療では医師として多くの経験を積ませてもらいましたが、診療範囲があまりに広く、地域に根づいた活動が満足にできていなかったようにも思います。これからは、少し調子が悪いときにでも気軽に行ける、そんなクリニックとして、地域の方の健康を守っていきたいです。また、今は年配の患者さんが多いですが、この辺りはファミリー層も住んでいる地域です。お子さんや親御さんの通いやすさも意識しながら、着実に医療を提供していきたいと思います。

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